スズキがAI自動運転先進企業ティアフォーと業務提携

AI

ティアフォーといえば日本のベンチャー企業に中でも成長企業を代表評するユニコーン社の一つ。本年のダボス会議にも参加した企業として、世界でも今後成長が期待されるAI分野での成長有望企業として期待をされている。

スズキは日本の軽自動車にも「自動運転技術」を取り入れる試みとして、上記ティアフォーとの業務提携を行った。

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自動運転は時期尚早、大きすぎる研究課題

大企業が日本のベンチャー企業を支援することは大変微笑ましいことです。先進技術開発には莫大な資金とその道に精通した有能な人脈が必要とされます。公的な資金がベンチャーへの支援になり得ていない日本国内に於いて「大きな駆け引き」を大企業が支援していく事例として注目していきたい。

100%完全自動運転は実現できない

Toyota Research Instituteのギル・プラット氏の発言

「人の運転を助けるモードと完全自動運転モードの研究を並行して進めるが、完璧な完全自動運転車はAIでも実現できないという認識が大事だ。人間同士の事故とは異なり、機械のミスを社会は許しがたいから。ゆえに、完全自動運転技術は、人の運転より少し安全だという程度ではいけない。レベル5対応の車両は人の運転より事故発生率を大幅に減らせなければ投入は難しい」

自動運転レベル

完全自動運転を妨げる現実として

  1. 安全性と製品保証
  2. 人工知能の過大な評価
  3. セキュリティとシステム脆弱性

安全性と製品保証

日本の自動車メーカーが「公道を走れる自動車を販売する」ということは製品に対する「メーカー保証」というものが必須となってきます。

現実、無人で運行している自動運転車の痛ましい人身事故が世界中で多数発生している現状において、保証を誰が追うのかという大きな問題が発生しています。製品を販売した企業が悪いのか、安全システム(ソフトウェア)の開発側に問題があるのかということです。

極端な事例では、無心AI自動車による死亡事故による保証が、上記の問題によって金銭が全く支払われていないという事実があります。保証の範囲として今後「保険会社」がどのよう(補償範囲)に関わってくるのか疑問です。

人工知能の過大な評価

もしもの状況は、人工知能が判別し処理できる?

「自動運転車両のトロッコ問題」
ブレーキの制御が効かなくなった車両(トロッコ)が分岐点に差し掛かり、右に進めば「お金持ちのそうな老人をひき殺す」左に進めば「貧乏そうな子供をひき殺す」この判断が迫られたときにAIはどのように判断をするのか」

公道を走る全ての車両がAIにおける完全自動運転車両であった場合を除き、例え自動運転車に過失はなくても側面方向から人の運転する自動車に衝突された場合に二次被害として突然進行方向が変わり上記の例の様に選択をAIがしなければならないということです。

現在自動運転用に開発されているAIは、汎用人工知能ではなく、「人間の行動を真似る」か「システムの一部を担う」ものです。精度は人間以上の場合も多いですが、予測できない状況をカバーできるほど汎用性はないのが現状です。

セキュリティとシステムの脆弱性

現在の車両を制御する車載ネットワーク(CAN: Controller Area Network)は、インターネットとは違いセキュリティ対策がしにくく、脆弱性を内包しています。

常にセキュリティ脅威にさらされる事になる完全自動運転システムにとっては、どの程度セキュリティ対策を行えばいいのかは、悩ましい問題になるでしょう。

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所感

スズキの取組としては早期の自動運転は現実的ではなく、もしも実現できるのであれば「道路を全て画像認識におけるマッピング制度を上げることが可能な高速道路の限定の自動運転であってレベル4が限界」

公道を走ることの出来る完全自動運転車両の実現はまだまだ遠い未来の話です。日本では最先端のティアフォーAI自動運転技術(ソフトウェア開発)をどのように取り入れるかが目的であって、長期目線で考えると無駄な投資にならないのかという懸念は感じられます。

小職個人の所感ではありますがティアフォーの「ダボス会議への参加」というキーワードが気になっていて、国民の安全性を少々犠牲にしてでも国策優先で推し進める「圧力や利権」が動いているような。ここだけの話です