65年のロングセラーが2026年3月19日に最新改良。スマートアシストの大幅強化とエクストラグレードの装備充実で、「働く相棒」がさらなる高みへ。
1960年にダイハツ初の軽四輪車として誕生して以来、農林水産業をはじめとするあらゆる産業の現場で「働く相棒」として愛され続けてきたダイハツの「ハイゼット トラック」が、2026年3月19日に待望の一部改良を遂げました。累計生産台数485万台超という圧倒的な実績を誇るこのロングセラーモデルは、軽トラック販売台数のランキングで16年連続首位(2010年〜2025年)を維持してきた日本のモノづくりを象徴する一台です。
今回の一部改良では「安全性能の劇的な向上」と「利便性の強化」が図られています。本記事では、公式情報と最新リサーチをもとに「グレードと価格」「進化したスマートアシストの詳細」「ジャンボと標準モデルの違い」まで、徹底的に読み解いていきます。
ハイゼット トラックとは何者か ——65年の軌跡と「No.1」の理由

「ハイゼット(HIJET)」という名前をご存じない方はほぼいないでしょう。しかし、なぜ「ハイジェット」ではなく「ハイゼット」なのか、ご存じでしょうか。実はこの車名、ダイハツの軽三輪トラック「ミゼット」の高性能版という意味で「ハイ+ゼット(ミゼットのゼット)」と命名されたもの。1960年の誕生から名前の由来まで、すべてに物語があります。
初代から現行10代目まで——モデルチェンジの軌跡
1960年
初代ハイゼット誕生
ダイハツ初の軽四輪車として登場。ボンネットタイプの軽トラックとして、当初は「ビジネスとレジャーを結ぶ新しいファミリーカー」として売り出された。
1964年
2代目:キャブオーバー型へ転換
東京オリンピック開催の年。エンジンを座席下に配置するキャブオーバータイプへ変更し、ボンネットがなくなることで荷台スペースが大幅拡大。現在のハイゼット トラックの原型が確立された。
1981年
6代目:「ジャンボ」グレードの誕生
今や定番となった「ジャンボ」グレードがこの世代から登場。運転席を後方に広げたキャビン拡大モデルとして、長距離移動や休憩スペースを求めるユーザーに支持された。
1999年
9代目:「ハイゼット トラック」へ改称
軽自動車規格変更に合わせボディを拡大しフルモデルチェンジ。「ハイゼット トラック」という現在の車名に統一。9代目バン(ハイゼット カーゴ)はイタリアの名デザイナー、ジウジアーロ氏がデザインを担当した。
2014年
10代目(現行):15年ぶりのフルモデルチェンジ
約15年ぶりのフルモデルチェンジ(S500P/S510P型)。スタイリッシュなフロントデザインを採用し、基本性能・利便性が大幅向上。農林水産省「農業女子プロジェクト」との連携で「農業女子パック」も用意された。
2018年
スマートアシスト初搭載
予防安全機能「スマートアシスト」がハイゼットシリーズに初採用。軽トラック初の衝突回避支援システム搭載として業界に衝撃を与えた。
2021年12月
ビッグマイナーチェンジ(後期型へ)
フロントデザインを刷新し、FR用CVTを新開発して低燃費と加速性能を向上。軽トラック初の電子制御式4WDとCVT用スーパーデフロックを新採用し、さらにステレオカメラ採用の最新スマートアシストへ強化。
2025年2月
全グレードにスマートアシスト標準化
スマートアシスト非装着車の設定を廃止。全グレードへの標準装備化が完了した。
2026年3月19日
最新一部改良モデル発売(本記事の主役)
スマートアシストに新たな検知機能を3つ追加。エクストラグレードへのLEDヘッドランプ等の標準装備化。価格帯は1,094,500円〜1,628,000円に。
📊 業界データ
ハイゼット トラックは、2010年から2025年の16年連続で日本国内のトラック(軽・小型・普通含む)車名別年間販売台数の首位を維持しています。さらに2021年にはグッドデザイン・ロングライフデザイン賞をダイハツ車として初めて受賞。「売れているだけでなく、長く愛される車」として評価されている証左といえるでしょう。
また、ハイゼット トラックのOEM(他社へのブランド供給)も注目ポイントです。トヨタの「ピクシス トラック」、スバルの「サンバー トラック」はいずれもハイゼット トラックをベースとしており、プラットフォームとしての完成度の高さが伺えます。つまり、ハイゼット トラックを選ぶということは、日本の軽トラック市場において事実上の「標準規格」を選ぶということでもあるのです。
最大のハイライト——スマートアシストの劇的進化を読み解く
今回の改良における最大の核心は、予防安全機能「スマートアシスト」の機能拡充です。スマートアシストは2018年にハイゼット シリーズへ初搭載されて以降、段階的に機能を拡大し続けてきましたが、2026年3月の改良で新たに3つの検知機能が追加されました。
なぜ今、この機能強化が重要なのか。それは、ハイゼット トラックが活躍する「農道」「住宅街の生活道路」「工事現場周辺」といったシーンを想像すると分かりやすいでしょう。速度が低い一方で、突然飛び出してくる自転車、見通しの悪い交差点での対向車、横断歩道の歩行者……こうした日常的なリスクが事故の大半を占めているのです。
今回 新たに追加された3つの検知機能
🆕 2026年3月改良 新規追加機能
対横断自転車検知機能
道路を横断してくる自転車をカメラで検知し、衝突回避支援ブレーキが作動。特に農道や住宅街での自転車飛び出しに対する実用的な安全対策として高く評価されます。自転車は歩行者と異なり移動速度が速く、ドライバーが反応する間がないケースも多いため、このシステム対応は現場の切実な要望に応えるものです。
交差点右折時の対向車線の車両検知機能
右折時に直進してくる対向車との衝突リスクを検知・支援。交差点での右折事故は、見通しが悪い時や対向車の速度の読み誤りによって発生しやすく、業務中の走行では特に注意が必要な場面です。この機能追加により、プロドライバーの判断をシステムがサポートします。
右左折時の対向方向からの横断歩行者検知機能
交差点での右折・左折時に横断歩道を渡る歩行者の検知能力を強化。特に高齢者や子どもの歩行者は動作が不規則になりやすく、ドライバーが見落とすリスクが高まります。スマートアシストがこの領域をカバーすることで、交差点での接触事故を抑制します。
📍 業界人の視点
今回追加された3機能はすべて「交差点シーン」に特化していることに注目したいです。交差点は事故発生率が最も高い地点のひとつ。軽トラックの運転シーンは乗用車と異なり、狭い農道、住宅密集地での配送など、交差点遭遇頻度が特に高い。この点を熟知したダイハツの開発チームが、実際の現場ニーズを反映させた機能強化といえます。
引き続き全グレード標準装備の安全機能
新たな3機能に加え、以下の安全装備がすべてのグレードに搭載されています。2025年2月の仕様変更でスマートアシスト非装着車の設定が廃止されたため、2026年3月現在のラインナップでは全グレードにスマートアシストが標準装備されています。
「軽キャブトラッククラス初★」として、スマートインナーミラーがメーカーオプションに採用。後方視界を格段に改善し、安全確認の死角を減らします。
※スマートインナーミラーについては、「運転席前方にエンジンルームを持たない車体構造の軽小型トラックとして初採用(2026年3月現在、ダイハツ工業㈱調べ。自社および他社にも同時に初採用の車があります)」という注釈がつきます。ルームミラーに内蔵されたカメラ映像を表示することで、荷物や後席が視界を遮っていても後方確認が容易になる実用的な装備です。
グレードと価格——目的別の賢い選び方


2026年3月改良後のハイゼット トラックは、価格帯が1,094,500円〜1,628,000円(税込、メーカー希望小売価格)に設定されています。前回改良時から値上げとなっていますが、装備内容・安全性能の向上を考慮すると、むしろコストパフォーマンスの向上を感じさせる内容です。
主要グレード一覧と価格
| グレード | 駆動・AT | 価格(税込) | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| スタンダード | 2WD・MT | 109万4,500円 | 最もシンプルなエントリーモデル。スマートアシスト標準装備 |
| スタンダード | 2WD・CVT | 114万9,500円 | AT感覚で扱いやすいCVT。街乗り・近距離配送に |
| エクストラ 今回強化 | 2WD・MT | 130万9,000円 | LEDヘッドランプ・ADB・サイドビューランプが今回から標準装備に |
| エクストラ | 4WD・MT | 146万3,000円 | 悪路走行対応の4WD仕様。農業・林業現場向け |
| エクストラ | 4WD・CVT | 151万8,000円 | AT×4WDで不整地でも扱いやすい万能グレード |
| ジャンボ スタンダード | 2WD・MT | 125万9,500円 | 広々キャビン×シンプル装備のコスパ重視ジャンボ |
| ジャンボ エクストラ 人気 | 4WD・MT | 157万3,000円 | 最上級装備×広々キャビン×4WD。長距離・農業向けベストチョイス |
| ジャンボ エクストラ | 4WD・CVT | 162万8,000円 | ATで4WDを扱いやすく。ジャンボ最上位グレード |
⚠️ メーカー希望小売価格は参考価格です。実際の購入価格は各販売会社が独自に定めるため、必ずお近くのダイハツ販売店にてご確認ください。なお、ダンプシリーズ・保冷シリーズ・冷凍シリーズなどの特装車もラインナップされています。
詳細画像は下記WEBにて確認してください!
エクストラグレードの装備強化——今回の「実質的な値上げ以上の進化」
今回の改良で特筆すべきは、エクストラグレードに従来はオプションや上位機能だった照明装備が一気に標準化されたことです。具体的には以下の3点がエクストラグレードへ標準装備となりました。
LEDヘッドランプ
ハロゲンと比べ格段に明るく、消費電力も低いLED。夜間の農道や暗い路地での視認性を大幅に改善します。
ADB(アダプティブドライビングビーム)
ハイビーム走行中に先行車・対向車を検知して部分的に遮光。相手を眩惑させずに広い視野を確保する次世代ヘッドランプ制御。
サイドビューランプ
ハンドルを切った方向やターンランプを出した方向を追加照射。さらにシフトをRレンジに入れると左右のランプが点灯し、後退時の安全性も向上。
これらはすべて「夜間の安全性」に直結する装備です。農家や配送業のプロが早朝・夜間に走行する機会が多いことを考えると、エクストラグレードへの標準化は実用上の恩恵が非常に大きいといえます。
用途別グレードの選び方

農業・林業・漁業での使用を検討している方へ
農道や畑の畦道など不整地走行が多い場合は、4WD仕様が必須です。特に「スタンダード”農用スペシャル”(4WD・CVT)」は農業に特化した装備・仕様が充実しており、農機具を積みやすい荷台構造など現場の声が反映されています。
配送・建設現場での使用を検討している方へ
積載効率を最優先にするなら標準モデルのスタンダードかエクストラ。荷台長(ガードフレームから後端まで)が最も長い標準モデルは、大量の荷物を効率よく運ぶ用途で真価を発揮します。長距離移動を伴う場合はエクストラ(CVT仕様)が疲労軽減に効果的です。
快適性・長距離移動を重視する方へ
「ジャンボ エクストラ(CVT)」が最有力候補。広々としたキャビン・LEDヘッドランプ・ADB・スマートアシスト全機能が揃い、長距離移動の疲労軽減も期待できます。ファイアークォーツレッドメタリックを含む全7色から選べる豊富なカラーバリエーションも魅力です。
「ジャンボ」vs「標準モデル」——何がどう違うのか徹底比較
「ハイゼット トラックといえばジャンボ」という声をよく聞きます。実際、人気の高いジャンボモデルですが、標準モデルとは明確な設計思想の違いがあります。どちらが自分に合うかを見極めることが、購入後の満足度を大きく左右します。

「広々キャビン」がもたらすジャンボの実力
ジャンボの最大の特徴は、その名の通りキャビンを後方に拡大した「広々キャビン」です。シートの後ろには荷物を置けるスペースが確保されており、リクライニング機能も備わっているため、休憩時や長距離移動でも乗用車感覚でリラックスできます。
一方で、キャビンの拡大分だけ荷台が短くなるのは事実。荷台長はガードフレームからテールゲートまで約1,670mmで、標準モデルの軽No.1クラス(最大2,030mm超)と比べると短くなります。「1度に多くの荷物を運ぶ」のか、「ドライバーの快適性を確保しながら働く」のか——その優先順位によって選択肢は明確に分かれます。
ジャンボ エクストラの主要スペック(参考)
全長×全幅×全高3,395mm × 1,475mm × 1,885mm(4WD)ホイールベース1,900mm車両重量(目安)MT仕様860kg/CVT仕様890kg乗車定員2名WLTCモード燃費MT仕様15.6km/L / CVT仕様15.8km/Lボディカラーファイアークォーツレッドメタリック(ジャンボ エクストラ専用色)含む最大7色
燃費については、軽トラックとして必要十分な15.6〜15.8km/L(WLTCモード)を実現。日々の業務で使用する燃料コストの削減にも貢献します。
OEM供給という視点——ハイゼットを選ぶことの意味
業界人として特に押さえておきたいのが、ハイゼット トラックのOEM(Original Equipment Manufacturer)供給という側面です。現在、ハイゼット トラックをベースとして以下のモデルが販売されています。
トヨタ「ピクシス トラック」
トヨタが軽自動車販売に参入した際に設定されたOEMモデル。2011年12月から販売。ハイゼットの改良に合わせて定期的に更新されており、2026年3月にも同様の一部改良が実施されています。
スバル「サンバー トラック」
スバルが軽自動車生産から撤退したことに伴い、2012年4月からOEM供給開始。かつての独自開発サンバーとは設計が異なりますが、スバルのチャンネルで購入できる利点があります。
つまり、ハイゼット トラックの安全技術・プラットフォームはこれら3ブランドで共有されており、日本の軽トラック市場における事実上の「業界標準」となっています。ダイハツが改良を加えるたびに、トヨタ・スバルのユーザーにも恩恵が届く仕組みです。
💡 知っておきたいポイント
OEMモデルはメーカーによってカラーバリエーションや装備の一部が異なる場合があります。また価格も若干異なることがあります。同じプラットフォームを使いながら、どのブランドで購入するかは販売網やアフターサービスの体制も踏まえて検討するとよいでしょう。
結論——今こそ、新しい「ハイゼット トラック」を選ぶ理由
今回の2026年3月一部改良は、見た目の変化こそ控えめですが、内容の充実度は非常に高いものとなっています。単なる「荷物を運ぶ道具」から、「ドライバーの命を守り、快適に働くためのパートナー」へと、ハイゼット トラックはまた一段階高いレベルへと進化しました。
今回の改良 総まとめ
- スマートアシストに「対横断自転車検知」「交差点右折時の対向車検知」「右左折時の横断歩行者検知」の3機能が新追加
- エクストラグレードにLEDヘッドランプ・ADB・サイドビューランプが標準装備化(夜間の安全性が大幅向上)
- 全グレードにスマートアシストが標準装備(2025年2月変更からの継続)
- 軽キャブトラッククラス初のスマートインナーミラーがメーカーオプションとして設定
- 9インチスマホ連携ディスプレイオーディオなどの最新オプションも設定
- 価格帯1,094,500円〜1,628,000円(消費税込)でラインナップを整備
特に強化されたスマートアシストによる交差点シーンへの対応強化は、農道・住宅街・工事現場など軽トラックが活躍するまさにその場所でのリスクを低減させてくれます。また、エクストラグレードへのLED照明標準化は、夜間・早朝に働くプロのドライバーにとって直接的な安全への貢献となるでしょう。
16年連続で軽トラック販売台数首位を維持してきた実績は伊達ではありません。65年間、日本の現場と共に歩んできたハイゼット トラックは、2026年の改良でその価値をさらに高めました。
「働くあなたのいちばんへ」
新しくなったハイゼット トラックは、あなたのビジネスを力強く、そして安全に支えてくれることでしょう。
ぜひお近くのダイハツ店舗で、その進化を体感してください。
本記事は2026年3月時点の公式情報・各メディア情報をもとに作成しています。
価格・仕様は変更される場合があります。最新情報は必ずダイハツ公式サイト(daihatsu.co.jp)または販売店にてご確認ください。

