「次の信号まで持つかな……」
ディーラーで長年お客様と向き合ってきた私が、EVをご検討のお客様から最も多く受ける相談がこれだ。航続距離の不安、自宅に充電設備を設置するコスト、そして急速充電器の前で30分・60分と列を作る光景――。現場で日々接していると、EVシフトの前に立ちはだかる壁の高さをリアルに感じる。
しかし今、その壁を文字通り「道ごと」取り除こうとする技術が、日本で着々と現実のものになりつつある。
それが「走行中ワイヤレス給電(DWPT:Dynamic Wireless Power Transfer)」だ。
スマートフォンの「置くだけ充電」をご存じだろうか。あれを道路版にしたもの、と思っていただければわかりやすい。道路の下に埋め込まれたコイルが、走行中の車両へ電磁波を通じてリアルタイムで電力を届ける。充電スタンドに立ち寄る必要はない。ガソリンスタンドと同様に、走ること自体がエネルギーの補給になる世界――それが日本が世界に先駆けて実現しようとしている未来の姿だ。

「EVシフトで日本は乗り遅れた」とよく言われる。だが私はこう断言したい。日本の技術は死んでいない。むしろ、ここからが真の反撃開始だ。
第1章:「走る道路」が始まった――ついに動き出した日本の実証実験

デンソー×東大、10年計画の「最強タッグ」誕生
2026年4月1日、日本の自動車技術史に記されるべき出来事が静かに幕を開けた。
株式会社デンソーと東京大学が、2026年4月1日から2036年3月31日までの10年間にわたる産学協創協定を締結したのだ。これは東京大学におけるモビリティ分野初となる、組織対組織の長期包括連携である。
掲げるビジョンは力強い。
「走るほど、満ちる社会へ:モビリティから広がる未来の社会価値」

移動はこれまで、エネルギーを消費するものでしかなかった。しかしこの協定が描く未来では、車が走るたびにエネルギーが循環し、データが蓄積され、社会に新たな価値が生まれていく。モビリティをエネルギーの消費主体から、「走る蓄電池」として社会のインフラの一部へと進化させる――それがこのプロジェクトのコアコンセプトだ。
協創の中核拠点は東京大学生産技術研究所に置かれ、同研究所の本間裕大准教授と、デンソーの八束真一執行幹部がそれぞれのラボ長を務める。東京大学側は数理最適化・都市設計・自動運転制御・安全保証理論・半導体設計といった横断的な学術知を提供し、デンソー側は長年モビリティ領域で培った電動化・知能化技術と実装力を持ち寄る。
東京大学の藤井輝夫総長はこう語っている。「資源が豊富でない日本において、エネルギーの新たな獲得・循環の仕組みを社会実装することは、極めて大きな意味を持ちます。『走るほど、満ちる社会へ』というビジョンは、現在の世界情勢を踏まえても大きな可能性と希望を感じさせるものだと確信しています」。
デンソーの林新之助代表取締役社長も「世界が大きな構造転換の中にある今、社会課題はもはや一企業だけで解決できるものではありません。東京大学の上流の知と、デンソーの技術・実装力を結び、社会価値へと転換する挑戦です」と断言する。
日本最高峰の学術機関と、世界トップクラスの自動車部品メーカーが本気でタッグを組んだ。これが2026年4月、ちょうど今この瞬間に動き出したばかりの「歴史的スタートライン」なのだ。
柏の葉キャンパスの衝撃──「10秒で1km分」という驚異の実績
しかし、DWPTはまだ「夢の技術」ではない。すでに日本の公道で走り始めている。
2023年10月3日、千葉県柏市の柏の葉スマートシティにおいて、日本初の「公道における走行中給電実証実験」がスタートした。東京大学の藤本博志教授・清水修准教授らの研究グループを中心に、ブリヂストン・日本精工(NSK)・ローム・東洋電機製造・デンソーをはじめとする11団体が集結した、まさにオールジャパンプロジェクトだ。
実験の舞台は、つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス駅」近くの交差点。右折レーンの道路下に、送電コイルを内蔵した「プレキャストコイル」が埋設され、トヨタのEVハイエースとRAV4 PHEVの2台に受電システムを後付けして走行実験が行われた。
そして注目すべきは、その驚異的なスペックだ。
- 10秒間の給電で、一般的な電気自動車が1km走行できる電力を補給できる
少しイメージしてほしい。次の信号まで赤で止まって10秒。それだけで1km分の電力が補われる。都市部の信号で止まるたびに、気づかぬうちに「充電」が行われていく世界。これはもはやSFではなく、2023年から柏の葉の公道で確認された「現実の技術」だ。
実験は2025年3月まで2年以上にわたって継続され、給電性能の確認だけでなく、コイルの長期耐久性、他の車両や歩行者への影響、近隣住民の社会的受容性まで幅広く検証された。結果は「良好」。この成果がその後の大阪万博へと続く、重要な布石となった。
また藤本教授の研究データによれば、神奈川県での実車走行データを調べたところ、走行車は1時間のうち15分を交差点の手前30m以内で過ごしていることが判明している。速度が落ちる交差点付近こそ、給電効率が最も高い「黄金ゾーン」なのだ。
大阪・関西万博での大規模実証──「未来の話」ではなく「今ここにある技術」
柏の葉での成果を引き継ぎ、技術はさらに大きなステージへと進んだ。

2025年4月13日から10月13日まで、大阪・関西万博でDWPTの大規模実証実験が184日間にわたって実施された。
万博会場の外周道路を走るEVバス約30台のうち、6台にDWPTシステムが搭載された。ダイヘン・大林組・関西電力・大阪メトロ・NEXCO東日本の5社コンソーシアムが開発したシステムで、外周路約100mの区間とバス停周辺に、送電コイルを内蔵したプレキャストコイルを埋設。出力15kWのコイルが2つ並列で入った「プレキャスト」が20個設置され、バスが上を通るたびに「ちょこちょこ」と給電が行われた。
この万博での実証がいかに革新的だったかは、数字が物語る。
- 万博における送電コイル埋設工事で、CO2排出量を材料製造段階で50%削減する特殊セメント材料(HPFRCC)を採用
- 柏の葉実験と比べ、走行方向1mあたり48%の重量削減を実現したプレキャストコイルを開発
- 運用・保守も含めた、より社会実装に近い形での実証を完遂
- 184日間の実証実験が無事終了し、技術的な問題なく運行を続けた
これはもはや「未来の技術」ではない。2025年の大阪という現実の街で、何万人もの来場者の目の前を走り続けたEVバスが証明した、「今ここにある技術」だ。
そしてNEXCO東日本はこの成果を活かし、2027年度には高速道路でのDWPT実証試験を予定。さらに2028年度には大阪シティバスの路線バスへの実装実証も計画されている。着実に「日常の道路」へと近づいている。
第2章:なぜ「日本産」が最強なのか──技術の核心に迫る
磁界共鳴結合:電磁気学の粋を凝縮した日本の技術

DWPTの仕組みを、少し踏み込んで解説しよう。
道路下に埋め込まれた送電コイルに電流を流すと、磁界が発生する。車両の底部に搭載された受電コイルが、その磁界と「共鳴(共振)」することで電力が伝わる。これを「磁界共鳴結合方式」と呼ぶ。
重要なのは「共鳴」という部分だ。送電コイルと受電コイルが同じ周波数(約85kHz)に調整されていることで、エネルギーが高効率に伝達される。逆に言えば、受電システムを搭載していない一般車両が上を通過しても、コイルは反応しない。安全性の観点でも非常に合理的な設計だ。
さらに、東京大学の研究グループが開発した送電制御技術は、車両の接近を検知した瞬間に高速で電流制御を行い、走行中でも最適な電力量をリアルタイムで供給できる精度を持つ。この検知・制御の速さと精度こそが、日本の技術が世界をリードする根拠のひとつだ。
実際、東大・デンソー・トヨタはこの車両検知技術の草案を共同でとりまとめ、日本自動車研究所(JARI)経由で国際電気標準会議(IEC)に提出している。国際標準の「下書き」を日本が書いている――これが現在の実力だ。
大林組の路面技術:日本の「微細なこだわり」が生む圧倒的優位

DWPTの実装において、見落とされがちだが実は決定的に重要なのが「道路工事技術」だ。
電磁誘導を使うこのシステムには、一つの制約がある。通常のコンクリートは鉄筋で補強するが、金属が磁界と干渉してしまうため、鉄筋を使えないのだ。
この問題を解決したのが、大林組と太平洋マテリアルが共同開発した「ユニバーサルクリートGX」という特殊材料だ。「HPFRCC(複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料)」と呼ばれるこの素材は、鉄筋の代わりに樹脂繊維で補強されている。
- 非磁性:電磁誘導に干渉しない
- 高耐久性:重量バスが毎日何百回と通過しても劣化しにくい
- 浅い埋設位置:道路表面のごく浅い位置にコイルを埋め込めるため、地面と車両底部の距離を最小化し、給電ロスを抑える
- 低炭素製造:大阪万博での実装では、材料製造段階のCO2排出量を従来比50%削減
道路の強度・耐久性・電磁気的な非干渉性・環境負荷の低減、すべてを同時に実現する。これが「大林組品質」だ。日本の建設・土木技術が、EV革命の縁の下の力持ちになっている。
また万博での実証では、柏の葉実験と比べて走行方向1mあたりの重量を48%削減した軽量プレキャストコイルも実現した。設置コストと施工のしやすさを大幅に改善するこの進化は、将来の全国展開を見据えた実践的な技術革新といえる。
インホイールモータとの融合:タイヤ自体が給電・駆動ユニットになる未来

さらに先の未来を見据えると、もう一つの革新的技術が頭角を現している。「ワイヤレス給電インホイールモータ」だ。
東京大学・ブリヂストン・日本精工(NSK)・ローム・東洋電機製造の5者が共同開発を進めるこの技術では、タイヤの中(ホイール)に受電コイルと駆動用モータを一体化して組み込む。つまり、タイヤ自体が「受電装置」であり「駆動装置」でもあるという、まったく新しい車両設計の概念だ。
このアプローチのメリットは多岐にわたる。
- 受電コイルが路面に最も近い位置(タイヤ内)に来るため、給電効率が飛躍的に向上
- エンジンルームが不要になり、車両設計の自由度が大幅に拡大
- バッテリーをさらに小型化でき、車両重量が大幅に軽減
- 各タイヤの駆動を独立制御できるため、走行安定性・操縦性も向上
日本精工(NSK)はベアリング技術で世界トップクラスのメーカーだ。タイヤという過酷な環境下に電気・電子デバイスを組み込む精密技術は、日本の「ものづくりの粋」そのもの。この分野でも日本は他国の追随を許さない優位性を持っている。
「道路の1.6%」でEVが永遠に走り続けられる──数理が示す革命的効率

「全国の道路にコイルを埋める、なんて莫大なコストがかかるんじゃないか?」
おそらく多くの方がそう思うだろう。だが、ここで日本の研究が弾き出した、驚くべき数字をご覧いただきたい。
東京大学生産技術研究所の本間裕大准教授らの研究チームは、埼玉県川越市を対象に、数理最適化と詳細交通シミュレーションを組み合わせた分析を実施。その結果が、世界的な交通系国際会議「TRB 2025 Annual Meeting」でも発表され、大きな注目を集めた。
結論は衝撃的だ。
川越市内の全道路長 約150kmのうち、わずか2,359m(全体の1.6%未満)にDWPTを敷設するだけで、市内の全EVが充電待ちなしに永久に走り続けられる(無限走行)ことが明らかになった。
1.6%。全道路の1.6%だ。道路をすべて掘り返す必要は一切ない。交通量が多く、信号で車が止まりやすい「交差点の手前」を中心に、戦略的・数理的に最適配置するだけで、街全体のEVが電欠の心配から解放される。
1カ所あたりの平均敷設長は約14.77m。ちょうど信号手前の停止線付近、車が「ちょっとだけ待つ」場所に、15mほどのコイルを埋める。それだけで足りるのだ。
コスト試算においても、日本精工と東大による共同研究(2018年)の時点で、「全国の一般道の交差点に設置した場合、工事費の総額は数千億円規模で済む」という試算が出ている。これは、大容量バッテリーを搭載したEVの普及コストや充電インフラ整備費用と比較して、十分に経済合理性が成立するレベルだという。
第3章:課題と戦略──夢を現実にするための「最後の壁」

コストとインフラ整備:「全部やる」必要はない
もちろん、課題がないわけではない。正直に見ていこう。

DWPTの社会実装における最大のハードルは、初期投資コストだ。プレキャストコイルの製造費用、道路への埋設工事、電源設備の整備、そして電力管理システムの構築。これらを全国規模で展開しようとすれば、当然それなりの費用がかかる。
ただし前述のとおり、「全部やる必要はない」というのが日本の研究が出した答えだ。優先順位は明確だ。
- Phase 1(現在〜近未来):
交通量の多い信号交差点の手前30m。停車時間が長く、給電効率が最も高い場所から始める - Phase 2:
路線バスや宅配トラックなど、ルートが固定された商用EVに先行導入。走行パターンが予測できるため、インフラ配置の最適化が容易 - Phase 3:
高速道路の登坂車線・料金所前など、速度が落ちやすいポイントへの拡張。NEXCO東日本が2027年度実証を予定 - Phase 4:
一般道の幹線道路への本格展開。需要データとシミュレーションに基づく「最適配置の全国版」を実装
段階的・戦略的に整備することで、投資対効果を最大化しながら社会実装を進める。これは「全部か0か」ではなく、「知恵で最適解を出す」という日本らしいアプローチだ。
国際標準化の争い:日本が世界ルールの「下書き」を書く
技術開発と並行して、今まさに重要な争いが水面下で繰り広げられている。「国際標準化」だ。
どれほど優れた技術でも、国際標準として採用されなければ、他国製品との互換性がない。世界市場でのビジネス展開も困難になる。EVの充電規格で欧州勢や中国勢に先行されたという苦い経験を、日本の自動車業界は持っている。DWPTで同じ轍を踏むわけにはいかない。
その点で、現状は心強い。すでに東大・デンソー・トヨタが車両検知技術の技術草案を作成し、JARIを通じてIEC(国際電気標準会議)に提出済みだ。国際会議TRB2025では日本の研究成果が高い評価を受け、IEC PAS 61980-5(走行中WPT)の策定作業でも日本の知見が反映されつつある。
また、DWPTに欠かせないコイルや磁性材料の分野では、日本のメーカーが世界トップクラスの競争力を持つ。
- TDK:フェライトコアをはじめとする磁性材料で世界シェアNo.1クラス
- ダイヘン:万博DWPT実証の中核を担った給電装置メーカー。国内トップの実績
- 日本精工(NSK):インホイールモータの精密ベアリング技術で世界をリード
- ローム:パワー半導体・制御ICでDWPTシステムの頭脳部分を担う
コイルを巻くも、電力を制御するも、標準規格を書くも、すべて日本勢が最前線にいる。インフラ側も車両側も、そして国際ルール策定の場にも――これが「日本が握っているEVの鍵」の正体だ。
法制度・社会受容性:「柏の葉モデル」が示す成功の方程式
技術と並んで重要なのが法制度の整備と社会受容性だ。柏の葉の公道実験が国土交通省の「道路に関する新たな取り組みの現地実証実験(社会実験)」に採択されたことは大きかった。行政・学術・産業界が一体となった「柏ITS推進協議会」というモデルが、難解な法的手続きをクリアし、日本初の公道実証を実現させた。
大阪万博では、給電装置からの漏洩磁界による電子機器や人体への影響が許容値以下であることを総務省が審査し、高周波利用設備の認可を取得。「体への影響は大丈夫か?」という市民の疑問に対して、国家機関が正式に「安全」と認定したことの意味は大きい。
また、EVワイヤレス給電の普及を後押しする産学官横断の「EVワイヤレス給電協議会」には、2025年2月時点でオブザーバーも含め116者が加盟している。自動車メーカー・部品メーカー・電力会社・建設会社・通信会社・研究機関が一堂に会したこの協議会の存在は、日本における産業エコシステムの厚みを示している。
第4章:「走る蓄電池」が街を変える──エピローグと自動車業界人としての確信

EVシフトで日本は本当に「負けた」のか
ここで、一度立ち止まって考えてほしい。
「EVシフトで日本は乗り遅れた」「テスラや中国BYDに完敗だ」という論調を、ここ数年で何度も耳にしてきた。確かに航続距離500kmを超える大容量バッテリーの開発競争では、欧米・中国の先行を許したのは事実だ。
だが、私はこう思う。電池を巨大化するという方向性は、果たして「正解」なのだろうか?
東京大学の藤本博志教授の試算では、DWPTを活用すれば4〜8kWhという小容量バッテリーでも十分な航続距離を実現できるという。現行の大容量EVに搭載される110kWhバッテリーと比べれば、1/10以下の電池容量だ。電池製造時のCO2排出量も1/10以下に抑えられる計算だ。
電池を巨大化して問題を「力でねじ伏せる」欧米・中国の戦略に対して、日本は「道路インフラと車両を融合させることで電池を最小化し、社会全体でエネルギーを最適化する」という全く異なるアプローチで挑んでいる。どちらが真のサステナブルかは、自動車業界のプロとして見れば明らかだ。
「走る蓄電池」としての都市インフラ革命
DWPTが社会実装された未来の都市では、何が変わるのか。
まず、充電という「行為」が消滅する。
ガソリン車がGSに立ち寄るように充電スタンドを探す必要もなく、夜間に自宅で充電ケーブルを挿す手間もなくなる。走れば走るほど、エネルギーが補われていく。
次に、EVが「分散型蓄電装置」になる
。車両に蓄えられた電力を、ピーク時に電力網へ戻す「V2G(Vehicle to Grid)」技術との組み合わせにより、EVの集合体が街の巨大な蓄電池として機能するようになる。太陽光発電の余剰電力をEVに充電し、電力需要の高い時間帯に街へ還元する――これが「走る蓄電池が街を変える」という意味だ。
そして車両設計の革命が起きる。
電池が小さくなればエンジンルームが不要になり、車のデザインと空間の常識が根底から覆る。インホイールモータで4輪独立制御が実現すれば、操縦性・安全性は現行車を凌駕する。自動運転との親和性も飛躍的に高まる。
デンソーと東大が掲げる「モビリティを社会システムとして再定義する」というビジョンは、まさにこの未来を指している。
自動車のプロとして、最後に言わせてほしい
私はこの業界で長く働いてきた。トレンドの波に乗れず消えていった技術も見てきたし、誰も注目しないうちに着実に磨かれ、ある日突然世界を変えた技術も知っている。
DWPTは、後者だ。
2017年にJSTの未来社会創造事業に採択されてから約10年。地道な基礎研究から公道実証、万博での大規模実装まで、日本の研究者と企業は愚直に積み上げてきた。2026年4月、デンソーと東大が10年間の長期協定を結んだ今、この技術は「いよいよ本番」の段階に入った。
「EVシフトで日本は遅れた」と言う人たちは、電池の容量競争というゲームのスコアだけを見ている。だが日本が挑んでいるのは、ゲームのルールそのものを書き換えることだ。充電という概念を消し、道路とクルマとエネルギーを一体の社会システムとして設計し直す。
この技術が街に溶け込んだとき、再び日本が世界のモビリティの頂点に立つ。
自動車のプロとして、確信を持ってそう言える。
日本しか勝たん。
まとめ:DWPT走行中給電の現在地と今後のロードマップ

ロードマップは明確だ。技術は証明された。国際標準策定も進んでいる。あとは「日本がどれだけ本気で走れるか」だけだ。
次にEVを検討しているお客様に、私はこう言おうと思っている。「今から5年、10年後、この車が走る道路は今とは別物になっています。その未来を一緒に楽しみにしましょう」と。
それが自動車業界に身を置く者の、今この瞬間の本音だ。
※本記事は2026年4月時点の公開情報をもとに執筆しています。技術仕様・ロードマップは今後変更される場合があります。

