テラチャージ、コメリ27店舗に120kW急速EV充電器を設置!ホームセンターが地域脱炭素の「ハブ」となる未来

EV

日本のEV(電気自動車)シフトが加速する中、流通・小売業界に大きな衝撃を与えるニュースが飛び込んできました。ホームセンター国内最多級の店舗数を誇る株式会社コメリが、Terra Charge(テラチャージ)株式会社と提携し、全国27店舗の「コメリパワー」へ120kWという超高出力の急速充電器を設置することを2026年2月9日に発表しました。

本記事では、業界関係者が注目すべき「コメリの真の狙い」や、導入される最新設備の特徴、そして日本の中小企業を含めたEVインフラの展望について、多角的な視点から徹底解説します。

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テラチャージとコメリが提携する背景とメリット

今回の提携は、単なる充電器の設置にとどまらず、日本のカーボンニュートラル実現に向けた戦略的な一手といえます。

2050年カーボンニュートラルへの貢献と政府目標の達成

現在、日本政府は2050年のカーボンニュートラル実現に向け、2030年までにEV充電器を30万口設置するという極めて高い目標を掲げています。経済産業省が2023年10月に策定した「充電インフラ整備促進に向けた指針」では、従来の15万口から倍増させた30万口という目標が明記されており、総出力数を現在の10倍に相当する約400万kWまで引き上げる計画が示されています。

2024年度末時点で、整備されている充電器は約6.8万口(急速約1.2万口、普通約5.6万口)にとどまっており、2030年の目標達成には年間約4万口という大幅な設置ペースの加速が求められています。この目標達成には、ガソリンスタンドのような既存のインフラだけでなく、消費者が日常的に訪れる商業施設への設置が不可欠です。

コメリはこの社会的要請に応える形で、脱炭素社会の実現に寄与することを目指しています。全国1,200店舗を超える店舗網を持つ同社が、今回27店舗という大規模導入に踏み切った背景には、国のインフラ整備目標に呼応する明確な意図があります。

コメリが掲げる「地域のライフライン」としての使命

コメリは創業以来、地域生活のインフラ、すなわち「地域のライフライン」であることを標榜してきました。1952年に米穀商「米利商店」として創業し、1977年にホームセンター業界に参入して以降、全国の地方都市を中心に店舗展開を進めてきた同社は、「世の中の人々の幸せのために この仕事がありますように」という企業理念を掲げ、地域密着型の経営を続けてきました。

実は、コメリのEVに対する取り組みは今に始まったことではありません。2011年3月、同社は新潟県湯沢町のホームセンター湯沢店に電気自動車用急速充電器を設置し、同年8月には社用車としてEVを導入するなど、ホームセンター業界の中でも非常に早い段階から環境対策を進めてきた経緯があります。東日本大震災直後という厳しい時期にもかかわらず、未来を見据えた投資を実行した先見性は、今日の大規模展開の礎となっています。

今回のテラチャージとの提携は、その姿勢を全国規模の店舗網で具現化するものであり、店舗を「地域の元気を生み出すハブ」へとアップデートさせる取り組みです。特に、過疎化が進む地方都市においては、ホームセンターが生活必需品の調達拠点であるだけでなく、地域コミュニティの結節点としての役割を担っており、EV充電インフラの設置は、その機能をさらに強化する意味を持ちます。

「お買い物ついで」がもたらす顧客利便性と滞在価値の向上

商業施設へのEV充電器設置は「目的地充電」と呼ばれ、顧客に大きなメリットをもたらします。

時間効率の向上:

DIY用品や生活資材、業務資材の調達といった買い物の時間を活用して、効率よく充電を完了できます。コメリパワーは大型店舗形態であり、住宅リフォーム関連商品から農業資材、園芸用品まで幅広い商品を扱っているため、顧客の滞在時間は比較的長い傾向にあります。この時間を充電に活用できることで、EVユーザーにとって「一石二鳥」の利便性が実現します。

利便性の向上:

120kWという高出力器を導入することで、短時間の滞在でも十分な航続距離を確保できるため、店舗の利便性が飛躍的に高まります。一般的な家庭用普通充電器(3kW〜6kW)が満充電に数時間から十数時間を要するのに対し、120kW級の急速充電器では、買い物の30分〜1時間程度で大幅なエネルギー補充が可能となります。

集客効果の期待:

EVユーザーにとって「急速充電ができる店舗」は優先的な目的地となり、新たな顧客層の開拓につながります。2025年12月時点での日本のEV・PHEV新車販売比率は2.72%と、まだ限定的ではありますが、2026年以降は政府の補助金増額や新車種の増加により、再び普及が加速すると予測されています。こうした成長市場の先端顧客層を取り込むことは、店舗の競争力強化に直結します。

テラチャージの戦略的価値と実績

今回の提携相手であるテラチャージは、2010年に設立され、「すべての人とEVにエネルギーを」をミッションに掲げるEV充電インフラのリーディングカンパニーです。2022年4月のサービス開始から約3年で累計設置数15,668口を達成しており、日本全国47都道府県に充電器を展開しています。

同社の強みは、設置から運用までワンストップで提供するサービス体制にあります。初期費用や維持・運用費用が無料となるプランを提供しており、設置施設側の負担を最小限に抑えながら、補助金申請や工事といった複雑な手続きもすべて代行します。この「導入障壁の低さ」が、全国的な急速展開を可能にしている要因といえるでしょう。

また、テラチャージは2025年10月から2026年3月まで、業界最安値水準のキャンペーン価格を実施しており、90kWや150kWの超急速充電器を通常料金の半額以下(44円/分)で提供しています。ユーザーの利便性向上と充電インフラの認知度向上を同時に達成する戦略的な取り組みとして注目されています。


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設置される120kW急速充電器の特徴と利便性

今回導入される充電器は、現在日本で普及している一般的な急速充電器(50kW級など)を遥かに凌駕するスペックを持っています。

驚異の120kW高出力と「2口タイプ」の柔軟性

設置される充電器は120kW出力の急速充電器であり、以下の特徴を持ちます。

2口同時充電可能:

1基で2台同時に充電できるタイプであり、1口あたり最大90kWの出力が可能です。これは現在主流の50kW未満の充電器と比較して約2倍の出力であり、充電時間を大幅に短縮できます。例えば、一般的なEVのバッテリー容量が40kWh〜60kWh程度であることを考えると、30分程度の充電で50%〜80%程度の充電が可能となり、実用的な航続距離を確保できます。

時短充電の実現:

一般的な家庭用普通充電器(3kW〜6kW)が満充電に数時間から十数時間を要するのに対し、120kW級はわずかな買い物時間で大幅なエネルギー補充を可能にします。これは、経路充電(高速道路のSA・PAなど)と目的地充電(商業施設など)の中間的な位置づけとして、EVユーザーの利便性を大きく向上させます。

高出力化の業界トレンドとの整合:

経済産業省の指針では、急速充電器の高出力化が強く推奨されており、高速道路では90kW以上、その他の場所でも50kW以上を目安として、平均出力を40kWから80kWへ倍増させる方針が示されています。コメリの120kW器導入は、この政策方針に完全に合致しており、長期的な競争力を確保する戦略的な選択といえます。

テラチャージ独自のユーザーフレンドリーな操作性

設置・運用を担うテラチャージのシステムは、利便性に特化しています。

アプリ不要のゲストモード:

スマートフォンでQRコードを読み取るだけで、専用アプリをダウンロードせずとも利用可能です。従来のEV充電サービスでは、各事業者ごとに専用アプリのダウンロードや会員登録が必要なケースが多く、初めて利用するユーザーにとっては煩雑な手続きが障壁となっていました。テラチャージのゲストモード対応は、こうした「充電難民」を生まない工夫として高く評価できます。

直感的な操作:

2025年にリニューアルされたアプリ(iOS版・Android版)は、初めての方でも迷わず充電を開始できるデザインとなっています。充電器の検索、予約、決済までがシームレスに行える設計により、ユーザーエクスペリエンスの向上が図られています。

年中無休の高稼働率:

元日を除く毎日9:00〜20:00まで利用可能となっており、店舗の営業時間と連動した高い稼働率を誇ります。これは、充電インフラ事業の「自立化」という観点からも重要な要素です。充電器の稼働率向上は、事業者の収益性を高め、持続可能な運営を可能にするだけでなく、ユーザーにとっても「いつでも使える」という安心感につながります。

料金体系の透明性:

テラチャージは従量課金(kWh課金)への移行を進めており、2025年度からのサービス実現を目指しています。これは、従来の時間課金(分単位)と比較して、ユーザーにとってより公平で分かりやすい料金体系として期待されています。

全国27店舗の「コメリパワー」へ一斉展開

2026年2月16日より、秋田、山形、千葉、新潟、富山、福井、愛知、三重、滋賀、奈良、福岡といった広範なエリアの「コメリパワー」27店舗で稼働が開始されます。これらの店舗は、コメリの大型店舗形態である「パワー」ブランドであり、商圏人口10万人に1店舗という配置戦略のもと、地方都市の中核的な商業施設として機能しています。

この27店舗への一斉導入により、地方都市におけるEVインフラの「空白地帯」が解消され、EVでの長距離移動の心理的ハードルが大きく下がることが期待されます。特に、新潟、富山、福井といった北陸地域や、三重、滋賀、奈良といった関西地域の地方都市では、高速道路以外の急速充電器が少なく、EVユーザーにとって「充電不安」が大きな課題となっていました。

コメリパワーは、住宅リフォーム部門を併設した倉庫型の大型店舗であり、高い天井や広い通路、大量陳列といった特徴を持っています。こうした店舗特性は、駐車場スペースの確保や充電設備の設置にも有利であり、今後の拡大展開においても重要な要素となるでしょう。


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日本のEV充電インフラ普及に向けた今後の展望

コメリのような大手の取り組みに加え、日本全体で充電インフラのあり方が変容しつつあります。

EV市場の現状と2026年以降の予測

日本自動車販売協会連合会※1によると、2024年の普通乗用車市場におけるEVの普及率(新規登録台数)は1.35%(約34,000台)です。
2021年は0.88%(約21,000台)、2022年は1.42%(約32,000台)となっており、2023年には1.66%(約44,000台)で推移しています。

日本国内のEV・PHEV市場は、2022年の軽EV発売により一時的に拡大傾向を見せましたが、2024年以降は停滞気味となっています。2025年12月時点でのEV・PHEV新車販売比率は2.72%にとどまっており、前年同月の3.35%から減少しました。内訳として、BEV(バッテリー式電気自動車)は1.90%、PHEV(プラグインハイブリッド車)は0.82%となっています。

しかし、2026年以降の市場拡大には明るい兆しが見えています。

補助金の増額:

2025年度には、EV購入に利用できる「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」に1,100億円、充電インフラ整備には460億円の予算が割り当てられています。さらに、2026年1月からは補助金が大幅に拡充されており、購入意欲の高まりが期待されます。

新車種の増加:

トヨタは2026年までにEV10モデルを新たに市場投入し、年間販売台数150万台(EV/PHEV合計)を目指す計画を発表しています。日産も2026年までに2兆円の電動化投資を行い、2030年までにEV19車種を含む電動車27モデルを投入する計画です。また、ホンダは新型軽EV「N-ONE e:」を2025年に、BYDは日本専用の軽EVを2026年後半に投入することを公表しています。

商用EV市場の拡大:

トヨタ・スズキ・ダイハツの3社によるBEV商用軽バンの共同開発が進んでおり、2025年度中の市場投入が予定されています。商用分野におけるEV活用の広がりは、法人需要の取り込みという観点からも重要です。

これらの要素を考慮すると、2026年以降、日本のEV市場は再び成長軌道に乗ると予測されます。ある予測では、国内のEV・PHEV市場は2026年に2022年比で約4.5倍に増加する可能性も指摘されています。この急速な車両の普及に追いつくためには、商業施設への急速充電器設置と並行して、生活の基盤となる場所でのインフラ整備が欠かせません。

中小企業や住宅設備メーカーの取り組み

インフラの普及は、公共スペースだけでなく「住宅」や「外構」の分野でも進んでいます。

住宅設備メーカーの動き:

LIXILなどの住宅設備メーカーは、住宅のデザインに調和する「EV充電器」や「EVコンセントポール」を投入しています。従来の無機質なコンセントではなく、デザイナーズパーツ(枕木材など)とコーディネート可能なポール型の設置が提案されており、新築住宅や外構リフォームの際にEV充電設備を組み込む動きが広がっています。

6kW充電器の普及:

家庭内でも従来の3kWではなく、充電時間を約半分に短縮できる6kWタイプの導入が推奨され始めています。ミライズエネチェンジが展開する「EV充電エネチェンジ」は、6kW普通充電器の設置を推進しており、2026年2月時点で認証アプリ提供サービスにおける導入実績No.1を達成しています。

集合住宅への設置促進:

経済産業省の補助実績によると、集合住宅や月極駐車場、事務所・工場等における普通充電器(基礎充電)の設置が急増しており、2024年度には約1.7万口が新たに設置されました。特に、東京都では2025年から一定規模以上の新築集合住宅において、充電器や空配管の設置が義務づけられており、今後も集合住宅における整備数は増加していく見込みです。

持続可能なモビリティ社会の実現へ

今後の展望として、テラチャージはホームセンターだけでなく、マンション、自治体、道の駅、ホテル、ゴルフ場など、「あらゆる生活動線上」での充電インフラ整備を加速させるとしています。実際、同社は2026年1月27日に宮崎県都城市の「KIRISHIMA GREENSHIP icoia」において、霧島酒造のサツマイモ発電(再生可能エネルギー)を活用した急速EV充電サービスを開始するなど、環境配慮型の充電インフラ展開も進めています。

また、充電インフラの「自立化・高度化」も重要なテーマです。経済産業省の指針では、費用対効果の高い案件を優先する入札制の導入や、従量課金(kWh課金)への移行により、充電事業の持続可能性を高める方針が示されています。充電器の稼働率向上と適切な料金設定により、補助金に依存しない自立的な事業運営を実現することが、長期的なインフラ整備の鍵となります。


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コメリが描く地域密着型EVインフラ戦略の全貌

今回のコメリによる大規模導入は、単なる一企業の設備投資ではなく、「ホームセンターが地域の脱炭素化を牽引するインフラ拠点になる」という新しいビジネスモデルの提示でもあります。

ホームセンターという「場」の可能性

ホームセンターは、日常の買い物やDIY、業務資材の調達など、幅広い用途で利用される生活インフラです。コメリの場合、特に農村地帯における農業資材の供給拠点として、長靴などの特定商品では日本一のシェアを誇るなど、地域に深く根ざした存在となっています。

こうした「地域密着性」は、EV充電インフラの設置場所として理想的な条件を満たしています。

日常的な来店頻度:

住宅メンテナンス用品や園芸用品、農業資材などは、定期的に購入される商品であり、顧客の来店頻度が高い傾向にあります。これは、充電器の稼働率向上に直結します。

滞在時間の長さ:

大型店舗であるコメリパワーでは、広い売り場で商品を選んだり、リフォーム相談を受けたりと、顧客の滞在時間が比較的長くなります。この時間を充電に活用できることで、「充電のためだけに立ち寄る」のではなく、「買い物のついでに充電する」という自然な利用パターンが形成されます。

地方都市への展開:

コメリの店舗網は、大都市圏よりも地方都市に重点を置いており、これはEV充電インフラの「空白地帯」解消という政策目標とも合致しています。高速道路のSA・PAだけでなく、一般道沿いの商業施設における充電機会の充実は、EVユーザーの「充電不安」解消に大きく貢献します。

「コメリのねがい」とSDGs経営

コメリは、「世の中の人々の幸せのために この仕事がありますように ここに集う人々の幸せのために この仕事がありますように この企業に縁ある人々の幸せのために この仕事がありますように」という「コメリのねがい」を企業理念として掲げています。

この理念は、単なる利益追求ではなく、「人々の幸せ」を事業の中心に据えるという姿勢を表しており、EV充電インフラの整備もこの延長線上にあると理解できます。地域の脱炭素化に貢献し、EVユーザーの利便性を高め、そして従業員や地域住民の生活環境を改善する――こうした多層的な「幸せ」の実現が、今回の取り組みの根底にあるといえるでしょう。

また、SDGs(持続可能な開発目標)の観点からも、今回の取り組みは複数のゴールに貢献します。特に、「目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「目標11:住み続けられるまちづくりを」「目標13:気候変動に具体的な対策を」といった目標との親和性が高く、企業のサステナビリティ経営の好例として評価されるでしょう。

今後の拡大展開の可能性

今回の27店舗は、コメリの全店舗数(1,200店舗以上)から見ればまだ一部に過ぎません。しかし、この「第一弾」の成功が、今後の全国展開の足がかりとなる可能性は高いといえます。

特に、以下のような展開シナリオが考えられます。

既存店舗への順次拡大:

今回の27店舗での運用実績やユーザーフィードバックを踏まえ、他のコメリパワー店舗や、中型店舗である「ハード&グリーン」への展開が検討される可能性があります。

地域特性に応じたカスタマイズ:

寒冷地や豪雪地帯では、充電器の耐久性や操作性に特別な配慮が必要となります。コメリの店舗網は北海道から九州まで全国に広がっており、各地域の気候特性に応じた充電インフラの最適化が進められることが期待されます。

他業態との連携:

コメリは、燃料事業や書籍販売(コメリ書房)、不動産賃貸など、ホームセンター以外の事業も展開しています。こうした関連事業との連携により、より包括的な地域サービスの提供が可能となるかもしれません。

地域中小企業への示唆

今回のコメリの取り組みは、地域密着型の中小企業にとっても重要な先行事例となります。

駐車場の「資産価値」向上:

従来、駐車場は「顧客を受け入れるための必要コスト」と捉えられがちでしたが、EV充電器の設置により、「顧客を惹きつける付加価値」へと転換できます。特に、テラチャージのように初期費用・運用費用無料のプランを提供する事業者と提携すれば、中小企業でも導入障壁は低くなります。

次世代顧客層の取り込み:

EVユーザーは、比較的所得水準が高く、環境意識の高い層が中心となっています。こうした顧客層を店舗に誘引できることは、売上向上だけでなく、ブランドイメージの向上にもつながります。

地域連携の可能性:

複数の中小企業が連携してEV充電ネットワークを形成することで、地域全体の魅力向上につながる可能性があります。例えば、商店街や観光地において、複数の店舗・施設が協力してEV充電インフラを整備することで、「EVで巡る○○エリア」といった新しい観光・消費パターンを創出できるかもしれません。


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まとめ:ホームセンターが担う「脱炭素インフラ」の未来

コメリとテラチャージの提携は、2026年2月16日から全国27店舗で始動します。120kWという高出力急速充電器の設置は、ユーザーに「買い物+充電」という新しいライフスタイルを提供し、地域社会における脱炭素化のハブとして、コメリの存在感をさらに高めていくことは間違いありません。

今回の取り組みが持つ意義

政策目標への具体的貢献:

2030年までに30万口という国の目標達成には、民間企業の積極的な参画が不可欠です。コメリの27店舗・27基という導入規模は、一企業の取り組みとしては大規模であり、他の流通・小売企業への波及効果も期待できます。

地方創生への寄与:

地方都市におけるEVインフラ整備は、単なる充電機会の提供にとどまらず、「EVでも安心して移動できる地域」としての魅力向上につながります。これは、人口減少や高齢化に悩む地方都市にとって、新たな活性化の契機となり得ます。

ビジネスモデルの革新:

「商業施設×EV充電」という組み合わせは、まだ黎明期にあります。コメリの取り組みが成功すれば、他のホームセンター、スーパーマーケット、ドラッグストアなど、様々な業態への展開が加速するでしょう。

EVインフラ整備における課題と展望

一方で、課題も残されています。

充電器の稼働率向上:

設置した充電器が十分に利用されなければ、事業の持続可能性は低下します。立地選定やプロモーション、料金設定など、多角的な工夫が求められます。

メンテナンス体制の確立:

公共用の充電器は故障や不具合のリスクが高く、迅速な対応が求められます。テラチャージのワンストップサービスが、どこまで現場対応力を発揮できるかが鍵となります。

ユーザー教育と啓蒙:

EVや充電インフラに関する正しい知識の普及も重要です。「どこに充電器があるか」「どう使えばいいか」「料金はいくらか」といった基本情報の周知徹底が、利用促進の前提となります。

2026年以降の展望

日本のEV市場は、2026年を転換点として、本格的な普及期に入ると予測されます。補助金の増額、新車種の増加、充電インフラの拡充という「三位一体」の環境整備が進む中、コメリのような先進的な取り組みは、業界全体のベンチマークとなるでしょう。

ホームセンターという「地域のライフライン」が、「地域の脱炭素ハブ」へと進化する――コメリとテラチャージの提携は、そんな未来の第一歩を示しています。自動車業界、流通業界、そして地域社会全体が、この動きから多くの示唆を得ることができるはずです。

EV時代の到来は、もはや「いつか」ではなく「今」です。そして、その「今」を形作るプレイヤーの一員として、コメリとテラチャージの挑戦が始まりました。この取り組みが、日本全体のカーボンニュートラル実現にどう貢献していくのか、そして地域社会にどんな変化をもたらすのか――引き続き注目していきたいと思います。


【本記事のポイント】

  • コメリが全国27店舗に120kW急速充電器を一斉導入
  • 2011年から続くコメリのEV取り組みの歴史と先見性
  • 「目的地充電」としてのホームセンターの優位性
  • 2030年30万口という国の目標達成への民間貢献
  • テラチャージの15,668口という実績とワンストップサービス
  • 2026年以降のEV市場再拡大への期待
  • ホームセンターが「地域脱炭素ハブ」となる新時代

【関連情報】

  • 稼働開始2026年2月16日(月)
  • 設置店舗:コメリパワー27店舗
    (秋田、山形、千葉、新潟、富山、福井、愛知、三重、滋賀、奈良、福岡)
    コメリパワー加茂店 新潟県加茂市大字加茂字馬寄2620
    コメリパワ―三条四日町店 新潟県三条市東本成寺253番地
    コメリパワ―小千谷店 新潟県小千谷市千谷川4丁目437
    コメリパワ―十日町店 新潟県十日町市下島441番地9
    コメリパワ―上山店 山形県上山市仙石梅ノ木770番地
    コメリパワ―長岡店 新潟県長岡市寺島町187番地1
    コメリパワ―上越高田インター店 新潟県上越市上中田2019番地
    コメリパワー大館店 秋田県大館市柄沢字小柄沢191番地
    コメリパワ―能代東インター店 秋田県能代市鰄渕字一本柳47番地
    コメリパワ―大曲店 秋田県大仙市福田町20番60号
    コメリパワ―野田店 千葉県野田市泉一丁目1番地2
    コメリパワ―魚津店 富山県魚津市宮津128番1
    コメリパワ―武生店 福井県越前市稲寄町第24号12番地
    コメリパワー坂井店 福井県坂井市坂井町蔵垣内第36号21番地
    コメリパワ―黒部店 富山県黒部市荻生7226番地1
    コメリパワ―砺波店 富山県砺波市中神二丁目50番地
    コメリパワ―米原店 滋賀県米原市飯1022番地1
    コメリパワ―上野店 三重県伊賀市小田町字瓜谷727
    コメリパワ―生駒店 奈良県生駒市高山町7744番地
    コメリパワ―田原本店 奈良県磯城郡田原本町十六面102-1
    コメリパワ―水口店 滋賀県甲賀市水口町水口5914番地
    コメリパワ―名古屋中志段味店 愛知県名古屋市守山区中志段味73街区
    コメリパワ―松阪店 三重県松阪市大黒田町288番地
    コメリパワ―筑後店 福岡県筑後市大字前津484
    コメリパワ―川崎店 福岡県田川郡川崎町大字田原1254-2
    コメリパワ―大牟田店 福岡県大牟田市岬町3番地1
    コメリパワ―甘木インター店 福岡県朝倉市一木1197番地
  • 充電器仕様:120kW急速充電器(2口タイプ、1口最大90kW)
  • 利用時間:元日を除く毎日9:00〜20:00
  • テラチャージ公式サイト:https://te