【マツダ機種追加情報】国内事業強化の狼煙!クリーンディーゼル5車種に投入された「XD Drive Edition」の魅力と「技術って、愛だ。」に込められたマツダの哲学

新車情報

マツダ株式会社は2025年10月9日、主力車種5モデルに対し、クリーンディーゼルエンジン専用の新グレード「XD Drive Edition(エックスディー・ドライブエディション)」を追加設定し、全国のマツダ販売店を通じて予約受注を開始しました。

この新機種追加は、マツダが今夏から展開しているキャンペーン**「技術って、愛だ。」**の一環としてクリーンディーゼルエンジン車をPRするものであり、米関税などの影響を受ける中で国内事業の強化を急ぐマツダの重要な一手となります。

業界関係者やマツダファンが注目する「XD Drive Edition」が持つ具体的な魅力と、その背景にあるマツダの哲学について、詳細かつ深掘りした情報をお届けします。

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XD Drive Editionの核心:スポーティネスと上質性の高次元な両立

対象車種と戦略的位置づけ

今回新設定「XD Drive Edition」は、下記5車種に設定されます。
「MAZDA3(マツダスリー)」
「MAZDA CX-30(マツダ シーエックスサーティ)」
「MAZDA CX-5(マツダ シーエックスファイブ)」
「MAZDA CX-60(マツダ シーエックスシックスティ)」ラージ商品群
「MAZDA CX-80(マツダ シーエックスエイティ)」

この新グレードの最大のテーマは、環境性能と力強い走りを両立するクリーンディーゼルに、スポーティな世界観と力強さ・上質さを付加することです。マツダは、電動化が進む自動車市場において、内燃機関の可能性を追求し続ける数少ないメーカーの一つです。特にクリーンディーゼル技術「SKYACTIV-D」は、2012年の登場以来、進化を続けてきたマツダの技術力の結晶であり、今回の「XD Drive Edition」はその技術的優位性を市場に改めてアピールする戦略的な商品といえます。

際立つ「黒基調」のエクステリアデザイン

XD Drive Editionは、エクステリアに黒基調の部品を採用することで、洗練されたスポーティなルックスを実現しています。

具体的な装備(車種により一部異なる)としては、以下のようなブラックアクセントが施されています。

  • ドアミラー(ピアノブラックなど)
  • シグネチャーウィング(ブラッククロームなど)
  • アルミホイール(ブラックやブラックメタリック塗装)
  • フロントグリル(縦基調/ピアノブラックやハニカムタイプ/ピアノブラック)

これらの黒基調パーツの採用により、マツダの代名詞である「魂動デザイン」が持つ生命感あふれる造形美に、より力強さとスポーティネスが加わります。特に、ボディカラーとのコントラストが際立つことで、駐車場でも一際目を引く存在感を放ちます。マツダが目指す「駐車場では恋人のように、見とれてほしい」という想いが、このデザイン哲学に込められているのです。

上質を追求したインテリアとレザーシート

インテリアにおいても、XD Drive Editionは質感を大幅に高めています。

  • 本革シートが標準装備され、快適性と高級感を強調しています。
  • MAZDA3では、ファストバックに黒革・赤革、セダンに黒革のレザーシートが設定されています。
  • CX-30では、黒革・白革のレザーシートが選択可能です。
  • ラージ商品群であるCX-60/CX-80では、**レザーシート(グレージュ/ブラック)**が用意されています。

本革シートは、単なる高級感の演出にとどまりません。長距離ドライブにおいて、身体を包み込むような快適性と、適度なホールド性を両立します。ディーゼルエンジンの優れた燃費性能と相まって、長距離ドライブを快適かつ経済的に楽しみたい方や、環境に配慮したカーライフを志向される方に向けた多様な選択肢を提供するグレードです。

CX-60/CX-80に設定される更なる上級グレード

CX-60とCX-80には、XD Drive Editionに加え、さらに上級の選択肢として以下の新機種が追加されます。

  1. 「XD Drive Edition Nappa Leather Package」:
    **ナッパレザーシート(ブラック)**を主要装備とし、究極の上質感を追求しています。ナッパレザーは通常の本革シートよりもさらに柔らかく、しっとりとした質感が特徴で、欧州の高級車に採用されることの多い最高級の素材です。
  2. 「XD Premium Sports」:
    XD-HYBRIDやPHEV搭載車で人気の高いタン内装を採用した新機種です。これにより、洗練された内装デザインと、ディーゼルならではの余裕ある走行性能が組み合わされます。CX-80の「XD Premium Sports」は、6人乗りセンターコンソール仕様のタン内装を採用しており、ファミリーユースとプレミアム性を高次元で両立しています。

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注目すべき技術進化:CX-30の燃費改善とマツダコネクトの操作性向上

マツダのクリーンディーゼル技術「SKYACTIV-D」の本質

今回の新機種追加に伴い、一部モデルでは商品改良も実施されており、特にCX-30の燃費改善は非常に重要な技術的進歩です。この改善を理解するには、マツダのクリーンディーゼル技術「SKYACTIV-D」の本質を知る必要があります。

マツダの新世代クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」は、これまでの常識を覆す独自の低圧縮比化を実現し、走行性能、燃費性能、環境性能を大幅に改善しました。従来のディーゼルエンジンは高圧縮比が主流で、そのためにエンジン自体を頑丈に作る必要があり、重量増と摩擦損失の増大、そして騒音・振動の原因となっていました。

マツダは、世界一低い圧縮比14.0(SKYACTIV-D 2.2の場合)を実現し、エンジンの軽量化と摩擦損失の低減を達成しました。さらに、2ステージターボチャージャー(一部モデルでは可変ジオメトリーターボ)の採用により、低回転域での高トルクと高回転域での高出力を両立。大量EGR(排気ガス再循環)下でも十分な酸素を確保し、NOxとススの排出を抑えながら最適なタイミングでの燃焼を可能にしています。

最も注目すべきは、高価なNOx後処理装置(尿素SCRシステム)を用いずに、ディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)のみで高い環境性能を達成している点です。これは、燃料をきれいに燃焼しつくすことで有害物質の発生そのものを抑えるという、マツダ独自のアプローチによるものです。

CX-30:1.8Lディーゼルエンジンの燃費改善の詳細

CX-30の1.8Lディーゼルエンジンモデル(XD S Package、XD Drive Edition、XD Retro Sports Edition)において、燃料噴射制御の見直し等が実施されました。

これにより、燃費性能が大きく向上しています。

  • 前輪駆動(2WD)車: WLTCモード燃費が19.5km/Lから20.2km/Lへと0.7km/L改善
  • 四輪駆動(4WD)車: WLTCモード燃費が18.7km/Lから19.2km/Lへと改善

この改善は、単なる数値の向上にとどまりません。実用燃費の向上は、年間走行距離が長いユーザーにとって、ランニングコストの大幅な削減につながります。例えば、年間2万km走行するユーザーの場合、軽油価格を150円/Lと仮定すると、2WD車では年間約10,500円の燃料費削減となります。5年間では約52,500円、10年間では約105,000円の差となり、これは決して小さな金額ではありません。

さらに、環境性能を重視しつつも、パワフルなディーゼルの走りを求めるユーザーにとって大きなメリットとなります。SKYACTIV-D 1.8は、2.5Lガソリンエンジン並みのトルクフルな走りを実現しながら、高回転までリニアに加速する優れた動力性能を持っています。燃費改善により、この「走りの楽しさ」と「経済性」の両立がさらに高いレベルで実現されたのです。

全車種共通:マツダコネクトの操作性向上

MAZDA3とCX-30では、より一層快適に運転を楽しんでいただくために、マツダコネクトの操作性向上が図られています。

「20S/XD S Package(オプション無し車)」を除く全機種で、10.25インチセンターディスプレイにおいて、Apple CarPlayおよびAndroid Autoのタッチパネル機能が追加されました。これにより、スマートフォン連携機能の直感的な操作性が大幅に向上し、ユーザーエクスペリエンスが改善されます。

従来、マツダコネクトはコマンダーコントロール(センターコンソールのダイヤル式操作デバイス)による操作を基本としていましたが、Apple CarPlayやAndroid Auto使用時にはタッチパネル操作の方が直感的であるという市場の声に応え、今回の改良が実施されました。これは、マツダが「ひと中心」の価値観のもと、実際のユーザーの使い勝手を最優先に考えている証です。

運転中の安全性を保ちつつ、停車時や低速走行時にはタッチパネルで素早く操作できる柔軟性は、現代のデジタルデバイスに慣れ親しんだユーザーにとって大きな利点となります。

グレード体系の整理と価格情報

今回の新機種追加に合わせて、お客様が選択しやすいよう、MAZDA3、CX-30、CX-5、CX-60、CX-80の全モデルで機種体系の見直しが行われました。

  • MAZDA3/CX-30: 「Black Selection」などの一部グレードが廃止されました。
  • CX-5: 「Retro Sports Edition」「Field Journey」が廃止され、「XD Sports Appearance」の価格が変更されました。
  • CX-60/CX-80: 従来の「XD SP」「XD L Package」「XD Exclusive Mode」などが廃止されています。

グレード体系の整理は、選択肢が多すぎることによる「選択のパラドックス」を解消し、ユーザーが自分に最適なモデルを選びやすくするための配慮です。廃止されたグレードの魅力的な要素は、新しいグレードに統合されており、商品力が低下することはありません。

主要車種の価格(消費税込み)は以下の通りです。

価格設定は、クリーンディーゼルエンジンの高い技術力と、本革シートをはじめとする上質な装備を考慮すれば、極めて競争力のある水準です。特に、長距離を走行するユーザーにとっては、燃料費の削減効果を考慮すると、ガソリンエンジンモデルと比較して総所有コスト(TCO)で有利になるケースも多いでしょう。

<解説資料元:マツダ公式資料は下記より>

マツダ株式会社(以下、マツダ)は、「MAZDA3(マツダスリー)」「MAZDA CX-30(マツダ シーエックスサーティ)」「MAZDA CX-5(マツダ シーエックスファイブ)」「MAZDA CX-60(マツダ シーエックスシックスティ)」「MAZDA CX-80(マツダ シーエックスエイティ)」の5車種にクリーンディーゼルエンジン専用の新機種「XD Drive Edition」などを追加し、全国のマツダ販売店を通じて、本日より予約受注を開始します。販売開始は10月上旬以降、順次行う予定です。


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「技術って、愛だ。」に込めたマツダの強い想いと国内戦略

国内販売目標と事業強化の背景

マツダは、今年度の国内販売について、前年度比6.2%増となる16万1千台を計画しています。この積極的な計画の背景には、米関税などの影響を受ける中で、国内事業の強化を急ぐという強い意志があります。

さらに長期的には、マツダは2025年6月に発表した「国内ビジネス構造変革の方針」において、ブランド価値経営を軸に、国内販売20万台の早期実現を目指すことを明言しています。この目標達成のため、マツダは以下の3つの柱を掲げています。

  1. ブランド育成に向けた成長投資: 2025年2月に南青山にオープンした「MAZDA TRANS AOYAMA」のような体験型施設を通じて、マツダの独自の世界観を伝える。
  2. 優先地域の特定(都市圏戦略): 販売ポテンシャルの高い都市圏に経営資源を集中投下。
  3. 店舗体験の向上に向けた現場支援の徹底: ユーザーがより満足できる”マツダらしいブランド体験”の創出。

環境性能に優れ、かつ高級志向のユーザーにも訴求できる「XD Drive Edition」のようなクリーンディーゼル専用上質グレードを投入することは、プレミアムセグメントの顧客層を取り込み、国内での存在感を高めるための重要な戦略です。

クリーンディーゼルの環境性能と経済性の優位性

クリーンディーゼルの魅力は、単に燃費が良いというだけではありません。圧倒的なトルクによる胸のすくような加速と、遠くへ足を運びたくなる優れた燃費性能を両立している点が最大の特徴です。

ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンと比較して以下の優位性を持っています。

  • 高トルク: 低回転域から太いトルクを発生し、追い越し加速や高速道路の合流がスムーズ。
  • 優れた燃費: 熱効率が高く、軽油はガソリンよりも安価なため、ランニングコストに優れる。
  • 長距離走行適性: 高速巡航時のエンジン回転数が低く、静粛性と快適性が高い。
  • CO2排出量の削減: 燃費性能の高さから、走行距離あたりのCO2排出量がガソリン車より少ない。

マツダのSKYACTIV-Dは、燃料をきれいに燃焼しつくすことで有害物質が発生しにくく、高価なNOx後処理装置を必要としないため、メンテナンスコストも抑えられます。これは、ユーザーにとって経済的メリットが大きいだけでなく、環境負荷の低減にも貢献します。

キャンペーン「技術って、愛だ。」の真意

「XD Drive Edition」の投入は、今夏から展開中のキャンペーン**「技術って、愛だ。」**の一環としてPRされています。

このキャンペーンには、マツダがクルマづくりにかける熱い想いが込められています

マツダは、**「ひと中心」の価値観のもと「走る歓び」を進化させ続け、お客様の日常に移動体験の感動を創造し、「生きる歓び」**をお届けしていくことを目指しています。

**「技術って、愛だ。」**というメッセージの裏には、

  • ハンドルを握ったら、気持ちよく走ってほしい。
  • 駐車場では恋人のように、見とれてほしい。
  • 旅行帰りの子どもには、安心して眠ってほしい。
  • クルマをつくるだけじゃない。みんなの笑顔をつくるために、技術はあると信じてるから。

という、ユーザーへの深い共感と配慮があります。

XD Drive Editionが提供する、環境性能と力強い走りの両立、そして黒基調のエクステリアと本革シートによる上質な移動空間は、まさにこの**「愛の技術」**、すなわち「とことん気持ちよく」「とことん快適に」「とことん安全に」「とことん美しく」というマツダのこだわりを体現したものです。

特に、長距離ドライブを快適かつ経済的に楽しみたいというユーザーのニーズに応えるクリーンディーゼルの進化は、マツダが技術を通じてお客様の生活を豊かにしようとする「愛」の具体的な形と言えるでしょう。

電動化時代におけるマツダの差別化戦略

自動車業界は急速に電動化へと舵を切っていますが、マツダは**2030年までを「電動化の黎明期」**と捉え、多様なパワートレインを提供する「マルチソリューション戦略」を展開しています。2030年のBEV(バッテリー電気自動車)想定比率を25%~40%としており、残る60%~75%は内燃機関を搭載したモデルが占めることになります。

この戦略において、クリーンディーゼルは重要な位置を占めています。電動化が進む中でも、長距離移動の多いユーザーや、インフラ整備が追いついていない地域では、内燃機関の優位性は依然として高いからです。

マツダは、「ライトアセット戦略」を通じて、既存資産の活用度を高めながら、多様な商品・電動化技術をタイムリーに開発・生産、市場導入していく方針です。XD Drive Editionの投入は、この戦略の一環として、クリーンディーゼルという差別化された技術で、プレミアム市場における確固たるポジションを築く狙いがあります。


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まとめ:進化を続けるクリーンディーゼルとマツダの未来への期待

マツダが今回投入した「XD Drive Edition」は、クリーンディーゼル技術の成熟と、市場の多様なニーズへの対応を示すものです。特にCX-30における実用燃費の向上や、マツダコネクトのタッチパネル化といったきめ細やかな改良は、マツダの「ひと中心」の姿勢を明確に示しています。

価格はCX-5が390万1700円から、CX-60が427万200円から。発売は10月上旬以降順次行われる予定です(CX-80のみ10月29日から予約受注開始)

**「技術って、愛だ。」という普遍的なテーマを掲げ、国内市場での攻勢を強めるマツダの動向は、自動車業界全体にとっても注目に値します。**この新しい上質グレード群は、クリーンディーゼルセグメントにおけるマツダの優位性を確固たるものにし、「生きる歓び」を提供するというマツダの目標達成に向けた大きな一歩となるでしょう。

電動化が進む自動車業界において、マツダは「答えは一つではない」というメッセージを発信し続けています。ユーザーのライフスタイルや使用環境に応じて、最適なパワートレインを選択できる自由。それこそが、真の「ひと中心」の哲学であり、マツダが目指す未来の姿なのです。

ぜひ、この進化したクリーンディーゼルモデルを体感し、マツダが技術に込めた「」を感じてみてください。

全国のマツダ販売店で、試乗予約を受け付けています。


【参考情報】

  • マツダ公式ニュースリリース(2025年10月9日)
  • SKYACTIV-D技術解説(マツダ公式サイト)
  • 国内ビジネス構造変革の方針(2025年6月19日発表)

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