【2027年登場】新型マツダCX-3、11年ぶりのフルモデルチェンジへ ― 業界関係者が読み解く「次期CX-3構想」のすべて

新車情報

2026年、マツダのコンパクトクラスは大きな節目を迎えました。2月にはCX-3の国内向け生産が終わり、夏にはMAZDA2(旧デミオ)の国内生産も幕を下ろします。「マツダの入口となるクルマがなくなってしまうのでは」と心配された方も多かったはずです。

その不安に答えたのが、5月12日の決算会見です。毛籠勝弘社長が、次期CX-3を2027年に国内へ投入すると明言しました。

私は自動車業界に身を置いて46年になる、ひとりの業界関係者です。新車の立ち上がりから、市場に出たクルマが10年後にどうなっているかまで、数えきれないほど見てきました。この記事では、現時点で公表・報道されている情報を「確定情報」と「観測・予想」にはっきり分けて整理します。そのうえで、プロの目線から「次期CX-3はどんなクルマになりうるのか」を掘り下げます。

限られた情報の中でも、読み解き方次第で見えてくるものはたくさんあります。最後まで、少し夢を見ながらお付き合いください。

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  1. まず押さえておきたい「確定情報」と「観測情報」
    1. 公式に語られた・公表された事実
    2. 報道・観測ベースの情報(未確定)
    3. 「CX-20」説は消え、CX-3の名前が残った
  2. なぜ今、CX-3が「世代交代」を迎えるのか
    1. 初代CX-3が駆け抜けた11年
    2. 2026年2月、国内向け生産が終了
    3. MAZDA2の国内生産終了という、もうひとつの節目
    4. ハッチバックからSUVへ ― 市場の地殻変動
  3. 生産拠点「タイ・AAT」という選択の意味
    1. 50億バーツ投資と年産10万台のハブ構想
      1. タイ政府のマイルドハイブリッド優遇策
    2. 「タイ製」を心配する方へ、業界関係者としてお伝えしたいこと
  4. デザイン予想 ― 公式スケッチと「VISION X-COMPACT」から読み解く
    1. 2025年に公開された公式スケッチ
    2. VISION X-COMPACTが示した未来
      1. VISION X-COMPACTの基本データ
    3. 次期CX-3のエクステリア予想
  5. パワートレーン予想 ― マイルドハイブリッドが本命
    1. 現時点での各メディアの見方
    2. ディーゼル廃止を整備目線で考える
    3. マイルドハイブリッドとは何か ― 仕組みと付き合い方
      1. M HYBRIDの基本構成
      2. 整備の現場から見た注意点
    4. 6速MTは残るのか
  6. ボディサイズとパッケージング
    1. 現行CX-3のサイズ
    2. 全高1,550mmという「こだわり」
    3. 次期型はどうなるか
    4. 後席と荷室は改善されるか
  7. なぜ「若年層」を意識したクルマになるのか ― 業界関係者の分析
    1. 理由1:MAZDA2が担っていた「最初の一台」を引き継ぐ
    2. 理由2:CX-30との明確なすみ分け
    3. 理由3:デジタルネイティブ世代への対応
    4. 理由4:価格と支払いの現実
  8. 装備・安全性能への期待
      1. インフォテインメントとコネクティビティ
      2. 安全性能「i-ACTIVSENSE」
      3. 整備の現場からのひとこと
  9. ライバル車との比較
    1. 次期CX-3が勝負できるポイント
  10. 価格予想
  11. 業界関係者が夢見る「理想の次期CX-3」
      1. 夢その1:6速MTの存続
      2. 夢その2:スポーティな特別仕様
      3. 夢その3:4WD「i-ACTIV AWD」の継続
      4. 夢その4:共感AIの一部搭載
      5. 夢その5:いつかロータリーの電動モデルを
  12. 今、クルマ選びで迷っている方へ
      1. 現行CX-3が気になる方
      2. 現行MAZDA2にお乗りの方
      3. 次期CX-3を待つか迷っている方
    1. まとめ ― 次期CX-3は「マツダの入口」を担う大切な一台

まず押さえておきたい「確定情報」と「観測情報」

新型車の記事では、メーカーが公式に語ったことと、メディアやファンの予想が混ざって伝わりがちです。最初に整理しておきます。

公式に語られた・公表された事実

項  目内  容
発表の場2026年5月12日 マツダ「2026年3月期 通期決算」会見
発言者毛籠勝弘 代表取締役社長兼CEO
投入時期2027年に次期CX-3を国内投入(社長発言)
生産拠点タイ・オートアライアンス・タイランド(AAT)
輸出先日本、ASEAN諸国ほか
車名「CX-3」を継続(決算資料に「次期CX-3」と明記)
役割MAZDA2が担ってきたBセグメント需要をカバー
開発の狙いボリュームゾーン(販売量の多い市場)の獲得

報道・観測ベースの情報(未確定)

  • パワートレーンはマイルドハイブリッドが本命と見られています。フルハイブリッドを予想する海外メディアもあります
  • 現行型にあった1.8Lディーゼルは廃止される見込みです
  • デザインは新型CX-5に通じる顔つきと、クーペ風のルーフラインになると予想されています
  • ボディはわずかに拡大するという観測があります
  • 国内発売は2027年後半とする報道が多い状況です

この記事では、上の表を「確定」、下のリストを「予想」として扱います。区別したうえで読み進めていただくと、ほかのメディアの記事もずっと正確に読めるようになります。

「CX-20」説は消え、CX-3の名前が残った

一時期、次期モデルは「CX-20」のような新しい名前になるのでは、という噂がありました。しかし、その後公表された決算資料には「次期CX-3」とはっきり書かれています。

業界の人間として言うと、これはとても大きな意味を持ちます。車名を残すということは、11年かけて積み上げてきたブランドの認知と、オーナーの皆さんの愛着を引き継ぐという意思表示です。特にオーストラリアやタイでは、CX-3の名前は今も強い販売力を持っています。この名前を手放す理由はなかったのだと思います。

ちょっとした裏話もあります。決算資料で「次期CX-3」の横に添えられたシルエットは、どうやら先代CX-5のものだったと海外メディアに指摘されました。本物のティザーはまだ先、ということです。ファンとしては、これから段階的に公開されるであろう公式ティザーを楽しみに待ちたいところです。

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なぜ今、CX-3が「世代交代」を迎えるのか

初代CX-3が駆け抜けた11年

初代CX-3は2014年11月のロサンゼルスオートショーで世界初公開され、翌2015年2月に日本で発売されました。発売から1か月で受注が1万台に達したことを、今でもよく覚えています。

登場時の特徴は、国内では1.5Lクリーンディーゼル専用車だったことです。コンパクトSUVにディーゼルだけという、当時としてはかなり思い切った構成でした。その後の主な変遷を振り返ります。

  • 2015年:1.5Lディーゼル専用車として国内発売
  • 2018年:ディーゼルを1.8Lに刷新
  • 2020年:1.5Lガソリン車を追加(6速MTも設定)
  • 2022年:国内生産を終了し、日本向けはタイ生産の輸入車に
  • 2025年12月:ラインナップをガソリン・ディーゼル各1グレードに集約
  • 2026年2月末:日本向け車両の生産を終了

11年という長いモデルライフは、今の自動車業界ではかなり異例です。裏を返せば、それだけ基本設計の完成度が高かったということでもあります。

2026年2月、国内向け生産が終了

2026年2月、マツダは公式サイトで、CX-3の国内向け車両の生産を2月末で終えると告知しました。以降の注文は在庫車での対応となり、在庫がなくなれば販売終了です。

この時点では後継車についての言及がなかったため、「CX-3はこのまま消えるのでは」という声がSNSにあふれました。初めて感動したSUVだった、という投稿も少なくありませんでした。多くの人の「最初のマツダ」だったクルマであることが、よく分かる反応でした。

MAZDA2の国内生産終了という、もうひとつの節目

同じ時期、MAZDA2も国内生産を終える方針が報じられました。

MAZDA2の歴史は1996年の初代デミオから始まります。実用重視のパッケージで支持を集め、世代を重ねるごとにデザインと走りを重視するクルマへ進化しました。現行型は2014年登場の4代目で、2019年に車名をデミオからMAZDA2に改めています。ディーゼル車はすでに2024年9月に生産を終え、最近は1.5Lガソリン車だけで販売が続いていました。

決算会見でこの件を問われた毛籠社長は、具体的な時期には触れなかったものの、MAZDA2の販売を終える予定であることを認めました。そのうえで、日本のBセグメントはSUVに需要が移っており、ハッチバック市場は縮小している、だから需要のある方向へ商品構成を変えていく、という趣旨の説明をしています。

そして、次期CX-3を来年国内に投入してそのゾーンをしっかりカバーする、と明言したのです。

ハッチバックからSUVへ ― 市場の地殻変動

店頭で長く市場を見てきた立場から言うと、この流れは数字以上に肌で感じてきたものです。

10年前、初めてクルマを買う若い方の第一候補は、デミオやフィット、ヴィッツといったハッチバックでした。いまは、ヤリスクロスやヴェゼル、ライズといったコンパクトSUVが最初から候補に入っています。

理由はいくつかあります。

  • 視点の高さ:
    運転に慣れていない方ほど、見晴らしの良さを安心感として評価します
  • 見た目の満足感:
    同じ価格帯なら「SUVに乗っている」という満足感のほうが大きいと感じる方が増えました
  • 使い道の広さ:
    キャンプ、スノーボード、フェスなど、休日の使い方に合います
  • リセールバリュー:
    残価設定ローンの普及で、下取り価格が高いSUVは月々の支払いが軽くなりやすくなっています

特に最後の点は見落とされがちですが、大切なポイントです。若い方の多くは車両本体価格ではなく「月々いくらか」で判断します。残価が高く設定されるSUVは、同価格帯のハッチバックより月額が抑えられることがあります。この構造が、SUVへの移行を後押ししています。

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生産拠点「タイ・AAT」という選択の意味

50億バーツ投資と年産10万台のハブ構想

次期CX-3を語るうえで欠かせないのが、タイの生産拠点AATです。

AATは1995年にマツダとフォードが折半出資で設立した合弁会社で、タイ東部のラヨーン県に工場があります。これまでMAZDA2、MAZDA3、CX-3、CX-30などを手がけてきました。

2025年2月、毛籠社長はバンコクで会見を開き、AATに50億バーツ(約230億円)を投じて、年産10万台の新型コンパクトSUVの生産ハブにすると発表しました。投資は車両組み立てだけでなく、エンジンや変速機の製造、現地でのバッテリー調達にも及びます。日本やASEANへの輸出拠点としての役割も強化する計画です。

このとき、新型コンパクトSUVのスケッチも公開されています。今振り返ると、あれが次期CX-3の最初の姿だったことになります。

タイ政府のマイルドハイブリッド優遇策

2025年12月には、タイの国家EV政策委員会が、マイルドハイブリッド車の生産に対して2026年から2032年までの7年間、物品税率を固定する支援策を承認しました。マツダはこれを受けて、タイを輸出用マイルドハイブリッド車の生産拠点にする方針を改めて示しています。タイ投資委員会の発表では、投資は2026年初頭から、生産開始は2027年中盤の予定とされています。

つまり、次期CX-3がマイルドハイブリッドを軸にするという観測は、税制と投資計画の両面から見て、筋の通った推測だと言えます。

「タイ製」を心配する方へ、業界関係者としてお伝えしたいこと

「日本製じゃないと品質が心配」という声は、今でも耳にします。お気持ちは分かりますが、私はこの点についてはあまり心配していません。

まず、現行CX-3の日本向け車両は、2022年からすでにタイ生産です。この4年間、私の知る範囲でタイ生産を理由とした目立った品質問題は聞いていません。ほかのメーカーも、タイやインドなど海外で生産したモデルを日本に多く導入しています。

加えて、日本の自動車メーカーの海外工場は、日本の工場と同じ品質基準と検査工程で管理されるのが基本です。整備の現場から見ても、生産国の違いがトラブルの多さに直結しているという実感はありません。

むしろ注目したいのはメリットのほうです。タイ生産によるコスト最適化は、そのまま車両価格に反映される可能性があります。若い方にも手の届く価格を実現するうえで、タイ生産はむしろ前向きな選択だと私は見ています。

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デザイン予想 ― 公式スケッチと「VISION X-COMPACT」から読み解く

2025年に公開された公式スケッチ

先ほど触れた2025年2月のスケッチには、スポーティな小型SUVが描かれていました。フロントは新型CX-5に通じる表情、リアはクーペ風のルーフラインに、コンセプトカー「VISION X-COMPACT」に近いテールランプを組み合わせたデザインです。

スケッチは量産車そのものではありません。それでもマツダの場合、スケッチやコンセプトカーの世界観が量産車にかなり忠実に反映される傾向があります。これは長年マツダ車を見てきた者として、自信を持って言えることです。

VISION X-COMPACTが示した未来

2025年10月のジャパンモビリティショーで世界初公開された「MAZDA VISION X-COMPACT」も、次期CX-3を占ううえで重要なヒントになります。

VISION X-COMPACTの基本データ

項  目数  値
全長3,825mm
全幅1,795mm
全高1,470mm
ボディ形状5ドアハッチバック
コンセプト人と心が通う「親友」のようなクルマ

MAZDA2と比べると、全長は短い一方で、全幅は約100mm広く、全高もわずかに高いという、踏ん張り感のあるプロポーションです。マツダは、特定のパワートレーンを想定したものではないデザインスタディだと説明しています。

このクルマのデザインを担当したのは、20代の若いインテリアデザイナーだったそうです。つまりVISION X-COMPACTは、デジタルネイティブ世代が「自分たちが乗りたいクルマ」として描いた一台だということです。ここに、次期CX-3が若い世代を意識していると私が考える大きな理由があります。

次期CX-3のエクステリア予想

公式スケッチ、VISION X-COMPACT、新型CX-5の3つを重ね合わせると、次のような姿が浮かび上がります。

  • フロント:新型CX-5に通じる、骨太で力強いシグネチャーウイング
  • サイドビュー:魂動デザインらしい、映り込みで魅せる面構成
  • ルーフ:CX-30との差別化のため、クーペ風のルーフラインを採用
  • リア:VISION X-COMPACTに近い、小ぶりで丸みのあるテールランプ
  • 全体の印象:現行型より塊感が強く、ひと回り大人びた雰囲気

現行CX-3は、スリムで伸びやかな「美しさ」を重視したデザインでした。次期型は、そこに「たくましさ」を加えた方向に進むと予想されます。

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パワートレーン予想 ― マイルドハイブリッドが本命

現時点での各メディアの見方

パワートレーンについては、メディアによって予想が少しずつ異なります。主な見方をまとめます。

見 方内 容可能性(筆者評価)
1.5Lガソリン+マイルドハイブリッド最有力。タイの税制優遇とも合致◎ 非常に高い
純ガソリン(非電動)新興国向け・廉価グレードとして残る可能性○ 市場による
フルハイブリッド一部海外メディアが予想△ 今後の続報次第
1.8Lディーゼル廃止の見込みと報道× 低い
ロータリー発電のPHEV(R-EV)ファンの期待は大きい△ 夢として

ディーゼル廃止を整備目線で考える

CX-3はディーゼル専用車として生まれたクルマです。そのディーゼルがなくなるかもしれないことを、寂しく感じるファンの方も多いと思います。

ただ、整備の現場を知る人間としては、この判断には納得できる部分があります。

クリーンディーゼルは、排出ガスを浄化するためにDPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)を使っています。DPFは走行中に溜まった煤を燃やして再生する仕組みで、これには一定時間の連続走行が必要です。ところが、近所の買い物や短距離の通勤が中心の使い方では再生がうまく完了せず、煤が溜まりやすくなります。

若い方や、街乗り中心のファーストカーとしての使い方を考えると、コンパクトSUVにはガソリンのマイルドハイブリッドのほうが相性が良いのです。燃費と扱いやすさのバランスという点でも、理にかなった選択だと思います。

マイルドハイブリッドとは何か ― 仕組みと付き合い方

マツダの「M HYBRID(エム ハイブリッド)」は、すでにMAZDA3やCX-30などで実績のあるシステムです。仕組みを簡単に説明します。

M HYBRIDの基本構成

  • ISG(ベルト駆動式スタータージェネレーター):
    エンジンの始動、減速時の発電、加速時のアシストを担います
  • リチウムイオンバッテリー:
    減速時に回収した電気を蓄えます
  • DC-DCコンバーター:
    電圧を変換し、車両の電装品に電気を供給します
  • 12V補機バッテリー:
    従来のクルマと同じく、電装品を支えます

フルハイブリッドのようにモーターだけで長く走るわけではありません。エンジンを電気で「そっと手助けする」システムです。そのため、アイドリングストップからの再始動がとても静かで滑らかになり、発進時の力強さも増します。

整備の現場から見た注意点

長く乗っていただくために、業界関係者としていくつかお伝えしておきます。

  • 補機バッテリーの管理が大切です:
    マイルドハイブリッド車でも12Vバッテリーは重要な役割を担います。点検時にバッテリーの状態を確認してもらいましょう
  • アイドリングストップの作動頻度に注目してください:
    アイドリングストップが以前より作動しにくくなったら、バッテリー劣化のサインのことがあります
  • ISGのベルトも点検対象です:
    ISGはベルトでエンジンとつながっています。定期点検でベルトの状態を見てもらうと安心です
  • バッテリー交換は専用品で:
    アイドリングストップ車・マイルドハイブリッド車には、それに対応したバッテリーが必要です。安さだけで一般品を選ぶのは避けてください

フルハイブリッドのような大容量の駆動用バッテリーを持たないため、長期保有時の維持費はフルハイブリッドより読みやすいという利点もあります。

6速MTは残るのか

現行CX-3の1.5Lガソリン車には、SUVでは珍しい6速MTが設定されていました。これを楽しみにしていたファンの方も多いはずです。

海外メディアの中には、パワートレーンの選択肢が広がることで、非ハイブリッド車に6速MTが残る可能性を指摘する声もあります。ただし、日本仕様に設定されるかは別の話で、現時点では何とも言えません。

マツダは今もMAZDA3やロードスターなどでMTを大切にしているメーカーです。「走る歓び」を掲げるブランドとして、若い方にこそMTの楽しさを知ってほしい。そんな思いで、私も続報を待っています。

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ボディサイズとパッケージング

現行CX-3のサイズ

項  目現行CX-3(2WD)
全長4,275mm
全幅1,780mm
全高1,550mm
ホイールベース2,570mm

全高1,550mmという「こだわり」

現行CX-3の全高1,550mmは、偶然の数字ではありません。都市部のマンションに多い機械式立体駐車場の多くは、全高1,550mm以下という制限を設けています。CX-3は、この制限をクリアできる数少ないSUVのひとつでした。

都市部にお住まいの方にとって、これは大きな意味を持ちます。「SUVが欲しいけれど駐車場に入らない」という悩みに応えられるクルマだったのです。

次期型はどうなるか

一部の報道では、次期CX-3は全長が約50mm伸び、全幅と全高もわずかに拡大すると予想されています。

ここは、業界関係者としてとても気になるポイントです。

全高がわずかでも1,550mmを超えると、機械式立体駐車場に入れなくなる可能性があります。一方で、後席の頭上空間や荷室の使い勝手を考えると、高さを確保したいという開発側の事情も理解できます。

私の予想は、「2WDは1,550mm前後を維持し、4WDやルーフレール付きは少し高くなる」という落としどころです。現行型でも、グレードによって全高が異なっていました。立体駐車場を使われる方は、正式発表で全高を必ず確認してください。

後席と荷室は改善されるか

現行CX-3の弱点として、後席の狭さと荷室の小ささがよく挙げられていました。デザインを優先した結果であり、それがCX-3の魅力でもありましたが、ファミリー層には少し厳しかったのも事実です。

次期型では、全長の延長分がどこに使われるかが注目点です。ホイールベースの延長に使われれば後席の足元が広がりますし、リアのオーバーハングに使われれば荷室が広がります。いずれにしても、現行型より実用性が高まる方向に進むと見ています。

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なぜ「若年層」を意識したクルマになるのか ― 業界関係者の分析

ここからは、公式発言ではなく、私自身の分析です。マツダは次期CX-3について「若年層向け」と公式に明言しているわけではありません。ただ、これまでに示された戦略を組み合わせると、若い世代を強く意識したクルマになると考えるのが自然です。

理由1:MAZDA2が担っていた「最初の一台」を引き継ぐ

MAZDA2(デミオ)は長年、若い方のファーストカーとして選ばれてきました。そのMAZDA2の役割を次期CX-3がカバーすると社長が明言した以上、次期CX-3は必然的に「マツダの最初の一台」を担うことになります。

マツダにとって、若い方に最初の一台として選んでもらうことは、将来の顧客づくりそのものです。20代でCX-3に乗った方が、30代でCX-5へ、40代でCX-60やCX-80へ。この流れを作れるかどうかが、ブランドの将来を左右します。

理由2:CX-30との明確なすみ分け

マツダにはすでにCX-30というコンパクトSUVがあります。次期CX-3を投入する以上、CX-30とどうすみ分けるかが重要になります。

海外メディアの中には、次期CX-3はCX-30より手頃な価格で、CX-30の価格帯には手が届かない層を狙うはずだ、という見方があります。私もこの見方に賛成です。

次期CX-3(予想)CX-30
立ち位置エントリーSUVプレミアムコンパクトSUV
想定する主な層初めてのクルマ、若い単身・カップル、若いファミリー上質さを求める幅広い層
価格帯より手頃やや上
デザインの方向性アクティブ、スポーティエレガント、上質

理由3:デジタルネイティブ世代への対応

VISION X-COMPACTが掲げた「共感型AI」という発想は、スマートフォンと育った世代の感覚に近いものです。マツダは、今後Googleのアシスタントを生成AI「Gemini」へアップデートし、自然な会話ができるようにする構想も示しています。

もちろん、VISION X-COMPACTの技術がすべて次期CX-3に載るわけではないでしょう。ただ、クルマと会話しながら目的地を決める、スマートフォンとシームレスにつながる、といった方向性は、次期CX-3でも一部取り入れられる可能性があると私は見ています。

理由4:価格と支払いの現実

最後に、最も現実的な理由です。若い方がクルマを買うとき、最大の壁はやはり価格です。タイ生産によるコスト最適化と、比較的シンプルなマイルドハイブリッドの組み合わせは、フルハイブリッドより価格を抑えやすい構成です。これは、若い方にも手の届く価格を実現するための、理にかなった戦略だと言えます。

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装備・安全性能への期待

インフォテインメントとコネクティビティ

現時点で次期CX-3の装備は公表されていません。ここでは、最新のマツダ車の傾向から予想します。

  • 大型センターディスプレイ:新型CX-5で採用された大型ディスプレイの流れを受け継ぐ可能性
  • Apple CarPlay/Android Auto:ワイヤレス接続への対応が期待されます
  • Googleの車載サービス:新型CX-5で導入された流れが広がるかに注目
  • コネクテッドサービス:スマートフォンからの遠隔操作や車両状態の確認
  • 音声操作:生成AIによる自然な対話への発展

ひとつ付け加えると、マツダは近年、画面操作と物理スイッチのバランスについて、海外市場から評価と批判の両方を受けています。運転中の操作性を重視してきたマツダが、どのような答えを出すかにも注目したいところです。

安全性能「i-ACTIVSENSE」

マツダの先進安全技術「i-ACTIVSENSE」は、世代を重ねるごとに進化しています。次期CX-3でも、最新世代の安全装備が期待されます。

  • 衝突被害軽減ブレーキ(交差点での右左折時への対応など)
  • 全車速追従機能付きのクルーズコントロール
  • 車線逸脱の抑制機能
  • 後方の接近車両を知らせる機能
  • ドライバーの状態を見守る機能

初めてクルマを運転する方や、運転に自信がない方にとって、こうした装備は大きな安心材料になります。

整備の現場からのひとこと

先進安全装備には、カメラやレーダーといったセンサーが使われています。フロントガラスの交換やバンパーの修理、ちょっとした事故の後には、センサーの向きを調整する「エーミング」という作業が必要になることがあります。

見た目がきれいに直っていても、センサーの向きがずれていると安全装備が正しく働かない場合があります。修理の際は、エーミングに対応できる工場に依頼することをおすすめします。先進安全装備が当たり前になった今、覚えておいていただきたい知識です。

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ライバル車との比較

次期CX-3が戦う国内のコンパクトSUV市場は、まさに激戦区です。

車  種特  徴次期CX-3にとっての脅威
トヨタ ヤリスクロス燃費と価格のバランス、圧倒的な販売力最大のライバル
ホンダ ヴェゼル広い室内、上質なデザイン実用性で強力
トヨタ ライズ5ナンバーサイズ、手頃な価格価格面での比較対象
日産 キックスe-POWERによる電動感電動化の訴求力
ホンダ WR-V広い荷室、手頃な価格エントリー層の奪い合い

次期CX-3が勝負できるポイント

正直に言えば、燃費の数字だけで勝負すると、フルハイブリッドを持つライバルには分が悪いかもしれません。次期CX-3が選ばれるためには、別の価値を示す必要があります。

  • デザインの力:
    魂動デザインは、このクラスで最も「所有する喜び」を感じられるデザインのひとつです
  • 走りの質:
    人馬一体の操縦性は、マツダが最も得意とするところです
  • 上質な室内:
    クラスを超えた質感は、現行CX-3でも高く評価されていました
  • 運転姿勢へのこだわり:
    ペダル配置やシートポジションなど、長く乗って疲れにくい設計はマツダの伝統です

数字では表しにくいこれらの価値こそ、マツダが長年大切にしてきたものです。店頭で試乗された方が「やっぱりマツダは運転が気持ちいい」と感じてくれるかどうか。次期CX-3の成否は、そこにかかっていると私は考えています。

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価格予想

現時点で価格は一切公表されていません。以下は、あくまで私個人の予想です。

参考までに、現行CX-3の新車価格は、終盤で約271万円から356万円でした。

グレード(予想)予想価格帯
エントリーグレード250万円台〜
中間グレード280万〜310万円前後
上級・特別仕様320万円前後〜

原材料費の高騰や為替の動きを考えると、現行型より大幅に安くなることは考えにくいです。一方で、タイ生産のコストメリットを活かし、エントリーグレードの価格をできるだけ抑えてくる可能性は十分にあります。MAZDA2の受け皿という役割を考えると、「手が届く」と感じてもらえる入口の価格は、マツダにとって譲れない条件になるはずです。

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業界関係者が夢見る「理想の次期CX-3」

ここからは、少し肩の力を抜いて、私がひとりのクルマ好きとして思い描く「こうだったら最高」という次期CX-3を語らせてください。

夢その1:6速MTの存続

マイルドハイブリッドの時代になっても、ガソリン車に6速MTを残してほしい。若い方が「MTって楽しいんだ」と知るきっかけに、CX-3がなってくれたら素晴らしいことです。

夢その2:スポーティな特別仕様

新型CX-5やMAZDA3のように、黒を基調にした特別仕様や、専用の足回りを持つスポーティなグレードがあれば、若い方の心をつかむはずです。

夢その3:4WD「i-ACTIV AWD」の継続

雪国の若い方にとって、手頃な価格で買える4WDのSUVは貴重な存在です。マツダの4WDは、雪道だけでなく普段の走りの安定感にも優れています。ぜひ継続してほしい装備です。

夢その4:共感AIの一部搭載

VISION X-COMPACTが描いた「親友のようなクルマ」の、ほんの一部でも次期CX-3で体験できたら。ひとりのドライブが少し楽しくなる、そんな未来を期待しています。

夢その5:いつかロータリーの電動モデルを

これは本当に夢の話です。MX-30で実用化されたロータリーエンジンを発電機に使う技術が、いつかCX-3クラスに降りてくる日が来たら。可能性は低いかもしれませんが、マツダファンなら一度は想像してしまう夢ではないでしょうか。

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今、クルマ選びで迷っている方へ

次期CX-3の登場まで、まだ1年ほどあります。今、クルマ選びで迷っている方に、業界関係者としていくつかアドバイスをお伝えします。

現行CX-3が気になる方

現行CX-3は、在庫がなくなり次第販売終了です。新車の在庫はすでにかなり少なくなっていると報じられています。現行型のデザインが好きな方、ディーゼルやMTにこだわりたい方は、早めに販売店に問い合わせることをおすすめします。

中古車という選択肢もあります。現行CX-3は11年の間に何度も改良されているので、年式によって装備や安全性能が異なります。購入の際は、年式と装備をよく確認してください。

現行MAZDA2にお乗りの方

MAZDA2からの乗り換えを考えている方は、次期CX-3が有力な選択肢になるはずです。車検のタイミングや残価設定ローンの満了時期と、次期CX-3の発売時期を照らし合わせて計画を立てておくと、慌てずに済みます。

次期CX-3を待つか迷っている方

次期CX-3を待つべきかどうかは、今のクルマの状態と、どのくらい待てるかによります。

  • 今のクルマに不安がない方:続報を見ながら待つ価値は十分にあります
  • 車検が近い、故障が心配な方:無理に待たず、今の選択肢から検討するのも賢明です
  • 新型車の初期ロットが心配な方:発売後しばらく様子を見るという考え方もあります

新型車は発売直後に注文が集中し、納期が長くなることもあります。気になる方は、正式発表の情報をいち早くキャッチできるよう、アンテナを張っておくと良いでしょう。

まとめ ― 次期CX-3は「マツダの入口」を担う大切な一台

最後に、ここまでの内容を振り返ります。

  • 次期CX-3は、2027年の国内投入が毛籠社長によって明言されました
  • 生産はタイのAATが担い、日本やASEANへ輸出されます
  • 車名は「CX-3」のまま継続されます
  • MAZDA2が担ってきたBセグメントの需要を引き継ぐ、重要な役割を担います
  • パワートレーンはマイルドハイブリッドが本命と見られています
  • デザインは新型CX-5とVISION X-COMPACTの流れを汲むと予想されます

46年この業界にいて感じるのは、どのメーカーにとっても「入口のクルマ」こそが一番難しく、そして一番大切だということです。高価なクルマは、良いものを作れば売れます。しかし手頃なクルマで、ブランドの魅力をしっかり伝え、次もこのメーカーを選びたいと思ってもらうのは、本当に難しいことです。

デミオが、そして初代CX-3が、多くの若い方に「マツダっていいな」と思わせてきました。次期CX-3は、そのバトンを受け取る一台です。

正式な姿が公開される日を、ひとりのクルマ好きとして、心から楽しみにしています。続報が入り次第、またこのブログでお伝えしますので、ぜひお付き合いください。

※本記事は2026年9月時点で公表・報道されている情報をもとに執筆しています。予想や筆者の見解を含む部分は、正式発表と異なる場合があります。最新情報はマツダの公式発表をご確認ください。