はじめに:国民的コンパクトSUV「ロッキー」がいよいよ次の世代へ
日本のコンパクトSUV市場で、圧倒的な存在感を放ち続けているダイハツ・ロッキー。2019年11月に登場した現行モデルは、5ナンバーサイズに収まる扱いやすいボディ、広い室内、そして手の届きやすい価格帯で一気にヒット車種となりました。姉妹車のトヨタ・ライズと合わせれば、登録車の販売ランキングで常に上位に名を連ねる「国民的コンパクトSUV」と呼んで差し支えない存在です。
私はこの業界に46年身を置いてきた業界関係者ですが、ここまで長く、しかも安定して売れ続けるコンパクトSUVはそう多くありません。だからこそ、次期型に寄せられる期待の大きさも肌で感じています。
現行型の登場から間もなく7年。「そろそろフルモデルチェンジでは?」「噂の3列シート車は本当に出るのか?」という声は、業界内でもユーザーの間でも日に日に大きくなっています。
本記事では、メーカーの公開情報、商標出願の事実、海外仕様の動向、そして業界関係者として長年クルマを見てきた経験をもとに、次期ロッキーの全体像を整理します。
確定情報と予想ははっきり分けてお伝えしますので、購入検討の判断材料としてお役立てください。
ダイハツ・ロッキーの進化史と現在地
初代ロッキー(1990年〜):本格派ライトクロカンとして誕生
ロッキーの名は、1990年に登場した初代モデルに遡ります。初代はラダーフレームを持つ本格的なライトクロスカントリー車で、コンパクトながら悪路に強い「小さな本格四駆」として一定のファンを獲得しました。国内販売は1997年に終了し、ロッキーの名はしばらく途絶えることになります。
2代目ロッキー(2019年〜):クロスオーバーSUVとして劇的な復活
約20年の空白を経て、2019年11月にロッキーは「5ドア・コンパクトクロスオーバーSUV」として復活しました。初代とはまったく異なる商品企画で、乗用車ベースの扱いやすさとSUVらしいデザインを両立させたのが特徴です。
DNGAプラットフォームの採用
現行型は、ダイハツの新世代クルマづくり構想「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」に基づいて開発されたモデルで、軽自動車のタントに続くDNGA第2弾として登場しました。
DNGAは、軽自動車から小型車までを一括で企画・開発することで、部品の共通化とコスト低減、そして基本性能の底上げを同時に狙う考え方です。業界関係者の視点で見ると、ロッキーの「この価格でこの完成度」という評価は、まさにDNGAの恩恵そのものだと言えます。
現行型の基本スペック
| 項 目 | 内 容 |
|---|---|
| 全長×全幅×全高 | 3,995×1,695×1,620mm |
| ホイールベース | 2,525mm |
| 前後乗員間距離 | 900mm |
| ラゲッジ容量 | 最大449L(デッキボード下含む・ガソリン2WD) |
| 最低地上高 | 185mm |
| 最小回転半径 | 4.9m(16インチ)/5.0m(17インチ) |
全長4m未満という数字は、日本の道路事情、特に住宅街や立体駐車場での扱いやすさに直結します。それでいて前後乗員間距離900mmを確保しているのは、パッケージングの巧みさの表れです。
2021年11月:e-SMART HYBRIDの追加とパワートレイン再編
2021年11月の改良で、ダイハツ独自開発のシリーズ式ハイブリッド「e-SMART HYBRID」が追加されました。エンジンは発電に専念し、走行は100%モーターで行う方式で、WLTCモード燃費28.0km/Lというクラストップレベルの数値を実現しています。
同時に、2WDのガソリン車は1.0Lターボから新開発の1.2L自然吸気エンジンへ切り替えられ、1.0Lターボは4WD専用の位置づけになりました。このパワートレイン再編は、現在のロッキーの商品構成を理解するうえで重要なポイントです。
2023〜2024年:認証問題からの再出発
2023年に明らかになった認証試験の不正問題により、ダイハツは一時的に生産・出荷の停止を余儀なくされました。ロッキーのハイブリッド車も対象となりましたが、国土交通省による基準適合性の確認を経て、2024年7月に生産・出荷が再開されています。
業界関係者として率直に申し上げると、この問題は単なる一時停止にとどまらず、ダイハツの開発体制そのものを見直すきっかけになりました。認証プロセスの厳格化は、結果として次期型の開発スケジュールにも影響を与えていると見るのが自然です。
2024年11月:一部改良でバックソナーを追加
2024年11月には一部改良が行われ、バックソナーの採用など安全装備の強化と価格改定が実施されました。大きな見た目の変化はないものの、日常の安心感を高める地道な改良です。
【最新】2026年11月に一部改良が予定されている
改良のポイント
最新の業界情報では、2026年11月にロッキーの一部改良が予定されており、姉妹車のトヨタ・ライズ、OEM供給車のスバル・レックスも同時期に改良される見込みです。
今回の改良で中心となるのは以下の2点です。
- 予防安全機能「スマートアシスト」の検知機能のアップデート
- インテリアの質感向上
一方で、内外装デザインの大幅な変更は行われない見通しです。つまり「見た目はほぼそのまま、中身を磨く」タイプの改良と考えてよいでしょう。
業界関係者が見る「この改良の意味」
フルモデルチェンジを翌年に控えた時期に、あえて安全装備のアップデートを行う。ここには明確な理由があります。
- 安全基準・評価への対応:
予防安全性能は年々求められる水準が上がっており、販売期間の残りを戦うためには最新水準へのキャッチアップが欠かせません。 - 最終型としての商品力の維持:
モデル末期は販売が落ちやすい時期です。安全装備を強化することで、フルモデルチェンジまでの販売を下支えする狙いがあります。 - 原材料高騰による価格改定:
近年の一部改良は価格改定とセットになることがほとんどです。今回も若干の値上げは覚悟しておいた方がよいでしょう。
「最終型」は中古車市場でも評価されやすい
長年この業界を見てきた経験から申し上げると、フルモデルチェンジ直前の改良を受けた「最終型」は、熟成が進んで初期トラブルが出尽くしていることが多く、中古車市場でも評価されやすい傾向があります。次期型を待たずに買う方にとって、2026年11月以降の改良モデルは十分に魅力的な選択肢になるはずです。
海外で先行公開された「新顔ロッキー」が示すヒント
インドネシア仕様が2025年9月にフェイスリフト
次期型を占ううえで見逃せないのが、海外仕様の動きです。ダイハツのインドネシア法人は2025年9月17日、現地向けロッキーの改良モデルを発表しました。
主な変更点は次のとおりです。
- ハニカムパターンのフロントグリルとバンパーを新採用
- 「Shift The Vibes」をコンセプトにした、若年層を意識したスポーティなデザイン
- 上級グレードにブラック仕上げのアルミホイールを採用
- 内装のヘッドライニングをライトグレーからブラックへ変更
- 加飾をシルバーからガンメタリックへ変更
なお、インドネシア仕様のボディサイズは全長4,030×全幅1,710×全高1,635mmと、日本仕様より若干大きく、パワートレインは1.0Lターボ・1.2Lガソリン・1.2Lハイブリッドの3種類で、すべて前輪駆動です。
次期型を読み解く3つの示唆
示唆1:デザインの方向性は「より若く、よりスポーティに」
インドネシア仕様の刷新は、ロッキーというブランドが今後どの層を狙っていくのかを示す試金石と見ることができます。次期日本仕様でも、黒基調の内装やアグレッシブなフロントマスクが採り入れられる可能性は十分にあるでしょう。
示唆2:ボディサイズの「若干の拡大」は現実的
インドネシア仕様がすでに全長4m・全幅1,700mmを超えている事実は、次期型の標準ボディにも若干のサイズ拡大の余地があることを示しています。ただし日本仕様は5ナンバー枠(全幅1,700mm以下)の維持が最優先されるはずで、拡大は全長方向が中心になると私は見ています。
示唆3:ダイハツの海外拠点が持つ「3列車のノウハウ」
インドネシアは、トヨタ・ラッシュ/ダイハツ・テリオスや、アバンザ/セニアといったコンパクトな3列シート車が主力の市場です。ダイハツが現地で長年蓄積してきた「小さなボディで7人を乗せる技術」は、後述するロッキースペースの開発に大いに生かされるはずです。
【最大の目玉】3列7人乗り「ロッキースペース」の全容
商標出願が裏付ける「ロッキースペース」の存在
次期型最大の注目点は、3列シート7人乗りの派生モデル「ロッキースペース(ROCKY SPACE)」です。
ダイハツは2022年12月に「Rocky Space(ロッキースペース)」の商標を出願しています。同時期にトヨタ側でも「ライズスペース(RAIZE SPACE)」の名称が出願されたとされ、両社で同時展開を視野に入れていることがうかがえます。
商標出願をどう読むべきか
ここは業界関係者として冷静にお伝えしておきたい点です。商標出願は、自動車メーカーにとって「将来使うかもしれない名前の確保」という意味合いも持ちます。出願されたものの、最終的に使われなかった車名は過去にいくつも存在します。
それでも、
- 既存の車名に「スペース」を付けるという具体性
- 姉妹車側でも対になる名称が出願されていること
- 海外で培った3列車のノウハウという技術的な裏付け
この3点がそろっている以上、ロッキースペースは「単なる噂」の域を超え、相当具体的な企画であると判断してよいと考えています。
予想ボディサイズとパッケージング
ロッキースペースは、ロッキーのホイールベースと全長を延長したロングボディ仕様になると見られています。
| 項目 | 現行ロッキー | ロッキースペース(予想) |
|---|---|---|
| 全長 | 3,995mm | 約4,400mm |
| 全幅 | 1,695mm | 1,695mm(5ナンバー維持) |
| 全高 | 1,620mm | 約1,635〜1,680mm |
| ホイールベース | 2,525mm | 約2,650〜2,700mm |
| 乗車定員 | 5名 | 7名 |
全長約4,400mmは、5ナンバー枠の全長上限(4,700mm)に対して十分な余裕があります。全幅1,695mmを維持できれば、5ナンバーの3列SUVという、現在の国内市場にはほぼ存在しないポジションを手に入れることになります。
業界関係者が見る「ロッキースペース」開発の技術的ハードル
ボディを伸ばして3列目を付ければ完成、というほど単純ではありません。ここではプロの目線で、開発上の課題を整理しておきます。
ハードル1:車体剛性の確保
ホイールベースを100mm以上延ばすと、ボディのねじれ剛性は確実に低下します。乗り心地や操縦安定性、さらには長期使用での異音やきしみにも影響が出るため、フロア下の補強やリア構造の専用設計が欠かせません。DNGAの「部品共通化」と「専用設計」をどこで線引きするかが、開発陣の腕の見せどころになるでしょう。
ハードル2:3列目の後面衝突安全
3列車で最も難しいのが、3列目乗員の後面衝突に対する安全確保です。全長に余裕のないコンパクト3列車では、3列目シートの背後に十分なクラッシャブルゾーンを確保しにくくなります。リアオーバーハングをどこまで伸ばすかは、安全性と取り回しのせめぎ合いになります。
ハードル3:重量増とパワートレインの余力
車体が大きくなれば重量も増えます。現行ロッキーの車両重量はおおむね1トン前後ですが、ロッキースペースでは7人乗車時の総重量が大幅に増えることになります。1.2L自然吸気エンジンでは多人数乗車時の登坂や合流で余裕が乏しくなる可能性があり、モーター駆動で低速トルクに優れるe-SMART HYBRIDが主力になると私は予想しています。
ハードル4:最小回転半径
ホイールベースが延びれば、最小回転半径も大きくなります。現行の4.9〜5.0mから、ロッキースペースでは5.2m前後になる可能性があります。それでも一般的なミドルサイズSUVよりは小回りが利くはずで、日常の扱いやすさは十分に保たれるでしょう。
3列目シートの現実的な使い方
「エマージェンシー+α」が現実的なライン
全長4.4mクラスの3列車で、3列目に大人がゆったり長距離移動するのは物理的に難しいのが実情です。業界関係者として正直にお伝えすると、3列目は次のような使い方が現実的です。
- 子どもの送迎や、近距離での多人数移動
- 祖父母を乗せての短時間の移動
- 普段は格納して、大容量ラゲッジとして活用
2列目シートのスライド機構がカギ
3列目の居住性を左右するのは、2列目シートのスライド量です。2列目を前に出せば3列目の足元が広がり、後ろに下げれば2列目がゆったりする。この調整幅がどれだけ確保されるかで、ロッキースペースの実用性は大きく変わります。
ライバル車との比較と差別化
| 車 種 | 全 長 | ジャンル | 特 徴 |
|---|---|---|---|
| ロッキースペース(予想) | 約4,400mm | 3列SUV | SUVデザイン・高めの地上高・4WD設定の可能性 |
| トヨタ・シエンタ | 4,260mm | 小型ミニバン | 両側スライドドア・低床・燃費 |
| ホンダ・フリード | 4,310mm | 小型ミニバン | スライドドア・多彩なシートアレンジ |
「スライドドアがない」ことをどう評価するか
ここは購入検討で最も悩むポイントでしょう。小さなお子さんがいるご家庭では、狭い駐車場でのスライドドアの便利さは圧倒的です。一方、ロッキースペースはSUVである以上、ヒンジ式ドアになるのはほぼ確実です。
逆に言えば、ロッキースペースが狙うのは次のような層です。
- ミニバンの「生活感」に抵抗があり、デザイン性の高いSUVに乗りたい方
- キャンプやスキーなど、アウトドアで悪路や雪道を走る機会がある方
- 普段は2列+大きな荷室、たまに7人乗りという使い方をしたい方
「ミニバンの利便性は欲しいが、見た目はかっこいいSUVがいい」というニーズは確実に存在します。5ナンバーサイズでこの需要に応えるクルマは、現在の国内市場ではほぼ空白地帯です。ロッキースペースが登場すれば、新しいジャンルを切り拓く存在になる可能性は十分にあります。
【新次元の走り】e-SMART HYBRIDの進化とパワートレインの将来像
現行e-SMART HYBRIDの仕組みをおさらい
e-SMART HYBRIDは、1.2L直列3気筒エンジン(WA-VEX型)を発電専用に使い、フロントモーター(最高出力106ps・最大トルク170Nm)で100%駆動するシリーズ方式のハイブリッドです。
シリーズ式の強み
- EVのような走り:アクセルを踏んだ瞬間からモーターの力強いトルクが立ち上がります。
- 市街地での高効率:発進・停止の多い日本の道路環境で燃費を稼ぎやすい方式です。
- スマートペダル:アクセルを戻すと減速する機能で、ブレーキの踏み替え回数を減らせます。
シリーズ式の弱み
- 高速巡航時の効率:エンジンで発電してモーターで走るため、高速走行では効率が落ちやすい傾向があります。
- エンジン音の唐突さ:発電のためにエンジンが始動するタイミングが、ドライバーの操作と一致しないことがあり、違和感を覚える方もいます。
次期型で期待される進化
静粛性と発電制御の熟成
エンジン始動時の音・振動の抑制は、シリーズ式ハイブリッドにとって永遠のテーマです。3気筒エンジンは構造上振動が出やすいため、エンジンマウントの見直しや遮音材の追加、発電タイミングの制御最適化によって、より上質な走りへの進化が期待されます。
燃費性能のさらなる向上
バッテリーの効率改善やシステムの軽量化により、標準ボディではさらなる燃費向上が見込まれます。ロッキースペースは車重が増えるため、HEVでも25km/L前後が一つの目標になると私は見ています。それでも7人乗りの3列車としては、トップクラスの水準です。
モーター出力の強化
ロッキースペースの登場を考えると、モーター出力の引き上げは避けて通れません。多人数乗車時の発進加速や登坂性能に余裕を持たせるため、モーターや電池容量の見直しが行われる可能性があります。
待望の「4WDハイブリッド」は実現するか
現行型の弱点は「HEVに4WDがない」こと
現行ロッキーのハイブリッドは2WD(FF)のみの設定です。雪国のユーザーからは「4WDのハイブリッドが欲しい」という声が根強くあり、これは長年この業界にいる私も実感しています。
技術的にはリアモーター方式が有力
シリーズ式ハイブリッドで4WDを実現するなら、プロペラシャフトを使わず、後輪を独立したモーターで駆動する「電動4WD」方式が現実的です。他社のシリーズ式ハイブリッドでもこの方式が採用されており、技術的なハードルは決して高くありません。
課題になるのは次の2点です。
- パッケージング:
リアモーターと配線をどこに収めるか。特にロッキースペースでは3列目シートとの干渉が問題になります。 - 価格:
リアモーターの追加は車両価格の上昇に直結します。ロッキーの強みである「手頃な価格」とのバランスが問われます。
フルモデルチェンジを機に4WDハイブリッドが設定されれば、ロッキーの商品力は大きく高まるはずです。業界関係者としても、最も実現を期待している項目の一つです。
ガソリンエンジンのラインナップ予想
1.2L 直列3気筒 自然吸気(WA-VE型)
- 最高出力87ps/最大トルク113Nm
- 日常使いに十分な性能を持つベーシックユニット
- 車両価格を抑えたいユーザー向けとして継続される可能性が高い
1.0L 直列3気筒 ターボ(1KR-VET型)
- 最高出力98ps/最大トルク140Nm
- 現行型では4WD専用で、「ダイナミックトルクコントロール4WD」と組み合わせて雪道や悪路で高い走破性を発揮
- 次期型では、4WDハイブリッドの登場次第でラインナップから外れる可能性もあります
【整備のプロ目線】現行ロッキーの技術的な注意点
長年この業界にいると、カタログには載らない「実際に使ってわかること」が見えてきます。現行型を購入される方、すでにお乗りの方の参考になるよう、整備面での注意点をまとめておきます。
D-CVTのフルード管理
ロッキーのガソリン車には、ダイハツ独自の「D-CVT」が採用されています。ベルト駆動にギヤ駆動を組み合わせた、効率の高い変速機です。
- メーカー指定の点検時期を守り、CVTフルードの状態を定期的に確認しましょう。
- 短距離の繰り返しや渋滞路の多い使い方、坂道の多い地域では、フルードの劣化が早まる傾向があります。
- 発進時のジャダー(ガクガクとした振動)や異音を感じたら、早めに点検を受けることをおすすめします。
ハイブリッド車特有のメンテナンス
エンジンオイルは「走行距離」だけで判断しない
シリーズ式ハイブリッドは、走行中にエンジンが止まっている時間が長くなります。エンジンが十分に温まらない状態での始動・停止を繰り返すと、オイル内に水分や燃料が混入しやすくなります。走行距離が少なくても、期間を目安にオイル交換を行うのが賢明です。
補機バッテリーの管理
ハイブリッド車でも、システムを起動するための12V補機バッテリーは搭載されています。長期間乗らない場合などはバッテリー上がりの原因になるため、定期的な点検が欠かせません。
インバーター冷却系の点検
ハイブリッド車には、エンジンとは別にインバーターなどを冷却する系統があります。冷却水の量や漏れがないかは、点検時に確認してもらいましょう。
3気筒エンジンの振動特性
ロッキーのエンジンはすべて3気筒です。4気筒に比べて構造的に振動が出やすく、アイドリング時に気になる方もいらっしゃいます。エンジンマウントの劣化が進むと振動が増すことがあるため、走行距離が伸びてきたら点検項目に入れておくとよいでしょう。
ブレーキの固着に注意(特にハイブリッド車)
回生ブレーキを多用するハイブリッド車は、物理的なブレーキを使う頻度が下がります。その結果、ブレーキ部品に錆が出たり、動きが渋くなったりすることがあります。特に雪国や沿岸部など塩害のある環境では、定期的なブレーキ点検が重要です。
【先進安全&デジタル】次世代スマートアシストとコックピット
現行スマートアシストの主な機能
現行型でも、コンパクトSUVとしては非常に充実した安全装備を備えています。
- 衝突回避支援ブレーキ(対車両・対歩行者)
- 全車速追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール)※グレード別
- レーンキープコントロール(LKC)
- ブラインドスポットモニター(BSM)※グレード別
- リヤクロストラフィックアラート
- 誤発進抑制制御機能(前方・後方)
- 標識認識機能
次期型で期待される進化
検知範囲の拡大
カメラやセンサーの性能向上により、交差点での右左折時の対向車・歩行者検知など、より複雑な場面への対応が期待されます。2026年11月の一部改良で強化される検知機能は、次期型への布石と見ることもできます。
運転支援制御の自然さ
業界関係者の立場から申し上げると、最近の運転支援システムで差がつくのは「機能の有無」ではなく「制御の自然さ」です。ACCの加減速の滑らかさ、車線維持支援のステアリング介入の違和感の少なさは、長距離運転での疲労に直結します。
駐車支援システム
ロッキースペースのように車体が大きくなるモデルでは、駐車支援システムの充実が重要になります。パノラマモニターや、ステアリング操作を支援する機能の設定に期待が集まります。
デジタルコックピットとコネクティビティ
大型ディスプレイ化の流れ
インテリアは、大型ディスプレイを中心としたデジタルコックピットへの進化が見込まれます。メーター部のフルデジタル化や、センターディスプレイの大型化は、近年の新型車の大きな流れです。
スマートフォン連携とコネクテッド
Apple CarPlayやAndroid Autoへの対応、そして「ダイハツコネクト」の機能拡充によって、スマートフォンとの連携はさらに便利になるでしょう。
【スケジュール&価格予想】次期ロッキーのタイムライン
2026年11月:一部改良(予定)
前述のとおり、現行型の一部改良が予定されています。スマートアシストの機能強化と内装の質感向上が中心で、内外装の基本デザインは維持される見通しです。
2027年夏頃:フルモデルチェンジ(予想)
認証問題に伴う開発スケジュールの見直しを経て、フルモデルチェンジは2027年夏頃(7〜8月)が有力視されています。現行型の登場からおよそ8年というタイミングです。
発売の順番について
業界関係者として予想する流れは次のとおりです。
- 標準ボディ(2列5人乗り)の新型ロッキーが先行デビュー
- 少し間を空けて、3列7人乗りのロッキースペースを追加
ただし、ロッキースペースを同時デビューさせて話題性を最大化するという判断もあり得ます。いずれにしても、トヨタ・ライズ(およびライズスペース)との同時期発表になる可能性が高いでしょう。
認証プロセスの厳格化がスケジュールに与える影響
認証問題以降、各メーカーとも認証試験の体制を強化しています。新型車の開発では、認証にかかる期間や工数がこれまで以上に重くなっていると見るのが自然です。予想時期から前後する可能性は十分にあるため、正式発表まではあくまで目安として捉えてください。
予想スペック・価格一覧
| 項目 | 新型ロッキー(2列5人乗り) | ロッキースペース(3列7人乗り) |
|---|---|---|
| 全長×全幅×全高 | 4,000mm前後×1,695×1,620〜1,650mm | 約4,400×1,695×1,635〜1,680mm |
| ホイールベース | 約2,525mm | 約2,650〜2,700mm |
| パワートレイン | 1.2L NA/1.0Lターボ/1.2L e-SMART HYBRID | 1.2L e-SMART HYBRID/1.2L NA |
| 駆動方式 | 2WD/4WD | 2WD/4WD |
| WLTCモード燃費 | 28km/L以上(HEV予想) | 約25km/L(HEV予想) |
| 予想価格帯 | 約190万〜260万円 | 約230万〜300万円 |
※すべて業界動向をもとにした予想値です。正式な数値はメーカー発表をお待ちください。
価格予想の根拠
値上がりは避けられない
現行ロッキーの新車価格は、おおむね176万円台から246万円前後です。次期型では、安全装備の高度化、ディスプレイの大型化、原材料費や物流費の上昇などを考えると、10万〜20万円程度の値上がりは避けられないと見ています。
ロッキースペースの価格設定
ロッキースペースは、ボディの延長と3列目シートの追加、HEV中心のラインナップを考えると、標準ボディより40万円前後高い設定になるのではないかと予想しています。それでも、小型ミニバンの主要グレードと同等か、やや抑えた価格帯に収まれば、十分な競争力を持つはずです。
「今買うべきか」「待つべきか」業界関係者の判断基準
長年この業界でお客様の購入判断を見てきた経験から、タイプ別にアドバイスをまとめます。
今(現行型・改良型)を買うのがおすすめの方
- 5人乗りで十分な方:現行型はすでに完成度が高く、熟成も進んでいます。
- すぐにクルマが必要な方:車検や故障などで買い替えを急いでいる場合、1年近く待つのは現実的ではありません。
- 価格を重視する方:次期型は値上がりが予想されます。モデル末期は条件面で相談しやすい時期でもあります。
- 初期トラブルを避けたい方:新型車の初期ロットは、どうしても細かな不具合が出やすいものです。熟成された最終型には安心感があります。
狙い目は「2026年11月改良後の最終型」
安全装備が強化された改良型は、フルモデルチェンジ前の完成形と言えます。次期型にこだわりがなければ、この最終型を検討するのは非常に合理的な選択です。
次期型を待つのがおすすめの方
- 7人乗りが必要な方:ロッキースペースを狙うなら、待つ以外の選択肢はありません。
- ハイブリッドの4WDが欲しい方:雪国にお住まいで、ハイブリッドの燃費と4WDの安心感を両立したい方は、次期型の設定を確認してからの判断をおすすめします。
- 最新の安全装備・デジタル装備を求める方:大型ディスプレイやより進化した運転支援を重視するなら、次期型の方が満足度は高いでしょう。
- 今のクルマにまだ余裕がある方:車検までの期間に余裕があれば、次期型の正式発表を見てから判断しても遅くありません。
下取り・売却のタイミングにも注意
フルモデルチェンジが行われると、旧型の中古車相場は下落する傾向があります。現在ロッキーにお乗りで、次期型への乗り換えを検討している方は、次期型の発表前後で下取り価格がどう動くかも意識しておくとよいでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q. ロッキースペースは本当に発売されますか?
A. 2022年に商標が出願されており、具体的な企画であることは間違いないと考えられます。ただし、メーカーから正式な発表はまだありません。商標出願は発売を確約するものではないため、続報を待つのが賢明です。
Q. ロッキースペースは5ナンバーですか?
A. 全幅1,695mmを維持できれば、全長約4,400mmでも5ナンバーの範囲に収まります。現時点では5ナンバーサイズを維持する見込みが有力です。
Q. 次期型でハイブリッドの4WDは設定されますか?
A. 現行型には設定がなく、ユーザーからの要望が多い項目です。技術的には電動4WD方式で実現可能ですが、価格とのバランスが課題になります。正式発表を待ちたいところです。
Q. トヨタ・ライズとの違いは何ですか?
A. ライズはダイハツが開発・生産するOEM車で、基本的な構造やパワートレインは共通です。違いは主にフロントデザイン、グレード構成、販売チャネルです。次期型でも、この関係は継続すると見られています。
Q. 2026年11月の改良型と次期型、どちらがおすすめですか?
A. 5人乗りで十分で、熟成された完成度を重視するなら改良型、7人乗りや最新装備を求めるなら次期型がおすすめです。詳しくは前章の判断基準を参考にしてください。
まとめ:次期ロッキーは「コンパクトSUVの新しいかたち」を示す存在に
ダイハツ・ロッキーのフルモデルチェンジは、単なるモデルの刷新にとどまりません。3列7人乗りのロッキースペースが登場すれば、「5ナンバーサイズの3列SUV」という、これまでの国内市場にはなかったジャンルを切り拓く転換点になる可能性があります。
本記事のポイント
業界関係者としての所感
46年この業界にいて感じるのは、「良いクルマを、手の届く価格で」というダイハツの姿勢が、ロッキーの成功を支えてきたということです。次期型には、認証問題を乗り越えた新しいダイハツの姿勢が問われることになります。
デザインと走りの質感を高めながら、ロッキーらしい「良品廉価」をどこまで守り抜けるのか。業界関係者として、そして一人のクルマ好きとして、正式発表の日を楽しみに待ちたいと思います。
今後も新しい情報が入り次第、本記事でお伝えしていきます。
最新動向の確認元について(記事に反映した主な情報)
記事中の「2026年11月の一部改良」は、ロッキーが2026年11月に一部改良を受けて発売される予定で、兄弟車のライズやスバル・レックスも同時期に改良されるという報道をもとにしています。改良内容は内外装デザインの大幅な変更はなく、スマートアシストの検知機能を中心にアップデートされる見込みとされています。インドネシア仕様は2025年9月17日に現地法人が発表した改良モデルで、ハニカムパターンのグリルなど若年層向けのデザイン刷新が行われ、ボディサイズは全長4030×全幅1710×全高1635mmです。ロッキースペースについては2022年12月12日に特許庁へ商標が出願されたことが報じられており、全長は4400mm程度になると予想されています。


