【徹底解説】日産新型ムラーノ(4代目)12年ぶり日本復活!796万円・左ハンドル・2.0L VCターボ×9ATの実力と注意点、ハイランダー比較まで完全網羅

新車情報

都会派プレミアムSUVの先駆けとして一時代を築いた日産「ムラーノ」が、日本に帰ってきます。

日産自動車は2026年6月3日、米国テネシー州のスマーナ工場で生産される4代目ムラーノの国内受注を開始しました。価格は消費税込み796万4,000円のモノグレードです。納車は2027年2月ごろからと見込まれています。2015年に国内販売を終えて以来、実に12年ぶりの復活となります。

私はこの業界に身を置いて46年になります。初代ムラーノが日本に上陸した2004年のことも、よく覚えています。当時、あの流麗なシルエットのSUVを初めて目にしたときの衝撃は、今でも鮮明です。その名前が、まったく新しい形で日本に戻ってくる。業界関係者として、感慨深いものがあります。

ただし、今回のムラーノは「懐かしの名前の復活」という単純な話ではありません。新しい認定制度を使った左ハンドルの逆輸入車であり、全幅1,980mmの堂々たる体躯を持ち、日本初搭載の2.0L VCターボと9速ATを組み合わせています。買う側にも、それ相応の理解と覚悟が求められるクルマです。

本記事では、カタログやプレスリリースをなぞるだけでは見えてこない部分まで、業界関係者の視点で掘り下げます。導入の背景、メカニズム、内外装、ライバル比較、そして購入前に必ず知っておくべき注意点です。

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  1. 新型ムラーノ日本導入の全体像
    1. 発表から受注開始までの時系列
    2. 日本におけるムラーノの歴史
      1. 初代(Z50型):2004年〜2008年
      2. 2代目(Z51型):2008年〜2015年
      3. 3代目(Z52型):日本未導入
      4. 4代目(Z53型):2027年、12年ぶりの国内復帰
  2. なぜ今、日産はムラーノを日本へ再導入するのか
    1. 最大の追い風「米国製乗用車の認定制度」
      1. 従来、海外専売モデルの日本導入が難しかった理由
      2. 日本導入にあたって施された主な手直し
    2. 他社も続々と追随する「逆輸入」の潮流
    3. 日本市場の「高級大型SUV需要」の成熟
    4. 日産にとっての「戦略的な意味」
  3. エクステリアデザインとボディサイズ
    1. 最新の日産デザイン言語をまとった堂々たる外観
      1. フロントマスク
      2. サイドビューとリアビュー
      3. 20インチ大径ホイール
      4. ボディカラー
    2. ボディサイズ詳細
      1. 主要寸法一覧
      2. 国産SUVとのサイズ感比較
  4. インテリアと室内空間
    1. 車名の由来を体現するプレミアムラウンジ
    2. 主なインテリアの特徴
      1. デュアル12.3インチディスプレイ
      2. ゼログラビティシート
      3. 素材と仕立ての質感
    3. 「5人乗り専用」という潔い割り切り
      1. 5人乗り専用のメリット
    4. ラゲッジスペース
  5. パワートレインと走行性能
    1. V6×CVTからの決別
    2. 日本初搭載「KR20DDET」2.0L VCターボエンジン
        1. 主要スペック
      1. VCターボとは何か
      2. 業界関係者が見るVCターボの技術的なポイント
      3. 「V6の代わり」として見たときの実力
    3. 新開発の9速AT
      1. CVTから多段ATへの変更が意味するもの
      2. 9速という多段化のメリット
    4. e-POWERではない「純ガソリン4WD」という選択
      1. この違いをどう捉えるか
    5. インテリジェント4WD
    6. 足回りとステアリング
      1. サスペンション形式
      2. 周波数感応型ダンパー
      3. 新型電動パワーステアリング
  6. 先進安全装備と運転支援システム
    1. プロパイロット(ProPILOT Assist)
    2. カメラ系の視界支援機能
      1. インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物検知機能付)
      2. インビジブルフードビュー
      3. フロントワイドビュー
    3. 予防安全機能
  7. ライバル比較:トヨタ ハイランダーとの徹底比較
    1. 同じ制度で上陸した「最大のライバル」
    2. スペック比較表
    3. 比較から見える両車の性格の違い
      1. 価格
      2. ハンドル位置
      3. 乗車定員
      4. 燃費
      5. 走りの味付け
      6. デザイン
    4. どちらを選ぶべきか
      1. トヨタ ハイランダーが向いている方
      2. 日産 ムラーノが向いている方
  8. 購入前に必ず知っておくべき注意点
    1. 左ハンドルならではの注意点
      1. 右ハンドル仕様の設定はない
      2. 日常で戸惑いやすい場面
      3. 慣れの問題と、慣れでは解決しない問題
    2. 全幅1,980mmがもたらす現実
      1. 機械式駐車場はほぼ利用不可と考える
      2. 自走式駐車場・コインパーキングでも注意
      3. 自宅駐車スペースの事前確認を
    3. インフォテインメントと車載機能の違い
      1. ウインカーレバーが左側
      2. 車載表示は英語のみ
      3. 日本で使えない機能
      4. ETCの装着
      5. 日本のWLTCモード燃費は未取得
    4. 維持費とアフターサービスの視点
      1. 自動車税
      2. 燃料はレギュラーガソリン
      3. タイヤ交換費用
      4. 部品供給とリードタイム
      5. 任意保険
  9. 新型ムラーノ 主要諸元一覧
  10. 業界関係者としての総評
    1. ムラーノは「万人向け」ではない。だからこそ価値がある
    2. 購入を検討されている方へ
    3. 日本のSUV市場に吹く新しい風

新型ムラーノ日本導入の全体像

発表から受注開始までの時系列

まずは、ここまでの流れを整理します。

  • 2026年2月:国土交通省が「米国製乗用車の認定制度」を創設
  • 2026年3月:日産がムラーノの日本導入と、2027年初頭の販売開始を予告
  • 2026年6月3日:国内での注文受付を開始(価格796万4,000円)
  • 2026年6月4日以降:日産グローバル本社ギャラリーで実車展示を開始
  • 2027年2月ごろ:国内納車開始の見込み

受注開始の時点で、日産は7月までに200台程度の注文を見込んでいると報じられました。国内の販売規模からすれば決して大きな数字ではありません。この数字自体が、ムラーノの立ち位置を物語っています。大量に売るクルマではなく、「本当に欲しい人に確実に届ける」クルマなのです。

日本におけるムラーノの歴史

ここで、ムラーノと日本市場の関係を振り返っておきます。

初代(Z50型):2004年〜2008年

初代は2002年に北米で登場しました。当初は北米専用モデルでしたが、デザインと走りの評価が高く、2004年9月に日本でも発売されました。

日産が経営再建のただ中にあった時代の象徴的なモデルの一つで、同時期のフェアレディZ(Z33型)とともに「新しい日産」を強く印象づけた存在でした。

当時の日本では、SUVといえばまだ「四駆」「クロカン」のイメージが根強い時代です。そこにセダンのような快適性とクーペのようなスタイルを持ち込んだムラーノは、まさに時代を先取りしたクルマでした。

2代目(Z51型):2008年〜2015年

2代目は初代のデザインコンセプトを継承しつつ、質感を大きく高めて登場しました。日本ではこの2代目が2015年まで販売され、ムラーノの国内史はいったん幕を下ろします。

3代目(Z52型):日本未導入

2014年に登場した3代目は、北米を中心とする海外専売モデルとなり、日本には導入されませんでした。業界内でも「あのデザインなら日本でも売れるのに」という声は少なくありませんでした。しかし、右ハンドル化や国内法規への対応にかかるコストに対して、見込める販売台数が見合わなかったのです。

4代目(Z53型):2027年、12年ぶりの国内復帰

そして2024年秋に北米で発表された4代目が、今回の主役です。

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なぜ今、日産はムラーノを日本へ再導入するのか

最大の追い風「米国製乗用車の認定制度」

今回の導入を語るうえで、絶対に外せないのが**2026年2月に国土交通省が創設した「米国製乗用車の認定制度」**です。

この制度は日米間の通商交渉を踏まえて生まれたもので、米国の安全基準に適合している米国製乗用車について、日本での追加試験を課さずに販売できる道を開きました。

業界関係者として率直に申し上げますと、これはかなり大きな転換です。

従来、海外専売モデルの日本導入が難しかった理由

これまで、海外向けモデルを日本で販売するには、主に次のようなハードルがありました。

  • 日本の保安基準に適合させるための設計変更・部品変更
  • 衝突安全や排出ガスなどに関する国内での試験・認証手続き
  • 右ハンドル化に伴う大規模な設計・生産ラインの変更
  • これらのコストを回収できるだけの販売台数の確保

年間数百台規模しか見込めないモデルの場合、これらのコストはまず回収できません。だからこそ3代目ムラーノは、日本の土を踏むことがありませんでした。

新制度によって試験・認証面のハードルが大きく下がり、**「左ハンドルのまま、最小限の手直しで持ち込む」**という選択肢が現実的になりました。ムラーノはその恩恵を受けた代表例です。

日本導入にあたって施された主な手直し

「そのまま持ってきた」とはいえ、まったく手を加えていないわけではありません。主に次のような対応が施されています。

  • 左側通行に合わせたヘッドランプ配光の変更
  • プロパイロットなど運転支援機能の国内適合調整
  • 発炎筒の追加
  • 日本のナンバープレートに合わせたブラケットの追加

逆に言えば、これ以外の部分は基本的に北米仕様のままです。この点が、後述する注意点に直結してきます。

他社も続々と追随する「逆輸入」の潮流

この制度を活用しているのは日産だけではありません。

トヨタは2026年4月から、米国生産のピックアップトラック「タンドラ」と3列シートSUV「ハイランダー」を販売しています。当初は東京エリアでの先行販売で、8月からは全国展開となりました。ホンダも米国生産モデルの導入を計画していると報じられており、スバルの大型SUVについても日本導入の観測が出ています。

つまり2026年は、国産メーカーの「米国製モデル」が一斉に日本へ上陸し始めた元年と言えます。ムラーノはトヨタの2車種に続く形で、この流れに加わりました。

日本市場の「高級大型SUV需要」の成熟

もう一つの背景が、日本市場そのものの変化です。

初代ムラーノが登場した2000年代前半、800万円クラスの大型SUVを国産ブランドで買うという発想は、まだ一般的ではありませんでした。

ところが現在はどうでしょうか。

  • トヨタ ランドクルーザー(250/300)
  • レクサス RX、LX
  • マツダ CX-80
  • トヨタ ハリアーの上級グレード

こうしたモデルが当たり前のように売れ、納期待ちが発生する時代です。高価格帯・大型SUVへの需要は確実に成熟しています。

業界の現場感覚としても、「人とかぶらない一台が欲しい」「輸入車ほど維持に不安がなく、それでいて特別感のあるクルマが欲しい」というお客様は、確実に増えています。

ムラーノは、まさにそうした層の受け皿になり得る存在です。国産ブランドのアフターサービス網を背景に持ちながら、アメ車的な存在感を味わえる。この立ち位置は、意外と他に代わりがありません。

日産にとっての「戦略的な意味」

業界関係者として、もう一つ付け加えておきたい視点があります。

日産は国内の登録車販売で苦戦が続いており、2026年はエルグランドの全面刷新、キックスの投入などで商品ラインナップの立て直しを図っています。

ムラーノはその中で、台数を稼ぐ主力車種ではなく、ブランドの「格」と「話題性」を担う存在です。ショールームに一台置いてあるだけで、来場のきっかけになります。こうした「看板商品」としての役割も、今回の導入の大きな狙いだと私は見ています。

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エクステリアデザインとボディサイズ

最新の日産デザイン言語をまとった堂々たる外観

4代目ムラーノのエクステリアは、ひと目で「新世代の日産」とわかるデザインです。

フロントマスク

最新の日産車に共通する、立体的で精緻なパターンのグリルを採用しています。薄型のLEDヘッドライトとシグネチャーランプが横一文字に連なり、ワイドで低く構えた印象を強調しています。

歴代ムラーノは、いずれも「顔」で強烈な個性を主張してきました。4代目もその系譜をしっかり受け継ぎつつ、よりモダンで洗練された方向へ進化しています。

サイドビューとリアビュー

SUVでありながら、後方へ向かって緩やかに流れ落ちるルーフラインは、まさに「ムラーノらしさ」の真骨頂です。初代から続く、クーペライクなシルエットへのこだわりが感じられます。

リアは左右に大きく広がる薄型LEDコンビネーションランプが特徴で、車幅の広さをより強調するデザインです。

20インチ大径ホイール

足元には**20インチアルミホイール(タイヤサイズ255/55R20)**を標準装備しています。このボディサイズに対して20インチは決して過剰ではなく、むしろ全体のバランスを引き締める重要な要素になっています。

ボディカラー

日本仕様では3色が設定されています。

  • ターコイズブルー(ムラーノのイメージを象徴する、鮮やかで深みのある青)
  • プリズムホワイト
  • スーパーブラック

個人的には、ターコイズブルーを強くおすすめします。このクルマを選ぶ方は「他人とかぶらない存在感」を求めているはずです。せっかくなら、その個性を最大限に表現できる色を選んでいただきたいと思います。

ボディサイズ詳細

主要寸法一覧

項 目数 値
全長4,900mm
全幅1,980mm
全高1,725mm
ホイールベース2,825mm
車両重量1,945kg
最小回転半径5.6m
乗車定員5名(2列シート)

国産SUVとのサイズ感比較

米国ではミッドサイズに分類されるムラーノですが、日本の感覚では明らかにラージサイズです。

現行エクストレイルと比べると、全長で210mm、全幅で140mm大きく、ホイールベースは120mm長くなります。全幅約2mというのは、ランドクルーザーやCX-80と同等クラスです。

ムラーノのサイズを語るうえで、業界関係者として特に強調しておきたいのが、全長よりも全幅1,980mmという数字です。これは国内の駐車環境において、非常に大きな意味を持ちます。詳しくは後述の注意点で解説します。

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インテリアと室内空間

車名の由来を体現するプレミアムラウンジ

「ムラーノ」という車名は、イタリア・ヴェネツィアのガラス工芸で名高いムラーノ島に由来します。職人の手仕事による芸術性と温かみは、歴代モデルのインテリアにも通じる重要なテーマです。

4代目のインテリアも、その精神をしっかり受け継いでいます。

主なインテリアの特徴

デュアル12.3インチディスプレイ

ダッシュボードには、12.3インチのメーターディスプレイと12.3インチのセンターディスプレイを水平に連続配置しています。視線移動が少なく、情報の一覧性が高いレイアウトです。

ゼログラビティシート

日産が長年磨き上げてきた「ゼログラビティシート」は、人間の自然な姿勢を研究して生まれたシートです。骨盤から胸までを連続的に支えることで、長時間運転での疲労を軽減します。

業界関係者としての経験から申し上げると、日産のシートの出来は、長距離を走ってみるとよくわかります。最初の30分ではなく、2時間、3時間と乗り続けたときに差が出るのです。

素材と仕立ての質感

ダッシュボードやドアトリムにはステッチ処理が施され、アンビエントライトとの組み合わせで上質な空間を演出しています。北米市場では、ムラーノは日産ブランドの中で上級寄りのポジションを担うモデルです。その立場にふさわしい仕立てになっています。

「5人乗り専用」という潔い割り切り

ムラーノは3列シートを設定しない5人乗り専用です。

これはライバルのハイランダー(7人乗り)と比べて弱点に見えるかもしれません。しかし、業界関係者の立場から申し上げると、これは明確なメリットでもあります。

5人乗り専用のメリット

  • 後席の足元空間(ニールーム)にゆとりを確保できる
  • 3列目を持たない分、荷室を広く、使いやすい形状にできる
  • 3列目のための床下構造が不要で、荷室床面がフラットで扱いやすい

実際のところ、3列シートSUVをお使いのお客様の多くは、3列目を「年に数回しか使わない」とおっしゃいます。普段は大人2〜4人で使うというご家庭なら、5人乗りに割り切って後席と荷室の快適性を取る方が、満足度は高くなるケースが多いと感じています。

ラゲッジスペース

項 目数 値
荷室容量(通常時)約932L
荷室容量(後席格納時)約1,798L
荷室奥行き(通常時)約620mm
荷室奥行き(後席格納時)約1,550mm

※荷室容量は計測方法により数値が異なるため、目安としてご覧ください。

通常時でも9.5インチのゴルフバッグを3個積載できるとされており、ゴルフやアウトドアなど、趣味を楽しむ大人の使い方に十分応えられる容量です。

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パワートレインと走行性能

ここからは、業界関係者として最も語りたい部分です。4代目ムラーノは、パワートレインが根本から変わりました。

V6×CVTからの決別

歴代ムラーノといえば、3.5L V6エンジンとCVTの組み合わせが代名詞でした。日本で販売された初代・2代目も、V6エンジンの余裕ある走りが大きな魅力でした。

しかし4代目では、この組み合わせを完全に廃止しました。

項目3代目まで(北米)4代目
エンジン3.5L V62.0L 直4 VCターボ
トランスミッションCVT9速AT

ダウンサイジングターボ化と多段ATへの移行です。時代の流れと言ってしまえばそれまでですが、その中身は非常に意欲的です。

日本初搭載「KR20DDET」2.0L VCターボエンジン

主要スペック
項目数値
エンジン型式KR20DDET
形式直列4気筒DOHCターボ(可変圧縮比)
総排気量1,997cc
最高出力180kW(245PS)/5,600rpm
最大トルク352N・m(35.9kgf・m)/4,400rpm
使用燃料無鉛レギュラーガソリン

VCターボとは何か

VCターボ(Variable Compression Turbo)は、日産が約20年かけて量産化にこぎつけた可変圧縮比エンジンです。

通常のエンジンは、ピストンが上下する範囲が固定されており、圧縮比(シリンダー内の混合気をどれだけ圧縮するか)は一定です。

圧縮比には、次のようなトレードオフがあります。

  • 高圧縮比:熱効率が良く燃費に有利。ただし高負荷時にノッキングが起きやすい
  • 低圧縮比:ターボで過給しても安定してパワーを出せる。ただし低負荷時の効率は落ちる

従来のエンジン設計者は、このどちらかで「妥協点」を探るしかありませんでした。

VCターボはこの常識を覆しました。マルチリンク機構と呼ばれる特殊なリンク機構でピストンの上死点の位置を連続的に変化させ、圧縮比を8.0から14.0の間で自在に制御するのです。

  • 街乗りや高速巡航など低負荷時:高圧縮比(最大14.0)で効率重視
  • 加速時など高負荷時:低圧縮比(最小8.0)でターボの過給を最大限に活かす

つまり、1基のエンジンで「燃費のいいエンジン」と「パワーのあるエンジン」の二役をこなすわけです。

業界関係者が見るVCターボの技術的なポイント

整備の観点から少し補足します。

VCターボのマルチリンク機構は、通常のエンジンのコンロッドとクランクの間に複数のリンクを介在させ、それをアクチュエーターで制御する構造です。部品点数が多い分、懸念されるのは耐久性と振動ですが、この機構には副次的なメリットもあります。リンクの動きによって、ピストンの上下動をより理想的な軌跡に近づけられるのです。その結果、直列4気筒エンジン特有の二次振動が抑えられ、本来バランサーシャフトが必要になる振動対策を簡素化できるとされています。

オーナーとして意識していただきたいのは、エンジンオイルの管理です。ターボエンジンで、なおかつ精密なリンク機構を持つエンジンです。指定粘度・指定規格のオイルを、指定のサイクルで交換することが、長く調子を保つための基本中の基本になります。「ターボ車はオイル管理がすべて」というのは、私が若い頃から現在まで一貫して変わらない鉄則です。

「V6の代わり」として見たときの実力

245PS/352N・mという数値は、従来の3.5L V6(北米仕様で260PS前後)と比べると、最高出力ではわずかに下回ります。しかし最大トルクは上回っています。

しかもターボエンジンは、低い回転域から厚みのあるトルクを発生します。日常域での「力強さ」の体感は、むしろV6を上回る場面も多いはずです。日本の道路環境で多用する発進・中間加速では、このトルク特性が大きな武器になります。

新開発の9速AT

CVTから多段ATへの変更が意味するもの

日産は長年CVTを積極的に採用してきたメーカーです。そのムラーノがCVTを捨て、9速ATを選んだ。これは業界的にも注目すべき変化です。

CVTは無段階に変速比を変えられるため、効率面では優れています。一方で、アクセル操作に対して回転だけが先に上がり、加速が遅れてついてくるような感覚(いわゆるラバーバンドフィール)を嫌うドライバーも少なくありません。また、大トルクのターボエンジンとの組み合わせでは、ベルトの許容トルクにも限界があります。

9速ATはギアで確実に動力を伝えるため、アクセル操作と加速の一体感、ダイレクト感に優れています。北米メディアの試乗レポートでも、変速の自然さとダイレクト感の向上は特に高く評価されています。

9速という多段化のメリット

  • 1速を低く設定して力強い発進加速を得られる
  • 最上段を高く設定して、高速巡航時のエンジン回転を低く抑えられる
  • ギア間のステップが細かく、変速ショックが小さい
  • 常にエンジンの美味しい回転域を使いやすい

パドルシフトも装備されているため、ワインディングや下り坂でのエンジンブレーキ活用など、ドライバーの意思で積極的に操る楽しさも備えています。

e-POWERではない「純ガソリン4WD」という選択

近年の日産といえば、e-POWERを思い浮かべる方が多いと思います。エクストレイルやセレナ、新型エルグランドなど、国内の主力モデルはe-POWERが中心です。

しかしムラーノはe-POWERを搭載しない純ガソリン車です。

この違いをどう捉えるか

e-POWERは、エンジンで発電した電気でモーターを回して走る方式です。モーター駆動ならではの静かでなめらかな加速が魅力です。

一方のムラーノは、エンジンの力を9速ATを介して直接タイヤに伝えます。エンジンの回転上昇とともに速度が伸びていく、**内燃機関らしい「操っている感覚」**を味わえるのが最大の特徴です。

どちらが優れているという話ではありません。クルマに何を求めるかによって、評価は大きく分かれます。ただ、電動化が急速に進む今の時代だからこそ、「純ガソリン車の大型SUVに乗れるうちに乗っておきたい」という方にとって、ムラーノは貴重な選択肢になると思います。

インテリジェント4WD

日本仕様は4WDのみの設定です。

インテリジェント4WDは、電子制御カップリングによって前後輪へのトルク配分を状況に応じて最適化するシステムです。乾いた路面では前輪主体で効率よく走り、発進時や滑りやすい路面では後輪にも積極的に駆動力を配分します。

降雪地域のお客様はもちろん、雨の日の高速道路や、大トルクのターボエンジンで発進する際のトラクション確保という意味でも、4WDのみの設定は理にかなっています。

足回りとステアリング

サスペンション形式

  • フロント:ストラット式
  • リア:マルチリンク式

周波数感応型ダンパー

注目すべきは周波数感応型ダンパーの採用です。

一般的なダンパーは、硬さ(減衰力)が基本的に一定です。乗り心地を重視して柔らかくすると、カーブでの踏ん張りが弱くなります。逆に操縦安定性を重視して硬くすると、路面の細かい凹凸を拾ってゴツゴツした乗り心地になります。

周波数感応型ダンパーは、入力の周波数(揺れの速さ)に応じて減衰力を自動的に切り替える機構を持っています。

  • 路面の細かい凹凸など高周波の入力 → 柔らかく受け流して乗り心地を確保
  • 車体のロールやうねりなど低周波の入力 → しっかり減衰して姿勢を安定

電子制御を使わずに機械的な構造でこれを実現しているため、故障リスクが少なく、長期的なメンテナンス面でも安心感があるのがポイントです。

新型電動パワーステアリング

ステアリングには新型の電動パワーステアリングを採用しています。低速域では軽く、高速域ではしっかりとした手応えを持たせています。大柄なボディを意のままに操れるよう調律されています。

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先進安全装備と運転支援システム

プロパイロット(ProPILOT Assist)

高速道路などで、先行車との車間距離を保ちながら追従し、車線の中央を走るようステアリング操作を支援します。長距離ドライブの疲労軽減に大きく貢献する機能です。

日本導入にあたっては、国内の道路環境に合わせた適合調整が施されています。

カメラ系の視界支援機能

ムラーノの安全装備で特に注目していただきたいのが、充実したカメラ系の視界支援機能です。大柄なボディのクルマにとって、これらは「あったら便利」ではなく「必須」と言ってもいい装備です。

インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物検知機能付)

車両を真上から見下ろしたような映像を表示し、駐車時や狭い場所での取り回しを支援します。周囲の移動物を検知して知らせる機能も備えています。

インビジブルフードビュー

カメラ映像を合成して、本来ボンネットに隠れて見えない車両直下・前方の路面をディスプレイに映し出す機能です。

縁石や輪止め、路面の段差などを確認しながら進めるため、20インチの大径ホイールを傷つけるリスクも大幅に減らせます。全幅2m近いクルマで狭い道や駐車場を走る際、非常に心強い機能です。

フロントワイドビュー

見通しの悪い交差点やT字路で、左右から近づく車両や歩行者を広角カメラの映像で確認できます。

左ハンドル車は、日本の道路では右側の視界確保に工夫が必要です。その意味でも、この機能の価値は大きいと言えます。

予防安全機能

  • インテリジェント エマージェンシーブレーキ
  • 前方衝突予測警報
  • 後側方衝突防止支援
  • 後退時車両検知警報
  • 車線逸脱防止支援

全方位の安全支援機能が網羅されています。

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ライバル比較:トヨタ ハイランダーとの徹底比較

同じ制度で上陸した「最大のライバル」

ムラーノを検討する方が必ず比較対象にするのが、同じ米国製乗用車の認定制度を活用して導入されたトヨタ ハイランダーです。

ハイランダーは米国インディアナ工場で生産される3列シートSUVです。かつて日本では「クルーガー」の名前で2000年から2007年まで販売されていたモデルの系譜にあたります。

スペック比較表

比較項目日産 ムラーノ(SV)トヨタ ハイランダー(Limited ZR Hybrid)
車両本体価格(税込)7,964,000円8,600,000円
生産工場米国テネシー州米国インディアナ州
パワートレイン2.0L 直4 VCターボ+9速AT2.5L 直4ハイブリッド(E-Four)
最高出力245PSエンジン193PS(システム出力はより高い)
駆動方式4WD4WD(E-Four)
全長×全幅×全高4,900×1,980×1,725mm4,950×1,930×1,730mm
ホイールベース2,825mm2,850mm
車両重量1,945kg2,060kg
乗車定員5名7名
ハンドル位置左右
燃費の目安(米国EPA複合値換算)約9.8km/L約14.9km/L

※燃費は米国EPA複合値を換算した参考値であり、日本のWLTCモード燃費ではありません。

比較から見える両車の性格の違い

価格

ムラーノの方が約64万円安い設定です。800万円クラスの買い物とはいえ、この差は決して小さくありません。

ハンドル位置

業界関係者として、最も大きな違いだと考えるのがここです。ハイランダーは右ハンドルで導入されていますが、ムラーノは左ハンドルのみです。

日常の使い勝手という点では、右ハンドルのハイランダーに分があるのは間違いありません。

乗車定員

7人乗れるハイランダーに対し、ムラーノは5人乗り専用です。3列目が必要なご家庭なら、選択肢はハイランダー一択になります。

燃費

ハイブリッドのハイランダーが有利です。年間走行距離が多い方ほど、この差は維持費に効いてきます。

走りの味付け

ムラーノは、ターボエンジンと9速ATによるダイレクトでパワフルな加速感が持ち味です。ハイランダーは、ハイブリッドならではの静かでなめらかな走りが持ち味です。「運転する楽しさ」を重視するならムラーノ、「穏やかで効率的な移動」を重視するならハイランダー、というのが私の見立てです。

デザイン

ここは完全に好みの世界です。ただ、クーペライクで流麗なムラーノと、力強くタフな印象のハイランダーでは、方向性がはっきり異なります。

どちらを選ぶべきか

トヨタ ハイランダーが向いている方

  • 3列シート・7人乗りが必要な方
  • 燃費性能を重視する方
  • 右ハンドルの使い勝手を譲れない方
  • 静かでなめらかなハイブリッドの走りが好みの方

日産 ムラーノが向いている方

  • 乗車は最大5人で十分な方
  • 後席と荷室のゆとりを重視する方
  • ダイレクトで力強いターボの加速感を楽しみたい方
  • 左ハンドルを「個性」として楽しめる方
  • 人とかぶらない、流麗で存在感のあるデザインを求める方
  • 同クラスの中で少しでも価格を抑えたい方
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購入前に必ず知っておくべき注意点

ここからは、業界関係者として最もお伝えしたい部分です。

ムラーノは魅力的なクルマですが、北米仕様をほぼそのまま導入しているがゆえの注意点がいくつもあります。購入後に「こんなはずじゃなかった」とならないよう、契約前に必ず確認してください。

左ハンドルならではの注意点

右ハンドル仕様の設定はない

ムラーノは左ハンドルのみの設定です。右ハンドルを選ぶことはできません。

日常で戸惑いやすい場面

左ハンドル車を日本で使う際、特に戸惑いやすいのは次のような場面です。

  • 有料道路の料金所:ETCレーンが使えない場面や、一般レーンでの現金・カード支払い
  • 駐車場の発券機・精算機:機械が右側にあるため、手が届かず降車が必要になることも
  • ドライブスルー:受け渡し窓口が右側のため、同様の不便がある
  • 右折時の対向車確認:運転席が左にあるため、対向車線の見通しが悪くなる
  • 追い越し時の前方確認:前走車の右側から前方をのぞき込みにくい

特に駐車場の精算機については、全幅1,980mmのボディとの組み合わせで、機械に十分寄せきれないケースが想像以上に多くなります。

慣れの問題と、慣れでは解決しない問題

長年この業界におりますと、輸入車の左ハンドルに乗るお客様を数多く見てきました。多くの方は、数週間から数か月で運転そのものには慣れていかれます。

ただし、精算機やドライブスルーのような「設備側の問題」は、慣れでは解決しません。日常的にこうした施設を多く利用される方は、その頻度を一度冷静に振り返っていただくことをおすすめします。

全幅1,980mmがもたらす現実

機械式駐車場はほぼ利用不可と考える

一般的な機械式駐車場の多くは、全幅1,850mm前後を上限としています。全幅1,980mmのムラーノは、ほとんどの機械式駐車場に入庫できないと考えておくべきです。

自宅マンションの駐車場が機械式の場合や、勤務先・よく行く商業施設の駐車場が機械式の場合は、事前に必ず寸法制限を確認してください。

自走式駐車場・コインパーキングでも注意

自走式の駐車場であっても、区画幅が狭い場合はドアの開閉スペースが十分に取れないことがあります。

また、ドアミラー展開時の幅は約2,230mmに達します。ドアミラーは手動格納式です。日本車では当たり前の電動格納ではない点にも注意が必要です。狭い場所ですれ違う際や駐車時に、いちいち手で畳む必要があります。

自宅駐車スペースの事前確認を

ご自宅の駐車スペースについても、次の点を事前に実測されることを強くおすすめします。

  • 駐車スペースの幅(ドアの開閉スペースを含めて)
  • 前面道路の幅と、入庫時の切り返しのしやすさ
  • 門柱や塀との距離

インフォテインメントと車載機能の違い

ウインカーレバーが左側

北米仕様のため、左レバーがウインカー・ライト、右レバーがワイパーになります。国産車に慣れた方は、最初のうち、曲がろうとしてワイパーを動かしてしまうことが必ずあります。これは輸入車あるあるですが、慣れるまでは意識しておきましょう。

車載表示は英語のみ

メーターやセンターディスプレイの表示は日本語に対応しておらず、英語表示になります。

ただし、Apple CarPlayおよびAndroid Autoを接続すれば、スマートフォンのナビアプリなどは日本語で表示できます。実質的には、スマートフォン連携を前提にお使いいただくクルマと考えてよいでしょう。

日本で使えない機能

次の機能は、日本では利用できません。

  • NissanConnectサービス(コネクテッドサービス)
  • SOSコール
  • 地上デジタルテレビ
  • AM/FMラジオ

ラジオが使えない理由について、技術的な背景を少し補足します。北米と日本では、FM放送の周波数帯が大きく異なります。日本のFMは主に76〜95MHz帯ですが、北米は88〜108MHz帯です。AM放送も、周波数の刻み幅(ステップ)が日本と北米で異なります。北米仕様の受信機をそのまま使っても、日本の放送をまともに受信できないのはこのためです。

ラジオを日常的に聴く方は、スマートフォンのラジオアプリをCarPlay/Android Auto経由で使うなどの代替手段を検討しておきましょう。

ETCの装着

ETC車載器の装着位置や方法、ETC2.0への対応については、契約時に販売店で必ず確認してください。左ハンドル車では、アンテナや本体の取り付け位置に工夫が必要になる場合があります。

日本のWLTCモード燃費は未取得

ムラーノは、日本のWLTCモードによる燃費認証値を取得していません。燃費の目安を知りたい場合は、米国EPAの数値を参考にすることになります。

維持費とアフターサービスの視点

ここからは、整備の観点も含めた業界関係者としてのアドバイスです。

自動車税

総排気量は1,997ccで、「1.5L超2.0L以下」の区分です。2019年10月以降に新規登録された自家用乗用車であれば、自動車税(種別割)は年額36,000円です。800万円クラスのSUVとしては、税金面ではかなり有利な部類と言えます。V6の3.5Lであれば、ここが大きく変わっていたところです。

燃料はレギュラーガソリン

輸入車や大排気量車ではハイオク指定が多い中、ムラーノはレギュラーガソリン仕様です。燃費の数字自体はハイブリッド車に劣りますが、燃料単価の面では助かります。

タイヤ交換費用

255/55R20というサイズは、決して安いタイヤではありません。銘柄にもよりますが、4本交換となるとそれなりの出費を見込んでおく必要があります。降雪地域でスタッドレスタイヤを用意する場合も、インチダウンの可否を含めて事前に検討しておきましょう。

部品供給とリードタイム

米国生産車である以上、補修部品の一部は米国からの取り寄せになる可能性があります。日常的な消耗品は問題ないと思われます。ただ、外装部品などは、事故修理の際に国内専用車より部品の到着に時間がかかるケースも想定しておくべきです。

これは輸入車全般に言えることで、ムラーノに限った話ではありません。それでも、全国の日産販売網で整備・修理を受けられるという安心感は、一般的な輸入車と比べたときの大きなアドバンテージです。

任意保険

新しい導入形態の車両のため、任意保険の型式別料率クラスなどの扱いについては、契約前に保険会社や代理店に確認しておくと安心です。

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新型ムラーノ 主要諸元一覧

項 目詳 細
車名日産 ムラーノ(4代目)
グレードSV(モノグレード)
メーカー希望小売価格7,964,000円(消費税込み)
生産工場北米日産 スマーナ工場(米国テネシー州)
ハンドル位置左
全長×全幅×全高4,900×1,980×1,725mm
ホイールベース2,825mm
車両重量1,945kg
最小回転半径5.6m
乗車定員5名
エンジン型式KR20DDET
エンジン形式直列4気筒DOHC 可変圧縮比ターボ
総排気量1,997cc
最高出力180kW(245PS)/5,600rpm
最大トルク352N・m(35.9kgf・m)/4,400rpm
トランスミッション9速AT(パドルシフト付)
駆動方式4WD(インテリジェント4WD)
使用燃料無鉛レギュラーガソリン
サスペンション(前/後)ストラット式/マルチリンク式
タイヤサイズ255/55R20
ボディカラーターコイズブルー、プリズムホワイト、スーパーブラック
受注開始2026年6月3日
納車開始(見込み)2027年2月ごろ
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業界関係者としての総評

ムラーノは「万人向け」ではない。だからこそ価値がある

最後に、46年この業界に身を置いてきた者として、率直な評価をお伝えします。

新型ムラーノは、決して万人におすすめできるクルマではありません。

  • 左ハンドルのみ
  • 全幅1,980mm
  • 車載表示は英語のみ
  • ラジオやコネクテッドサービスが使えない
  • 価格は約800万円

これだけの条件が並べば、多くの方にとって選択肢から外れるのは当然です。

しかし、裏を返せば、これらすべてを理解したうえで「それでもこのクルマに乗りたい」と思える方にとって、ムラーノはほかに代わりのない一台になります。

国産ブランドの販売・整備網という安心感がある。それでいて、北米のプレミアムSUVを、ほぼ現地のままの姿で味わえる。日本初の可変圧縮比ターボと9速ATが生む、純ガソリン車ならではのダイレクトな走りもある。そして、街で同じクルマとすれ違うことはまずないであろう希少性。

これは、日本の国内向けモデルでも、一般的な輸入車でも、なかなか手に入らない価値の組み合わせです。

購入を検討されている方へ

もし本気でムラーノの購入を検討されているなら、次の手順をおすすめします。

  1. 自宅や勤務先、よく使う駐車場の寸法を実測する
  2. 実車展示などで、運転席に座って左ハンドルの感覚を確かめる
  3. 日常的に使う施設(料金所、駐車場の精算機、ドライブスルーなど)を洗い出す
  4. ラジオやナビをどう使うか、スマートフォン連携の運用をイメージする
  5. ハイランダーなど競合車とも比較し、自分の使い方に合うかを見極める

これらをクリアしたうえで選ぶムラーノは、きっと長く愛せる相棒になるはずです。

日本のSUV市場に吹く新しい風

米国製乗用車の認定制度によって、2026年は国産メーカーの「米国生まれのクルマ」が次々と日本に上陸し始めました。ムラーノはその流れの中で、日産が送り出した最初の一台です。

かつて時代を先取りしすぎた初代ムラーノが、日本のSUVの概念を変えたように、4代目ムラーノもまた、日本の大型SUV市場に新しい選択肢と刺激をもたらしてくれることを、業界関係者の一人として楽しみにしています。

2027年、日本の道を走り始めるターコイズブルーのムラーノ。その姿を目にする日が、今から待ち遠しくてなりません。