あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
2025年は日産を筆頭に日本の自動車産業がこれまでにない危機に瀕している中、日本の基幹産業が海外資本に狙われようとしています。
当ブログにて業界のネガティブ要素となる内容については極力扱ってきませんでしたが、流石に2025年は「避けては通れない問題」となってきました。自動車業界人の一意見として新年初の記事ですが様々な観点から問題点を探っていきたいと考えます。
日産減益に関する問題点
日産自動車の減益は、自動車業界を取り巻く環境の変化や、同社の経営戦略における課題が複合的に絡み合って発生していると考えられます。
減益の原因と考えられる主な問題点
グローバル市場における競争激化
- 電気自動車(EV)シフトの失敗: 世界的にEVへのシフトへの煽りが加速する中、日産はEV開発において世界の競合他社に遅れを取ってしまった。
- 中国市場の低迷: 中国市場は世界最大のEV市場ですが、競争が激化しており、日産は苦戦を強いられています。
- 新興国の台頭: 新興国の自動車メーカーが品質を向上させ、コスト競争力を高めてきているため、日産のシェアが低下してしまった。
内燃機関中心のモデルラインナップ不足
- EVシフトへ対応ミス:EVへのシフトを加速する中で、内燃機関車中心のモデルラインナップが無くなり、日産がHYBRIDの対応をしてこなかった為、市場のニーズと合致しなくなってきた。既存日産ユーザーのニーズを吸い上げることが出来なかった。
- 技術革新の遅れ:新しい技術の導入や、既存モデルの改良が遅れているとの指摘もあります。
経営戦略の迷走
- カルロス・ゴーン氏の影響:前会長のカルロス・ゴーン氏の経営戦略が、必ずしも成功しているとは言えず、その影響が現在も尾を引いている可能性があります。ゴーン氏退陣以降も経営体質が全く変わっておらず旧態依然の経営方針が変わっていないという指摘があります。
- 組織の混乱:経営トップの交代や組織改革が頻繁に行われた為に組織が混乱している。
販売奨励金の増加
- 競争激化による販売促進:販売競争が激化する中で、販売奨励金を増やすことで販売台数を確保しようとする戦略が、収益性を悪化させている可能性があります。
販売力の低下
店頭販売に於ける販売力の低下。商談技術やユーザー目線での販売意識の低下が指摘されています。ただ店頭販売の本音に於いては「売るクルマが無い」といった苦しい事情もあります。「サクラ」のユーザー離れも顕著である心理的な景況も大きいと考えられます。
日産・ホンダ経営統合、ホンダにメリットはあるのか
前会長のカルロス・ゴーン氏の意見
ホンダと日産の補完性はゼロです。
同じ分野で強みを持ち、同じ分野で弱みを持っている
産業的には私にとって理解不能です。
と指摘しています。
沈みゆく船、日産を救ってもホンダに意味は無い
本来、ホンダは日産買収など考えもしていなかった。ホンダも昨年は大幅な減収減益となっています。そんな中でホンダから進んで合併(日産救済)の働きかけをするなど考えにくい筈です。
課題とリスク
- 企業文化の違い: 両社の企業文化が異なるため、統合に時間がかかり、摩擦が生じる可能性があります。
- ブランドイメージの損失: ブランドイメージの統合がうまくいかず、両社のブランドイメージが希薄になる可能性があります。
- 従業員の雇用調整: 統合に伴い、人員整理が行われる可能性があり、従業員のモチベーション低下につながる可能性があります。
合併に至る経緯、フォックスコンと経産省の影
本題に入ります。
日産の資金力が枯渇していく中で、台湾に本社をもつ鴻海精密工業が
フォックスコンは、台湾の鴻海精密工業を中核とする企業グループである。台湾では鴻海・テクノロジー・グループ、中国本土ではフォックスコン・テクノロジー・グループとして知られる。電子機器の生産を請け負う電子機器受託生産 では世界最大の企業グループである。 鴻海精密工業の屋号としても使用されている。 ウィキペディア
日産を買い取る動きがささやかれています。
日本の基幹産業、貿易黒字の70%以上を占める自動車産業の一角を海外資本に買収される。フォックスコンと言えば元日本のシャープを買収し子会社として傘下にしている中国と裏で繋がっている企業です。凄まじい経営合理化の元、利益中心コスト削減を進めてきた結果、巨大企業へと成長してきた経緯があります。
このフォックスコンが日産に対して買収の手を上げたということで世界中の話題となっています。国家として日本の基幹産業を見す見す海外企業に明け渡すことはできませんので、経産省がホンダに働きかけを行いホンダに対しても「お土産」的な救済を約束しているのではないかという情報が流れています。
であるならばホンダの動きも納得がいくし、その後新たに三菱自動車が合併に名乗りを上げてきたことも上記の流れからすると理解ができます。
ルノーが今保有している日産株をフックスコンは、ルノーに「自分が買います」という風に声をかけているけれどもルノーは満更でもないという顔をしている。そういった反応を見てホンダ側は仮にこの日産株をフォックスコンに譲るようなことがあったならば「今後のEVでの提携も白紙撤回する」という風な不快感を示しているのでホンダはフォックスコンに対して警戒感を示してる。
取締役クラスに日本の国益を考えない人を入れていいのか、そしてグローバリズムとしてEVの推進によって日本が弱体化をすると警鐘を鳴らしておかなければなりません。
このままでは、日産をホンダが救済し三菱が更に便乗をする。経産省も本気でバックアップをしていく流れを考えていかないと丸ごと中国に買われていくという最悪の結果となりかねないのです。
下請け業者の数 ホンダ:2万2465社、 日産:1万9084社
自動車産業全体の下請け作業従事者 550万人
EVは部品点数も極端に少なく、簡単に作れます。電動カートの延長に過ぎません
集中豪雪と激寒の国、日本
世界一のEV先進大国スウェーデンの現状
・北極圏に近く緯度は高いが、雪は比較的少なく最大降雪記録は日本の2/5
・人口は1052万人で日本の1/10
・EV充電器の数は日本の20倍。既にインフラが整っている
国策で支えられているからこそ実現できているEV市場。日本では不可能な環境
「2035年ガソリン車禁止」を世界に先駆けて日本が撤回を表明するべきです。