本年末より順次タブレット端末による次期セットアップシステムに大きく変更されされます。事前説明会も順次開催されている模様です。
各セットアップ事業所においてはセットアップ担当社員教育や事前準備向けての対策も必要かと思われます。
今回は、セットアップ管理情報サイトにて紹介されている説明資料(動画)を基に販売店スタッフ始め関係各位に事前情報として周知して頂ける内容として書かせて頂きました。
重要点として次期セットアップシステムによる登録店の課題とは以下の2点です
・登録店全店舗にIPsec-VANに対応するWi-Fi環境が必須となること
・円滑な納車時のセットアップ方法の考察
ディーラーや販売店、登録店に於いてネットワーク環境やセットアップ手法は異なります。
各店舗に於けるご参考になれば幸いです
IPsec-VANについて最後に補足解説しております。ご参照下さい
大きく変わる3つのセットアップ手順
次期セットアップシステムに於いて大きく変更される内容が3つあります。
セットアップに使用する機器の変更
現在は店舗のPC端末にセットアップシステムをインストールしてセットアップを行っていましたが、時期セットアップシステムではITS-TEAより貸与された専用タブレットにてセットアップを行うようになります。
貸与機器の変更
<次期セットアップシステムに使用可能なWi-Fiについて>
次期セットアップシステムの専用端末を接続するWi-Fi機器は以下の要件に合致している必要があります。
※ 専用端末とは、 次期セットアップシステム専用の設定を施したAndroidタブレットとなります。
タブレット自体は貸与機器として配備いたしますので、 セットアップ登録店でご準備いただく必要はありません。
■Wi-Fi接続要件
1 Wi-Fi機器がIEEE802.11a/b/g/n/ac/axのいずれかに準拠していること
通常意識せずとも準拠しています。
2 専用タブレット端末が構成するIPSec-VPNのパケットを 「透過できること」
※ProxyサーバやFWが設置されている一般的なイントラネットワーク経由ではそれらが IPSecをサポートし
いない限り使用できません。
IPSec-VPNを使用するためIPSecプロトコルを 透過可能な環境が必要です。
3 ネットワークアドレスは動的割り当て (DHCP)であること。
・一般市場向けWi-Fiルータはほとんどの機器が デフォルト設定でDHCPとなっています。
・法人向けの機器や社内ネットワークの場合は DHCPとなっていない可能性があります。
4 セットアップ専用端末利用場所にWi-Fiの電波が届くこと
5 Wi-Fi機器への接続にSSIDとパスワードのみを使うこと。
※Web認証が必要なネットワークは利用できません。
Webブラウザは利用できないため、 Web認証方 式のWi-Fi環境には接続できません。
6 Wi-Fi機器のセキュリティがWPA2-AESまたはWPA3-AESのいずれかを使用可 能であること。
7 インターネットへの接続回線がADSLまたはISDN回線ではないこと。
光回線又は4G、 5G, WiMAX回線の転送速度 を前提としています。
お客様情報の登録がWEB化されます
現行では申込書を書面にてお客様に確認記載して頂き(お客様控え)お客様に発行していましたが、次期セットアップシステムからはお客様の携帯端末において個人情報を入力して頂く方法に変わります。
お客様がスマートフォンなどの端末をお持ちでない場合や、メールアドレスをお持ちでない場合等については、登録店側で入力を代行する方法を別途ご案内するようになります。
次期セットアップの申請方法と変更点
セットアップの申請方法
①QRコードを読み取って頂きお客様にて必要情報を入力して頂き登録を行います。
各種規定類の<確認と承諾>を行い お客様がWEB上で完了する仕組みになります。
②申請が完了するとお客様が登録したメールアドレスに「申請が完了しました」と申請完了メールが届きます。
QRコード、申請IDは登録店での受付に利用します。
タブレット認証方法や画面デザインの変更
バージョンアップされたセットアップシステムにより登録画面が一新されて解り易く変更されています。
登録店でのログイン方法
ICカードリーダーにカードをかざした後に顔認証にてログインを行います。
セットアップ受付の流れ
①新規発行ボタンをタップ-
お客様から提示されたQRコード、申請IDをタブレットで取り込みます。
②お客様に届いた申請完了メールにあるQRコードをタブレットのカメラで読み取ります。
手入力であれば申請IDとパスコードを入力します。
■本人確認
■車載器の複数台取付け有無確認
受付が完了します。
次期セットアップの変更点
識別処理情報の作成方法
車両情報の入力
従来の入力方法同様に車検証QRコード入力、型式指定/類別区分入力、手入力が行えます。
電子車検証のICタグ読み込みによる入力も近く可能になる予定です??現状では対応していない!
車載器情報の入力
ETC、ETC2.0を選択
上記同様にQRコード、手入力が可能です。
セットアップカードの書き込み・実行
ICカードライタにセットアップカードを置いて発行手続きを行います。
発行されたらセットアップを行います。
車載器へのセットアップ手順は今までと変わりません。
今まではセットアップ証明書を印刷発行していましたが、次期セットアップシステムでは
完了通知の実行後にお客様のメールアドレスにdownload URLが送信されます。
セットアップ証明書のお客様送付は完了通知の実行後に実行されます。
セットアップ完了通知
セットアップ完了通知を実行
セットアップ証明書
セットアップが完了するとお客様のメールアドレスに完了通知と共にセットアップ証明書のdownload URLが送信されます。
お客様ご自身でセットアップ証明書をダウンロードして発行、保管して頂くことになります。
必要な場合は、登録店のパソコンでセットアップ管理情報サイトからセットアップ証明書を印刷することも可能です。
ETCセットアップモデル業務フロー
朱色 お客様側 緑色 登録店側 の作業内容
車両販売と合わせて受付・セットアップする場合
- 1,お客様側ご来店
来店した方が「車検証上の使用者本人」もしくは
指定された代理人でない場合は、身分証明書等に
より身分確認を行い、誰が来店したのかが解る
ようにして下さい。 - 2、登録店側申請サイトQRご案内
・Web申請サイトのQRをご案内します
移行期間中はセットアップ店にて申請サイトを
ご案内する運用となります。
申請サイトご案内用ツールは別途用意される - 3、お客様側Web申請入力
・お客様お持ちの機器(スマホ等)より
お客様ご自身で申請入力
注)お客様がWeb申請する機器をお持ちで
無い場合等、Webから申請出来ない場合
「お客様がWeb申請出来ない場合の代行
手続き」下記をご参照下さい。
登録店のPCから申請行って下さい - 4,お客様側申請ID/QR受領(期限付き60日以内)
・Web申請が完了すると、登録された
メールアドレス宛にメールで申請ID/
パスコード又はQRコードが送られる
注)Web申請完了から登録店で読込
みを行わず60日を経過するとデータは
自動的に消えてしまうので、その場合は
再度の申請が必要になります! - 5,登録店側申請ID/QR読込み(専用端末)
・お客様に申請完了メールをご提示頂き
申請ID/パスコード又はQRコードを
専用端末に読み込む
注)受付処理を完了したお客様の
申請情報の有効期間は、お客様が
Web申請を完了した時点から5年間です。 - 6,登録店側本人確認
・専用端末に読み込んだ申請者/
代理人情報をもとに本人確認を行う - 7,登録店側車検証・車載器情報読込み
- 8,登録店側セットアップカード発行
- 9,登録店側セットアップの実行
- 10,登録店側セットアップ完了通知
注)登録店で申請を代行した場合や、
お客様がご希望の場合は、店舗にて
セットアップ証明書を管理情報サイト
より印刷し、お客様に渡して下さい - 11,お客様側セットアップ証明書DL
・セットアップ完了通知後、お客様の
メールアドレス宛にセットアップ証明書
ダウンロード用URLが送られます。
お客様自身でダウンロード頂くよう
ご案内してください。
(ダウンロード期間:URL送付後60日以内)
エンドユーザーから直接依頼を受けセットアップ
- 1,お客様側ご来店
来店した方が「車検証上の使用者本人」もしくは
指定された代理人でない場合は、身分証明書等に
より身分確認を行い、誰が来店したのかが解る
ようにして下さい。 - 2、登録店側申請サイトQRご案内
・Web申請サイトのQRをご案内します
移行期間中はセットアップ店にて申請サイトを
ご案内する運用となります。
申請サイトご案内用ツールは別途用意される - 3、お客様側Web申請入力
・お客様お持ちの機器(スマホ等)より
お客様ご自身で申請入力
注)お客様がWeb申請する機器をお持ちで
無い場合等、Webから申請出来ない場合
「お客様がWeb申請出来ない場合の代行
手続き」下記をご参照下さい。
登録店のPCから申請行って下さい - 4,お客様側申請ID/QR受領(期限付き60日以内)
・Web申請が完了すると、登録された
メールアドレス宛にメールで申請ID/
パスコード又はQRコードが送られる
注)Web申請完了から登録店で読込
みを行わず60日を経過するとデータは
自動的に消えてしまうので、その場合は
再度の申請が必要になります!申請ID/QRと車検証提示
- 5,登録店側申請ID/QR読込み(専用端末)
・お客様に申請完了メールをご提示頂き
申請ID/パスコード又はQRコードを
専用端末に読み込む
注)受付処理を完了したお客様の
申請情報の有効期間は、お客様が
Web申請を完了した時点から5年間です。 - 6,登録店側本人確認
・専用端末に読み込んだ申請者/
代理人情報をもとに本人確認を行う - 7,登録店側車検証・車載器情報読込み
- 8,登録店側セットアップカード発行
- 9,登録店側セットアップの実行
- 10,登録店側セットアップ完了通知
注)登録店で申請を代行した場合や、
お客様がご希望の場合は、店舗にて
セットアップ証明書を管理情報サイト
より印刷し、お客様に渡して下さい - 11,お客様側セットアップ証明書DL
・セットアップ完了通知後、お客様の
メールアドレス宛にセットアップ証明書
ダウンロード用URLが送られます。
お客様自身でダウンロード頂くよう
ご案内してください。
(ダウンロード期間:URL送付後60日以内)
中間業者等を介して受付・セットアップ(電装品店、部品商等)
インターネット等で受付・セットアップ(通信販売店等)については割愛致します。
お客様がWeb申請出来ない場合の代行手続きについて
次のような場合、セットアップ登録店がお客様に代わり、 「ETCセットアップ申請 「サイト」への申請登録とセットアップ申し込みを代行することが出来ます。
● お客様がWeb申請する機器 (スマートフォン、PC等) をお持ちでない場合
● お客様がメールアドレスをお持ちでない場合など
代行方法
【補足】
ひな形とは別の書式を用いたり、 お客様から代行を依頼されたことを証明出来る記録 (電子的なもの を含む) により 「委任状」 の代わりとすることも可能です。 但しその場合は、委任状に記載される以下 の事項について記録し、 記録された内容が5年間保存されるようにしてください。
●依頼日
●申請者 (車検証等に記載の使用者本人) 住所・氏名 (※) 連絡先 ※法人の場合は 「法人名+担当者氏名」
●代理人がいる場合は、 代理人の住所・氏名・連絡先
●申請者が以下の関係規程類を承諾し、 ETC車載器又はETC2.0車載器のセットアップ申請を店舗 (代理人)に委任すること
・個人情報取扱規程
・ETCシステム利用規程
・ETC2.0車載器 DSRC部使用規程
・車載器のID付プローブ情報の利用および取り扱い方針
同じお客様から複数台数のセットアップ申込みがある場合、 台数、 期間等を明記した任意様式の書類をお 客様から別途受領することにより、 1台毎の 「委任状」 ではなく、 まとめて1枚の 「委任状」 で対応する ことが可能です。その場合、 登録店は受領した書類を 「委任状」 とセットで保管してください。
【注意事項】
セットアップ証明書は店舗が印刷してお客様に引き渡す等により、 確実にお客様に届くようにして ください。
「委任状」 の原本 (又はPDF) は5年間保管してください。
Web申請に於ける委任状
ETC/ETC2.0 セットアップWeb申請に関する委任状サンプル
セットアップ用タブレットの接続課題
ディーラーに於けるネットワーク環境の大半は、メーカーとの接続環境(専用回線)を利用しています。
PCを立ち上げ、ログインパスワード入力でメーカのシステムへログインできます。
メーカーへの無線接続は上記の図「利用不可環境」でお解りのように(SSID認証やプロキシ)を介してメーカーとのセキュルティーを高め接続しています。しかし乍ら,このセキュリティシステムとセットアップ環境の為のセキュリティ(IP-sec VAN)を混在することができません。専門的にはネットワーク階層(7階層)のセキュリティ階層レベルが異なっている為です。
今回のETCセットアップ用のダブレットは3階層レベル(階層が低いほどセキュリティレベルが高い)のIP-sec VANを利用する仕組みです。
懸念されるディーラー各店舗のネットワーク環境が専用回線のみで運用されている場合にセットアップタブレットのWi-Fi接続が出来ないこととなり、新たにNTT等の光回線(ルータ)が必要になるという問題です。
皆様のネットワーク回線はどうなっておりますか。スマホのFree Wi-Fiではなくパスワードにてログインして利用するオーナー系のWi-Fi(個人ノートPCやタブレットがネット利用できる)環境が整っていますか?
納車時のETCセットアップ時間の短縮に向けての課題
最近の新車は付加価値要素が多くスイッチ類が非常に多い、クラスタスイッチの機能や切り替えも複雑化しています。安全運転装置類や自動車本来の情報と連動するコネクトナビ等々の取扱い解説、納車後のアフターサポート(整備パッケージ商品の説明)、保険加入に伴う解説等々細かく丁寧に納車説明をしていますとスタッフも納車説明を聞いているお客様も疲れ果てております。
一度に説明をしても殆ど伝わっていないのが現状かもしれません。そんな納車の手間に、高齢者には特に難易度の高そうなセットアップ手順が加わりそうです。
ディーラーしては納車手順を出来る限り簡素化をするための対策を講じる必要がありと考えます。
解説の中に、「委任状」を用いる従来の手法「お客様がWeb申請出来ない場合の代行手続きについて」の手順が一番有効的な手段のように思えます。
ご商談成約時点に於いて事前にセットアップ同意書「委任状」に記載いただき、ディーラの事前手間は一層増えますが、お客様の代行作業を行いETCセットアップ完了後での納品説明ができる体制(従来の方法)を取り入れることがベストでなないかと考えます。小職個人の意見ではありますが如何でしょうか。
貸与料について
<現行システムご参考>
次期セットアップ機器貸与料金
次期貸与料1~3年 ¥33,440(税込)
4年目以降 ¥21,230(税込)
機器の貸与次期により以降までの差額が発生します(店舗により異なります)
貸与品発送は2024年11月から発送(2025年4月適用)と発表されてあります。
2025年11月、12月発送分については発送月の翌月から適用
現行システムの終了次期
発表では2026年初頭をもって終了とされております。
次期セットアップシステムに係る問い合わせ先
次期セットアップ貸与機器到着後より
IPsec-VAN環境について
IPsec
IPsec(Internet Protocol Security)は、インターネットプロトコル(IP)ネットワーク上で、データの機密性、整合性、認証を確保するためのセキュリティプロトコルスイートです。簡単に言うと、インターネット上の通信を安全に行うための技術です。
インターネットは、世界中の人々が自由に情報交換できる便利なインフラですが、同時に、不正アクセスやデータの盗聴などのリスクも潜んでいます。IPsecは、このようなリスクからデータを保護するために開発されました。
IPsecは以下の2つの主要な機能を提供します:
- データの暗号化 – 通信内容が盗聴されないようにする。
- 認証 – 通信相手が信頼できる相手であることを確認する。
IPsecは、特にVPN(Virtual Private Network)において利用されることが多く、リモートアクセスやサイト間接続を保護するために使われます。
IPsec-VAN
IPsec-VANについて
IPsec-VANという用語は、一般的なネットワーク用語としてはあまり見かけません。恐らく、以下のいずれかのことを指している可能性があります。
1. IPsec VPNとVANの組み合わせ
- IPsec VPN: Internet Protocol Security VPNの略で、インターネット上で仮想のプライベートネットワークを構築し、安全な通信を実現する技術です。IPパケットを暗号化することで、盗聴や改ざんからデータを保護します。
- VAN (Value Added Network): 付加価値通信網の略で、主に企業間で利用される専用線網のことです。従来、大容量データの転送や、高いセキュリティが求められる通信に用いられてきました。
この二つを組み合わせると、以下の様な意味合いになります。
- IPsecを用いて、VANの機能を拡張する: 従来のVANにIPsecのセキュリティ機能を追加し、より安全なデータ伝送を実現する。
- IPsec VPNをVAN上に構築する: VANのネットワーク上にIPsec VPNを構築し、複数の拠点間を安全に接続する。
2. IPsec VPNと広域イーサネットの混同
IPsec VPNと広域イーサネットが混同されている可能性も考えられます。広域イーサネットは、イーサネット技術を基盤とした広域ネットワークで、IPsec VPNと同様に企業間のネットワーク接続に利用されます。
IPsec VPNとの違いは、IPsec VPNがソフトウェアによる仮想的なトンネルを構築するのに対し、広域イーサネットは物理的なネットワークを構築するという点です。
セットアップ接続のセキュリティプロトコル階層の違い
プロトコル階層とは、コンピュータネットワークに必要な通信機能を下記の7つの階層に分けて定義したものです。
7層 アプリケーション層
6層 プレゼンテーション層
5層 セッション層 メーカー等の専用回線(SSID)はここより上の階層で暗号化します
4層 トランスポート層
3層 ネットワーク層 IPsec-VANはこの階層レベルでセキュリティ(暗号化)をかけます
2層 データリング層
1層 物理層