日産「クリッパー バン」「クリッパー リオ」2026年5月 一部仕様向上・完全解説|安全性と質感が大きく進化した軽バンの新章

新車情報

日産自動車は2026年5月11日、軽商用バン「クリッパー バン」と軽乗用ワゴン「クリッパー リオ」の一部仕様向上を発表し、同日より発売を開始しました。価格はクリッパー バンが145万4,200円〜216万7,000円、クリッパー リオが213万5,100円〜236万2,800円(いずれもメーカー希望小売価格・税込)と設定されています。

今回の改良は、単なる部分変更にとどまりません。先進安全装備の全車標準化・センサー刷新、内外装デザインの大幅リフレッシュ、さらに特装モデルの充実まで、実用車としての信頼性とライフスタイルカーとしての魅力が同時に底上げされた内容です。

本記事では、自動車業界に携わる視点から、今回の改良のポイントを他のどのサイトよりも丁寧に、そして深く解説します。「クリッパーを買う理由」が、きっとここで見つかるはずです。

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  1. クリッパーシリーズとは?知っておくべき「素性」の話
    1. スズキ エブリイのOEM車という重要な事実
    2. 「NV100」から「クリッパー」へ——2024年の車名回帰
  2. バンとリオ、何がどう違うのか——根本的な性格の違いを理解する
    1. クリッパー バン——働くプロが信頼する軽商用の王道
    2. クリッパー リオ——荷室の広さと乗り心地を両立する「ワゴンの答え」
    3. バンとリオの主要装備比較
  3. 2026年改良の核心——安全システムが世代交代した意味
    1. 「デュアルセンサーブレーキサポートII」への刷新が最大の変化点
    2. 新規追加された2つの安全機能
      1. 車線逸脱防止支援システム
      2. 標識認識機能
    3. 性能向上した既存機能
  4. 内外装デザインの刷新——「仕事のクルマ」がスタイリッシュになった日
    1. エクステリア:精悍なブラック基調の新フェイスへ
    2. インテリア:デジタルスピードメーターとブラック内装の採用
    3. クリッパー リオ:新色「マジェスティックディープグレー」を追加
  5. 5MTモデルの現状——知っておくべき「選べるトランスミッション」事情
    1. 5MTが選べるのはクリッパー バン「DX」のみ
    2. なぜ5MTにこだわる人がいるのか
  6. 特装モデルの世界——マルチラックとチェアキャブが広げる可能性
    1. クリッパー バン「マルチラック」——車中泊も仕事も「自分仕様」に
    2. クリッパー リオ「チェアキャブ」——乗る人すべてに優しいクルマへ
  7. 価格と前モデルとの比較——「値上がり分」は適正か?
  8. まとめ——2026年モデルのクリッパーを選ぶべき3つの理由

クリッパーシリーズとは?知っておくべき「素性」の話

スズキ エブリイのOEM車という重要な事実

まず前提として押さえておきたいのが、クリッパー バンおよびクリッパー リオは、スズキ「エブリイ」「エブリイワゴン」のOEM供給車だという点です。

クリッパー(当時はNV100クリッパー)がスズキからのOEM供給に切り替わったのは2013年のこと。それ以前は三菱ミニキャブバンがベースでしたが、三菱が軽商用車の自社生産から撤退したのを機に、スズキ製に移行しました。現在のクリッパー バンはエブリイ バン(DA17V型)、クリッパー リオはエブリイワゴン(DA17W型)がそれぞれのベース車両です。

「OEM車なら、わざわざ日産で買う必要はないのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし実際には、日産ディーラーの販売ネットワークや充実したアフターサービスを選ぶユーザーは少なくなく、それがOEM車ながら月平均2,600台以上(2021年時点)という堅調な販売台数につながっています。

また重要な点として、グレード構成や装備内容にエブリイとの差別化が施されており、特に安全装備の標準化に積極的な姿勢がクリッパーシリーズの特徴のひとつでもあります。

「NV100」から「クリッパー」へ——2024年の車名回帰

もうひとつ知っておきたいのが車名の変遷です。長らく「NV100クリッパー バン」「NV100クリッパー リオ」として販売されてきた本シリーズですが、2024年3月の改良時に「クリッパー バン」「クリッパー リオ」へと約12年ぶりに車名が回帰されました。

2024年の改良では車名変更に加え、CVTへのミッション刷新(リオは歴代初のCVT化)、電子制御式パートタイム4WDの採用など、実質的に現行プラットフォームの基盤が整備されました。今回の2026年5月改良は、その基盤の上で「安全性」と「質感」を大きく引き上げる第二章と位置付けることができます。


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バンとリオ、何がどう違うのか——根本的な性格の違いを理解する

クリッパーシリーズを選ぶうえで、最初に迷うのが「バン」と「リオ」の選択です。似ているようで、その性格はかなり異なります。

クリッパー バン——働くプロが信頼する軽商用の王道

クリッパー バンは、4ナンバー(軽貨物)登録の商用バンです。荷室の広さと積載能力を最優先に設計されており、リアシートを折り畳んだ際のフラットな荷室と、最大積載量200kgという実用性が最大の強みです。

配送業務・農業・建設現場など、日々の仕事の相棒として選ばれてきた実績は長く、近年ではキャンプやDIY用の「ベース車」としても人気が急上昇しています。

グレード構成は以下の4種類です。

  • DX:実用性重視のエントリーグレード。2WD・4WD両設定で、本シリーズ唯一の5MT選択が可能
  • DX GLパッケージ:DXに快適装備を追加したスタンダードモデル
  • GX:LED採用、ブラック塗装ドアミラーなど、上質な装備を備える人気グレード
  • GXターボ:ターボエンジン搭載の最上級グレード。今回の改良で再設定された注目モデル

クリッパー リオ——荷室の広さと乗り心地を両立する「ワゴンの答え」

クリッパー リオは、5ナンバー(小型乗用)登録の軽乗用ワゴンです。バンと共通のボディを活用しながら、後席の快適性や内装質感、乗員保護を重視した設計が施されています。

全車CVT・LEDヘッドランプ標準装備、ステアリングヒーター全車設定と、装備レベルはバンを大きく上回ります。また4WDモデルには**「2WD / 4WD AUTO / 4WD LOCK」の3モード切替が可能な電子制御式パートタイム4WD**が採用されており、走破性の高さも魅力のひとつです。

家族でのレジャー、雪道での日常使い、移動ビジネスまで、「日々の生活のなかで使い倒せる1台」を探している方に向いています。

バンとリオの主要装備比較

  クリッパー バンクリッパー リオ
車両区分4ナンバー(軽貨物)5ナンバー(軽乗用)
エンジンNA / ターボ(GXターボ)NA / ターボ(G Lパッケージ)
トランスミッションCVT / 5MT(DXのみ)全車CVT
ヘッドランプLED(GX系)/ ハロゲン(DX系)LED全車標準
ステアリングヒーター非設定全車標準
熱吸収ガラス非設定フロント全面採用
4WDシステムパートタイム4WD電子制御パートタイム4WD(3モード)
価格帯(税込)145.4万〜216.7万円213.5万〜236.3万円

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2026年改良の核心——安全システムが世代交代した意味

「デュアルセンサーブレーキサポートII」への刷新が最大の変化点

今回の改良で、特に業界関係者として注目すべきは安全システムの「世代交代」です。

従来の「デュアルカメラブレーキサポート」に代わり、新たに**「デュアルセンサーブレーキサポートII(DSBSII)」**が全車標準搭載となりました。この進化の最大のポイントは、自転車や自動二輪車の検知にも対応した点です。

旧世代のカメラ式システムでは、歩行者や前走車の検知が主でしたが、DSBSIIではカメラとレーダーの複合センサーにより、二輪車特有の細身のシルエットや突発的な動きにも高精度で対応できるようになっています。配送業務で市街地走行の多いクリッパー バンにとって、これは実務上も非常に大きな意味を持つアップデートです。

新規追加された2つの安全機能

車線逸脱防止支援システム

走行中に車線からはみ出しそうになると、警告にとどまらずステアリング操作を自動補助して車線内に戻す支援が働きます。長距離配送や深夜の業務走行において、疲労による意図しないはみ出しを未然に防ぐ効果が期待されます。

標識認識機能

カメラが道路上の制限速度・一時停止・進入禁止などの標識を自動検出し、メーター内ディスプレイに表示します。慣れない道での走行時や、日常の「つい見落とし」を的確にフォローしてくれる機能です。

性能向上した既存機能

  • インテリジェント エマージェンシーブレーキ
    前方の車両・歩行者・自転車・二輪車を検知し、衝突リスクがある場合に自動ブレーキを作動。検知対象の拡大により、より幅広いシチュエーションで効果を発揮します。
  • 踏み間違い衝突防止アシスト
    駐車時・発進時のペダル操作ミスによる急加速を防ぐシステムも性能が底上げされ、特に狭い現場や駐車場での安心感が高まっています。

これらの装備が全グレード・全駆動系で標準化されたことで、エントリーグレードのDXからであっても、最新の安全技術の恩恵を受けられる体制が整いました。


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内外装デザインの刷新——「仕事のクルマ」がスタイリッシュになった日

エクステリア:精悍なブラック基調の新フェイスへ

今回の外装変更で最も目に入るのが、フロントバンパーの形状変更とフロントグリルの新デザインです。

新グリルはブラックを基調としたデザインに一新され、従来モデルよりも力強く引き締まった印象を与えます。また注目すべきは、グリルのブランドエンブレム下部に新安全装備のセンサーと全方位モニター用カメラが組み込まれた点です——つまりグリルのデザイン変更は、機能的な必然性も伴っています。

さらにドアミラーもブラック塗装(バンはGXのみ、リオは全車)となり、車両全体のコーディネートがよりスポーティかつ統一感のあるものに仕上がっています。

インテリア:デジタルスピードメーターとブラック内装の採用

室内ではデジタルスピードメーターを新規採用。アナログ計器から切り替わることで視認性が上がるとともに、現代的なコックピット感が生まれています。ダッシュボード全体のデザインと連携したデジタルメーターの採用は、商用・乗用問わずドライバーのモチベーションを高める効果があります。

シート生地や内装色もブラックで統一され、実用的でありながら「乗るたびに気分が上がる」室内空間に進化しました。

クリッパー リオ:新色「マジェスティックディープグレー」を追加

クリッパー リオのボディカラーに、新たに**「マジェスティックディープグレー」**が設定されました。深みのあるグレーパールメタリックは、ワゴンとしての落ち着きと個性を両立したカラーです。

クリッパー バンにも今回の改良でデニムブルー・クールカーキ・モスグレー・スノーパールホワイトが新設定され、ボディカラーの選択肢が大幅に広がっています。


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5MTモデルの現状——知っておくべき「選べるトランスミッション」事情

クリッパーシリーズの購入検討者から問い合わせが多い話題が、5MT(5速マニュアルトランスミッション)の設定状況です。

5MTが選べるのはクリッパー バン「DX」のみ

現行の2026年5月改良モデル時点において、5MTを選択できるのはクリッパー バン「DX」グレードのみです。2WD・パートタイム4WDの両方で5MT選択が可能です。

なお過去(〜2024年3月モデル)には「GX」グレードにも5MTの設定がありましたが、最新ラインアップでは「DX」に集約されています。

クリッパー リオは全車CVTのみの設定であり、5MTモデルは存在しません。

なぜ5MTにこだわる人がいるのか

配送や農業などの現場では、エンジンブレーキを使った繊細な速度コントロールや、低速トルクを使い切る走り方が求められる場面があります。CVTや4ATでは燃費や滑らかさに優れる一方、荷物を積載した状態での急坂発進やきめ細かいトルク管理においては、MTならではの「直結感」を好む方も少なくありません。DXに5MTが残されているのは、そうした現場ニーズへの確かな回答です。


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特装モデルの世界——マルチラックとチェアキャブが広げる可能性

日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)からは、ベース車の今回の改良に合わせて、特別なニーズに応える2つのモデルも同日発売されています。

クリッパー バン「マルチラック」——車中泊も仕事も「自分仕様」に

価格:223万8,500円〜262万9,000円(税込)

マルチラックは、荷室を使い手の目的に合わせて自由にアレンジできるライフスタイル特化モデルです。

標準で以下の装備が組み込まれています。

  • スチール製ラック(強度と軽量性を両立)
  • 有孔ボード(工具や小物類をフレキシブルに掛けられる)
  • 専用ブラケット(各種アクセサリーの取り付けベース)
  • 防汚加工の専用フロア(泥や水汚れに強い)

配達・移動販売などのビジネス用途はもちろん、釣り・登山・サーフィンといった趣味のギアを機能的に収納したい方にも理想的な構成です。

さらに、オプションとして4段階の高さ調整が可能なベッドマットを装着すれば、フラットな車中泊仕様に変身。クルマ1台で「仕事も趣味も旅も」という現代的なライフスタイルに、まさに応えてくれる1台です。

クリッパー リオ「チェアキャブ」——乗る人すべてに優しいクルマへ

価格:248万2,000円〜262万2,000円(税込)

チェアキャブは、車いすのまま乗り降りできる**ライフケアビークル(LV)**です。操作性に優れた手動式スロープと、乗り降りをアシストする電動ウインチを標準装備しており、介助者の負担を大幅に軽減します。

ベース車であるクリッパー リオの今回の改良内容を全面的に継承しているため、ステアリングヒーターや高断熱・熱吸収ガラスも標準装備。介護や福祉の場面においても、被介助者・介助者ともに快適で安全な移動を実現します。


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価格と前モデルとの比較——「値上がり分」は適正か?

今回の改良では、装備充実に伴い価格が見直されています。

モデル前モデル価格2026年改良後価格  
クリッパー バン(最低価格)133万3,200円145万4,200円+12万1,000円
クリッパー リオ(最低価格)195万3,600円213万5,100円+18万1,500円

価格上昇の主な要因は、**全車標準化された先進安全装備(DSBSII・車線逸脱防止・標識認識機能)**の追加コストです。仮にこれらをオプション設定したとすれば、市場相場からして10〜20万円程度のコストに相当します。つまり、実質的にはほぼ同等の価格での装備充実と見ることができます。


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まとめ——2026年モデルのクリッパーを選ぶべき3つの理由

今回の2026年5月改良は、クリッパーシリーズにとって「安全性の世代交代」と「デザインの現代化」が同時に実現した、実質的なモデルチェンジ級のアップデートです。

① 安全装備が「本物」になった

DSBSIIによる自転車・二輪車検知、車線逸脱防止支援、標識認識機能——これらが全車標準装備されたことで、軽バンでありながら現在の乗用車と遜色ない安全性能を持つモデルになりました。毎日乗るクルマだからこそ、安全装備の質は妥協できないポイントです。

② デザインが「使いたくなる」外観に進化した

ブラック基調の新グリル、デジタルスピードメーター、ブラック統一の内装——実用車というカテゴリを超えた洗練さが加わりました。仕事のツールであると同時に、週末の「顔」にもなれるデザインです。

③ 用途を選ばないラインアップの厚み

商用のDXから最上級GXターボ、車中泊向けマルチラック、福祉車両チェアキャブまで——クリッパーシリーズほど1つのプラットフォームで多彩なニーズに応えられる軽バンは他にほとんどありません。

ビジネスの効率化を求める方も、週末のアウトドアを充実させたい方も、大切な誰かの移動を支えたい方も——新しくなった日産「クリッパー バン」「クリッパー リオ」を、ぜひお近くの日産販売店で体感してみてください。


記事内の価格はすべてメーカー希望小売価格(消費税込・東京地区)です。税金(消費税を除く)、自賠責保険、販売諸費用などは含まれておりません。仕様および装備は予告なく変更される場合があります。最新情報は日産公式サイトまたは販売店にてご確認ください。