2026年度に入り、自賠責保険料の改定議論や、特定小型原動機付自転車(電動キックボード)の普及といった「制度の波」が押し寄せる中、私たちは常に「その先」を読み解く力が求められています。
今、私たちが向き合うべきは「机上の空論」ではなく、実際に街を走り、物流を支え、そして未来の商談を形作る本物のテクノロジーです。
この5月・6月、パシフィコ横浜から幕張メッセにかけて、日本のモビリティの未来を左右する3つの巨大な展示会が立て続けに開催されます。 物流の「2024年問題」に対する現実的な解を示すトラックショー。 全固体電池やSDV(走るスマホ化)といった、3年後のカタログスペックを先取りする人とくるまのテクノロジー展。 そして、これまでの「車屋」の概念を180度変え、10年後のビジネスチャンスを予感させるエアモビリティEXPO。
これらは単なるイベントではありません。明日からの商談、そして数年後の経営戦略を立てるための「生きた一次情報」の宝庫です。どこに足を運ぶべきだと考えているのか。その理由を詳しく解説していきます。
- 🚚 ジャパントラックショー 2026(5月14〜16日・パシフィコ横浜):今を生きる物流インフラの「解決策」を見る
- 🔬 人とくるまのテクノロジー展 2026(横浜 5月27〜29日 / 名古屋 6月17〜19日):3年後の市販車を「先取り」する
- 🚁 次世代エアモビリティEXPO 2026(6月3〜5日・幕張メッセ):10年後の「車屋のビジネス」の可能性を探る
- ジャパントラックショー 2026完全攻略ガイド|物流危機を「技術」で突破する3日間
- 人とくるまのテクノロジー展 2026完全攻略ガイド|全固体電池・SDV・AIが「未来の商談ネタ」を生む
- 業界関係者からの一言まとめ
- 次世代エアモビリティEXPO 2026完全攻略ガイド|「空飛ぶクルマ」は車屋の脅威か、それとも最大のチャンスか
- 【まとめ】2026年5〜6月「自動車業界を変える3大イベント」 プロが選んだ理由
ジャパントラックショー 2026完全攻略ガイド|物流危機を「技術」で突破する3日間

「あなたが今日買ったものが、明日届かないかもしれない。」
これは脅しでも誇張でもありません。物流の2024年問題が本格化した現在、日本の流通インフラは静かに、しかし確実に綻びはじめています。そんな危機の「解決策」が一堂に会する場が、ジャパントラックショー 2026です。45年間自動車を販売してきた私の目から見ても、これほど「業界の命運がかかった」展示会は珍しい。ぜひ最後までお付き合いください。
ジャパントラックショー 2026 基本情報
- 会期:2026年5月14日(木)〜16日(土) 10:00〜18:00(最終日は17:00)
- 会場:パシフィコ横浜 展示ホール A・B・C・D + 屋外ピロティ 約23,000㎡
- 主催:一般社団法人 国際物流総合研究所
- 後援:国土交通省、全日本トラック協会 ほか
- 規模:出展者数168社/594小間(前回比約15%増)、来場者数6万人以上を見込む
2016年の第1回(出展77社・来場26,063人)から数えて今回が4回目。回を重ねるごとに規模を拡大し、前回2024年は156社・62,448人が来場した日本最大のトラック関連総合展示会です。今回は「持続可能な物流の未来」をテーマに掲げ、いすゞ自動車とUDトラックスの共同ブース、三菱ふそうトラック・バスと日野自動車の隣接ブースなど、国内大手4社が全員集合します。さらにドイツの世界最大商用車展示会IAAとのコラボ「ジャパンパビリオン」の設置も予定されており、国際色も一段と豊かになります。
そもそも「物流の2024年問題」とは何か? いまさら聞けない現状整理
法改正が生んだ「輸送力の崖」
2024年4月、働き方改革関連法の施行により、トラックドライバーの時間外労働が年間960時間に制限されました。これにより1人のドライバーが1日に運べる距離と量が物理的に削減され、業界全体の輸送能力が低下します。
国の試算では、何も対策を講じなかった場合、営業用トラックの輸送能力が2024年に14.2%、さらに2030年には34.1%不足する可能性があります。また東北地方をはじめ地方部では影響がさらに深刻で、東北6県すべてで全国平均を上回る供給力不足が予測され、平均で約41%の貨物が運べなくなる可能性が指摘されています。
深刻化する「人手不足」と「倒産」の連鎖
トラックドライバーの年間労働時間は全産業平均より17%程度長い一方、年間所得額は全産業平均より4〜12%低く、若年層(29歳以下)の割合は全産業の16.4%に対し、運送業はわずか10.0%にとどまっています。このまま放置すれば若い人材が集まらず、高齢化が加速するという悪循環は止まりません。
2024年には人手不足倒産が累計342件発生し、そのうち物流業が46件(前年比+7件)で全体の約15%を占めています。つまり「2024年問題」は机上の話ではなく、すでに現実の倒産として顕在化しているのです。
2026年以降も続く「波」 〜2026年問題へ〜
2025年4月施行の物流効率化法では荷待ち・荷役時間の削減が努力義務化され、2026年4月からは特定荷主への義務化が始まりました。これらの法規制が実効性を持つかどうかが業界全体の焦点となっています。つまりジャパントラックショー 2026は、まさにこの新法施行後初の大規模展示会となり、「法律への答え合わせ」の場でもあります。
プロが注目する3つの展示テーマ
① スズキ・ダイハツ・トヨタ連合の「商用軽EV」――ラストワンマイルの革命
大型トラックだけが物流を支えているわけではありません。コンビニや薬局への配送、Eコマースの「ラストワンマイル」を担う軽バンの存在は、日常生活に直結しています。この軽バンのEV化が今、急速に進んでいます。
スズキ・エブリイをはじめとする軽商用バンは、航続距離の短さや価格の高さがEV化の障壁でしたが、政府の補助金制度と各社の開発競争が重なり、「現実解」が見えてきました。ショーでは実際の補助金後価格、1充電あたりの走行可能距離、法人向け導入コストのシミュレーションなどが公開される見込みです。配送業者だけでなく、社用車として軽バンを使っている事業者にとっても必見の情報が揃うでしょう。
② 後続車無人隊列走行とAI配車――ドライバー不足を「技術」で補う最前線
自動運転技術は今、「完全自動運転(レベル5)」という夢を追いかけるフェーズから、「今すぐ実用できるレベル2〜4の社会実装」へと主戦場が移っています。高速道路での後続車無人隊列走行はその最たる例です。先頭車両のドライバー1人が数台のトラックを率いることで、ドライバー1人あたりの輸送量を飛躍的に増やせます。
また、AIを活用した配車最適化システムも注目です。国土交通省の調査によれば、トラックの積載率は40%以下にとどまっており、実に半分以上の空間が「無駄」になって走っています。AI配車によって荷主とトラックをリアルタイムにマッチングし、積載率を引き上げることは、ドライバーを増やさずとも輸送能力を向上させる即効策として業界全体が注目しています。
③ GX(グリーントランスフォーメーション)対応車両――脱炭素と効率化の両立
今回の展示会でも、2024年問題が指摘する大型車ドライバー不足へのソリューションを提供しつつ、CO2削減にも貢献する環境配慮型車両が多数登場します。水素燃料電池トラック(FCEV)や大型BEVトラックの試作車も展示される見込みで、「環境対応」と「輸送効率化」を同時に解決しようとする各社の戦略が浮き彫りになります。
来場者別 チェックポイントガイド
運送会社・物流部門の担当者
- 電動トラック・軽EVの補助金後価格と実用航続距離の確認
- AI配車・自動運転システムの導入コストとROI試算
- 主催者特別講演(アネックスホール)での業界最新動向のキャッチアップ
自動車ディーラー・整備士
- 商用EVの整備資格・対応工具の最新情報
- 架装メーカーの新製品と受注開始スケジュール
- テレマティクス・車両管理システムとの連携提案
荷主企業(メーカー・小売)
- 2026年4月義務化への対応状況のベンチマーク
- 荷待ち時間削減ソリューション(バース予約システムなど)
- モーダルシフト(鉄道・船舶活用)の最新事例
業界関係者からの一言まとめ
「物流が止まれば、私たちの新車も届きません。この展示会は、日本経済の毛細血管をどう守るかという、非常に熱い現場です。45年間この業界を見てきましたが、今のトラック業界には『待ったなし』という言葉がぴったりです。ぜひ、ディーラーの立場からも足を運んでください。次世代の商用車ビジネスのヒントが、必ず見つかるはずです。」
▶ ジャパントラックショー 2026 公式サイト:https://truck-show.jp/
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人とくるまのテクノロジー展 2026完全攻略ガイド|全固体電池・SDV・AIが「未来の商談ネタ」を生む


「カタログに書かれていない技術が、3年後のクルマを決める」
自動車を売ってきた45年間、私がずっと大切にしてきた信念があります。それは「技術の種を早く知る者が、未来の商談を制する」ということ。そのための最高の「ネタ帳」が、人とくるまのテクノロジー展 2026です。エンジニアが集い、市販車の数年先を走る技術が公開されるこの展示会の読み解き方を、プロの視点でお届けします。
人とくるまのテクノロジー展 2026 基本情報
- 主催:公益社団法人 自動車技術会
横浜会場
- 会期:2026年5月27日(水)〜29日(金) 10:00〜17:00
- 会場:パシフィコ横浜 展示ホール・ノース
- オンライン:STAGE 1(2026年5月19日〜6月9日)
名古屋会場
- 会期:2026年6月17日(水)〜19日(金)
- 会場:Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)
- オンライン:STAGE 2(名古屋展示会と連携)
自動車業界が「モビリティ産業」へと大きな変革を遂げつつある中、電動化・知能化の進展やソフトウェア関連技術の高度化に加え、カーボンニュートラル、次世代エネルギー、先進素材など、多様な新領域が急速に拡大しています。来場対象は設計・研究・実験・開発の技術者だけでなく、生産技術・購買部門・大学教職員・学生まで幅広く、業界全体の「知識のアップデート」の場です。
最大の注目テーマ① 全固体電池――いよいよ「夢の電池」が現実になる
なぜ全固体電池がゲームチェンジャーなのか
現在のリチウムイオン電池(液体電解質)が抱える3つの課題、すなわち「充電が遅い」「航続距離が伸びない」「発火リスクがある」——これらを根本から解決する可能性を秘めているのが全固体電池です。
全固体電池はイオンが移動しやすく、EVの充電時間を短縮し高出力化を実現します。高電圧と高温にも強く、エネルギー密度向上や長寿命化も期待されています。ある試算では、充電時間が現行の数十分から5分程度に短縮し、航続距離が現行品の3〜5倍になる可能性まで示されています。ガソリン車との「使い勝手の差」がほぼなくなるレベルです。
トヨタ×出光興産 世界を先行する日本の「黄金タッグ」
トヨタは全固体電池の実用化に向け、出光興産や住友金属鉱山との協業により、固体電解質や正極材といった中核材料の量産技術を強化し、電池サプライチェーンの内製化を進めています。2027〜2028年の実用化、2030年前後の本格量産を視野に、研究段階から事業化フェーズへ確実に移行しつつあります。
特筆すべきは出光興産の動きです。2026年1月、出光興産は固体電解質を製造する大型パイロット装置の最終投資決定を行い、建設を開始しました。2027〜2028年のEV実用化に向け、千葉事業所に2027年中の完工を目指すプラントを構築しています。さらに年産数百トンの生産能力を持つ専用プラントを構築し、固体電解質の原料である硫化リチウムの工場も2027年6月の完工予定で建設中です。
「人とくるまのテクノロジー展 2026」では、こうした量産準備が進む全固体電池のモジュール試作展示が期待されます。「いつ出るの?」という商談の質問に、具体的な「2027〜2028年」という答えを自信を持って言えるようになる絶好のチャンスです。
最大の注目テーマ② SDV(ソフトウェア定義型車両)――「クルマがスマホ化する」とはどういうことか
SDVとArene OS——次世代コックピットの「体験」
自動運転・ADAS分野では、各種センサー(LiDAR・カメラ・ミリ波レーダー)、AIアルゴリズム、車載ソフトウェア、地図データ、V2X通信など、次世代モビリティを支える最新ソリューションが展示されます。センサーフュージョンの最前線と実用化における課題感を肌で確かめられる貴重な機会です。
トヨタが開発を進めるArene OSは、スマートフォンのOSに相当する車載用ソフトウェアプラットフォームです。これが普及すると、クルマの機能や性能が「空中アップデート(OTA)」で後から追加・改善されます。つまり「買った瞬間が最高スペック」の時代は終わり、ソフトウェアで進化し続けるクルマが誕生します。
デンソーやアイシンといった日本のトップサプライヤーも、次世代コックピットの操作感や統合型ECU(電子制御ユニット)の展示を予定しており、実際に「触って体験する」ことで、顧客への説明力が格段に上がります。
DX関連セミナーに注目
今回は「自動車に関わるDX」をテーマに、SDV・ソフトウェアインテグレーション、AI活用、データ活用、製造・開発プロセス革新など、実践的なプレゼンテーションが多数実施されます。ディーラー視点からは、「顧客データの活用」「サブスクリプション型サービスとクルマのソフトウェア化」の接続点が見えてくる内容です。
最大の注目テーマ③ 電動化技術の全体像――カタログに書かれていない「本音」を知る
バッテリー管理システム(BMS)とパワーエレクトロニクス
EVの「走行距離」は電池容量だけでなく、バッテリーをどう制御するかで大きく変わります。EV・燃料電池車・ハイブリッド車に代表される電動化技術を中心に、パワーエレクトロニクス、モーター、インバーター、バッテリーマネジメントシステムなど、電動化の基幹技術が網羅されます。「なぜ同じ電池容量でも航続距離が違うのか」という顧客の疑問に技術的根拠で答えられるようになります。
計測・試験技術の進化
計測分野では、自動運転・電動化・DX・NV計測・状態監視・サイバーセキュリティ・ソフトウェア開発支援の7カテゴリにわたるソリューションが提案される見込みです。ADAS機能試験やEV開発試験に対応した次世代のテスト環境も展示されます。これはメーカーの開発品質がどこまで高まっているかを示す指標でもあり、「うちのクルマは安全か?」という顧客の不安を払拭するための根拠を学ぶ場でもあります。
横浜会場と名古屋会場 どちらに行くべきか?
横浜(5月27〜29日)が向いている人
- いち早く情報をキャッチしたい方
- デンソー・アイシンなどサプライヤー系の展示を中心に見たい方
- オンラインSTAGE 1(5月19日〜6月9日)との併用を考えている方
名古屋(6月17〜19日)が向いている人
- 東海・中部エリアにお住まいの方
- 横浜で情報収集したうえで、より深く掘り下げたい方
- Aichi Sky Expoならではの大型車両展示スペースを活用したい方
業界関係者からの一言まとめ
「45年間車を売ってきましたが、これほど『中身』が激変する時代はありません。全固体電池が出れば充電の話が変わる。SDVが普及すればクルマの売り方が変わる。この展示会は、そのすべてを先取りできる場所です。商談でお客様に未来を語るための、最高のネタ帳になります。行かない理由が見つかりません。」
▶ 人とくるまのテクノロジー展 2026 公式サイト:https://expo.jsae.or.jp/
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次世代エアモビリティEXPO 2026完全攻略ガイド|「空飛ぶクルマ」は車屋の脅威か、それとも最大のチャンスか


「スズキのロゴが入った機体が、空を飛ぶ。」
5年前にこう言えば、笑われたかもしれません。でも今、これは現実の話です。スズキの工場で製造される空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」はすでに空を飛んでいます。そして2026年6月、この「空の革命」に携わる企業が幕張メッセに集結します。次世代エアモビリティEXPO 2026。自動車業界に身を置く私たちが、この展示会を無視できない理由を徹底解説します。
次世代エアモビリティEXPO 2026 基本情報
- 正式名称:第5回 次世代エアモビリティEXPO 2026(Japan Drone 2026 同時開催)
- 会期:2026年6月3日(水)〜5日(金)
- 会場:幕張メッセ(JR京葉線 海浜幕張駅 徒歩約5分)
- 主催:一般社団法人 日本UAS産業振興協議会(JUIDA)/株式会社コングレ
前回2025年は285社・団体が出展し、3日間で23,049人が来場した日本最大のドローン・エアモビリティ専門展示会です。今回のキーワードは。産業界での実用化に焦点を当てた構成は、まさに「自動車の仕事をする人たち」が参考にすべき内容です。
スズキ×SkyDrive――「車屋」が「空の乗り物」を作る時代
スズキ工場で生まれた「SKYDRIVE(SD-05)」
SkyDriveとスズキ株式会社は、静岡県磐田市のスズキ工場において空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SD-05型)」の製造を開始しています。12基のモーター・ローターを搭載し、操縦士を含む最大3人乗り、最大時速100km、航続距離は約15kmの電動垂直離着陸(eVTOL)機です。
機体のボディやローターフレームの素材は東レ(TORAY)、フライトコントローラーシステムはフランスのタレスグループからそれぞれ技術提供を受けており、近鉄グループ・Osaka Metro・JR東日本・JR九州とも資本業務提携を締結しています。まさに「日本の製造業の粋」を結集した機体です。
2026年は「型式証明」が最大の山場
SkyDriveは大阪・関西万博でのデモフライトを終え、次のマイルストーンとして型式証明(TC)の取得に注力しています。2025年1月には国土交通省と型式証明取得に向けた必要事項について合意し、目標は早ければ2026年中の型式証明取得、その後2028年をめどに大阪エリアでの商用運航開始を目指す計画です。
SkyDriveは「2026年を、実現に向けた最も重要な準備の年」と位置付けており、型式証明の最終準備を最優先事項とし、安全な運航システムの構築とインフラ統合を加速させています。エアモビリティEXPO 2026は、まさにこの歴史的な年の「中間報告」を直接聞ける場になります。
自動車ディーラーが「空」に関わる3つの現実的シナリオ
シナリオ① eVTOL整備拠点としての自動車工場
eVTOLは電動モーター、バッテリー、電子制御システムで動きます。これはEVと技術的に共通する部分が多い。つまり、EV整備の資格と設備を持つ自動車ディーラーは、eVTOLの地上整備拠点としての有力候補になり得るのです。実際、航空機と違い離着陸場所(ポート)は地上施設ですから、既存の駐車場・整備工場のリソースが活かせます。
シナリオ② ポート(離着陸場)の運営と販売網の活用
エアタクシーが普及するためには、各地にポートが必要です。全国に展開する自動車ディーラーのネットワークは、ポート候補地の「受け皿」として注目されています。地方の過疎エリアこそ需要が高い——それは自動車販売と同じ構図です。
シナリオ③ ドローン物流との協働によるサービス拡張
国土交通省と経済産業省が2026年3月に改訂した「空の移動革命に向けたロードマップ」では、商用運航の開始時期を2027〜2028年と明記し、段階的なロードマップとして「導入初期→成長期→成熟期→完成期」の4フェーズが描かれています。過疎地や災害時の緊急物資輸送にドローンが使われる未来において、地域に根ざした「車屋」のインフラ力は大きな強みになります。
展示会で注目すべきポイント
① eVTOL各社の認証・商用化スケジュール
SkyDriveは日本の国土交通省航空局(JCAB)と型式証明計画で合意に達しており、2028年の商用運航に向けてまずはJCABで型式証明を取得し、その後米国FAAへとステップアップしていく計画を進めています。このロードマップの「現在地」が会場で確認できます。
② ドローン物流の最新実装事例
農業、インフラ点検、医薬品配送——ドローン物流はすでに複数の産業で実装段階に入っています。「はたらくドローン」というキーワードのもと、具体的なビジネスモデルと収益構造が展示・講演で解説される予定です。
③ 自動車メーカーのエアモビリティ戦略
ホンダもeVTOL参入を明言しており、スズキとの比較を通じて各社がどのような役割分担でこの市場に臨むのかが見えてきます。「車屋の未来」を考えるうえで最も重要な視点のひとつです。
「空飛ぶクルマ」普及のリアルな課題も知っておこう
夢を語るだけでなく、課題も正直にお伝えします。
- 型式証明の難しさ:航空機として求められる安全証明は、自動車の型式指定とは比較にならない厳格さです。多くのeVTOL企業が「想定以上の時間とコスト」を要することを認めており、海外ではLiliumやVolocopterの破綻もここが一因とされています。
- 航続距離の制約:現在の電池技術では実用的な航続距離は数十km程度。都市内の短距離移動には対応できても、都市間移動はまだ先の話です。
- 機体価格:SKYDRIVEの初回ロット機体価格は約150万ドル(約2億円)に設定されており、まずは事業者向けエアタクシーサービスの展開から普及を目指す戦略です。個人が日常使いする価格帯になるのはまだ先です。
これらの課題が「2026年の展示会でどこまで解決されているか」を確認することが、この展示会の最大の意義でもあります。
業界関係者からの一言まとめ
「車屋がドローン?と思われるかもしれませんが、スズキの工場で作られた機体がすでに空を飛んでいます。食わず嫌いせず、移動の未来をその目で確かめましょう。自動車ディーラーとeVTOLのポート運営は、実はそんなに遠くない話です。むしろ、最初に動いた者が一番おいしいビジネスを掴む——それはいつの時代も変わらない真理です。」
▶ Japan Drone 2026 / 次世代エアモビリティEXPO 2026 公式サイト:https://ssl.japan-drone.com/
【まとめ】2026年5〜6月「自動車業界を変える3大イベント」 プロが選んだ理由
今回ご紹介した3つのイベントは、それぞれ「物流の現在」「技術の近未来」「移動の遠未来」を担っています。
どれか1つではなく、3つ合わせて見ることで、自動車業界の「過去・現在・未来」が一本の線でつながります。ぜひ足を運び、現場の熱

