法人が所有する自動車(登録車)をその企業の代表者の名義に権利譲渡する場合やまたその逆で代表者の個人所有する自動車を社用車として譲渡することは法律で規制されています。また代表者が複数経営している法人間での権利譲渡も同じです。
上記の自動車を権利譲渡する場合においては取締役会を開き役員総意のもと取締役議事録を作成し運輸支局に提出する必要があります。
取締役会議事録の役割
税金対策目的で代表者の悪意で自由に固定資産を操作することや役員の不正行為を妨げる意味を持ちます。複数経営している代表者が利益の上がった企業から損失のある企業に資産を流用することで容易に税金対策が可能です。
とは言え移転登録を行う行為自体であれば役員全員の署名捺印があれば簡単に議事録は作成でき事務的に処理は可能になっていますが手間はかかります。
書式についてや取締役議事録の提出が必要なケースについて詳しく触れてみたいと思います。以前にcardealer.fanサイトで簡単に紹介した内容ですが、改めて新サイトに追記更新しました。
議事録が必要な権利譲渡
法人代表者名義の登録自動車をその代表者個人名義へ権利譲渡。とその逆のケース
参考 使用の本拠の位置が変わらない場合には車庫証明は要りません。
複数経営企業(同一代表者名)間の登録車権利譲渡
譲渡証明書を基に必要なケースを見ていきましょう。
重要なことはその車が登録済みか一時抹消されているかの違いです
未登録・一時抹消されている 新規登録・中古車新規登録
この例ではB社が一旦権利を取得していますが権利を同時にC社に譲渡しています。B社は自動車を有していないことになります。議事録の協議内容は新たに社有車を購入するという案件のみになります。こにような一時抹消された車若しくは未登録車を始めてC社が所有する場合の登録に於いて取締役議事録が必要となるのはC社のみです。
登録済み車(プレートの付いた生き車)中間移転登録
このケースは既にB社が登録して使用中の車をC社に権利譲渡する場合です。この場合に取締役会の議事内容は、先ずB社においてC社に車を譲渡する協議を行う必要があり、C社でも社有車としてB社から購入する協議が行われる必要が生じる訳です。従ってB社とC社両社の取締役議事録の提出が必要になります。
全記述と同様、同一敷地内に両社が存在し使用の本拠の位置が変わらない場合には車庫証明は必要ありません。
議事録の内容について
サンプルを掲示しておきます。各社内容に応じて書き換えして下さい。
取締役会議事録
日時 令和 年 月 日(曜日) 午前 時~午後 時
場所 株式会社 後楽自動車 本社会議室
出席役員 取締役総数 名中 出席取締役 名
上記の通り出席があり、取締役会は有効に成立したので代表取締役 後楽〇〇 は定刻に議長席に着き
当社定款第〇〇条により取締役全員の同意により招集手続きを省略した旨を述べ、直ちに審議に入った。
記
第1号議案 有限会社 自動車商会へ自動車売却の件 議長は当社の子会社である有限会社 自動車商会へ下記自動車を売却した旨諮ったところ、全員の意義なく承諾可決した。
車名 トヨタ
車台番号 C12ー999999
年式 〇〇 年
原動機型式 AB12
以上をもって会議案の審議を終了したので午後 時議長は閉会を宣した。
上記議事の経過及びその結果を明確にするため本議事録を作成し、出席取締役全員がこれに記名捺印する。
令和 年 月 日
株式会社 後楽自動車 取締役会
議長 代表取締役 後楽 〇〇 印
出席取締役 〇〇 〇〇 印
出席取締役 〇〇 〇〇 印
以下参考まで
プレートの付いた生き車であって非常に面倒な役員会まで開き協議して作成する取締役会議事録でありますが省略する方法は無いのか?
他サイトでも紹介記事はあります。結論はB社とC社の間にもう一社D社を挟むということ
なるほど代表者に関係のない第3社に譲渡する方法はあります。合法的ですが限りなく怪しいし
委任状を複数書いて印鑑証明取得、実印押して・・・移転登録を2回行う?代書屋さんも嫌がるでしょうね!