【独占技術の逆襲】マツダ ロータリーエンジン復活の全貌:発電・CN燃料で蘇る次世代スポーツカー戦略

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はじめに:10年の沈黙を破り、ロータリーが迎える「別次元の帰還」

2012年にRX-8の生産が終了して以来、マツダのロータリーエンジン(RE)は「完全に絶滅した」とさえ言われてきました。燃費の悪さ、排ガス規制への対応の難しさ、開発コストなど、当時のロータリーにとってはすべてが逆風でした。しかし、世界中のメーカーが諦める中で、マツダは12年間も技術者を残し、研究を続けました。なぜなら、ロータリーはマツダのアイデンティティそのものだからです。

そして今、約10年の沈黙を破り、ロータリーは「電動化」という新たな武器を手に、かつての弱点をすべてひっくり返す技術革新を遂げ、復活のフェーズに入っています。この復活は、単に過去の栄光を再現するものではなく、電動化時代だからこそロータリーが最強の武器になるという、全く新しい次元での挑戦です。

マツダはすでに量産車MX-30 R-EVで発電専用ロータリーを復活させており、その技術を基盤として、2023年に発表された「ICONIC SP」コンセプトカーは、世界中を騒然とさせました。デザイン本部長の中山雅氏が、このコンセプトカーは市販モデルにする意図を持って設計されたと明言しており、これは単なる夢物語ではなく、量産化を前提とした極めて現実的な技術戦略に基づいています。

マツダCTOの梅下氏は「技術的には準備が整っており、あとはビジネスとして成立するかどうかが次のチャレンジ」とコメントしており、復活へのカウントダウンが始まっています。自動車業界関係者が注目する、マツダロータリーエンジン復活の具体的な技術と未来戦略を、他の追随を許さないボリュームで解説します。

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  1. 発電機としての復活:弱点を克服した「理想的な心臓部」
    1. MX-30 R-EVが確立した量産技術の基盤
    2. 革新的なシステム構成と走行性能
    3. メンテナンスと維持費の革命
  2. 多燃料カーボンニュートラル技術:電動化時代におけるREの存在意義
    1. CN燃料・水素対応を見据えた次世代RE
    2. 2段階アプローチによる開発戦略
    3. 継続的な開発体制の確固たる証拠
  3. スポーツカーへの展開予測:「スーパーカー級」性能への挑戦
    1. ICONIC SPが示す次世代ロータリースポーツの姿
    2. 驚異的なパワーウェイトレシオ
    3. 理想的なプラットフォームとレーシング技術の導入
    4. 駆動用と発電用の2つの可能性
    5. 戦略的な市場投入と価格競争力
  4. RX-7/RX-8時代との技術比較:魅力継承と弱点の完全克服
    1. 【駆動方式の革新】
    2. 【重量バランスと操縦性】
    3. 【回転数と運転フィール】
    4. 【燃費と環境性能】
    5. 魅力を次世代へ継承する文化的意義
  5. まとめ:歴史の目撃者となる期待感
  6. 【専門家解説】ロータリーの未来技術を理解するための例え
  7. ロータリー開発現場からの「不屈の魂」の叫び
      1. 【開発主査クラスの言葉】「灯火(ともしび)は、絶対に消させない」
      2. 【若手パワートレーンエンジニアの言葉】「憧れを、過去の遺産にはしない」
  8. ロータリー復活を待ち焦がれた「熱狂ファン」の叫び
      1. 【歴代RX-7オーナーの言葉】「この振動のなさを、この高揚感を体が覚えている」
      2. 【RX-8から乗り換えられないファンの言葉】「マツダを選ぶ理由は、これ一つで十分だ」
      3. 【20代・若きクルマ好きの言葉】「伝説を、リアルタイムで体験したい」
  9. ロータリーエンジンそして未来へ
      1. 逆境を「強み」に変えたイノベーション
      2. 回転し続ける「飽くなき挑戦」の象徴
      3. 終わりなき旅路へ

発電機としての復活:弱点を克服した「理想的な心臓部」

MX-30 R-EVが確立した量産技術の基盤

従来のロータリーエンジンは、エンジンが直接タイヤを回す「直接駆動」が基本でした。しかし、新型ロータリーが採用したのは、「発電専用」として電気を作るだけに専念するという根本的に異なる発想です。

ロータリー復活の決定的な証拠となったのが、2023年に発売された量産車「MX-30 e-Skyactiv R-EV」です。この車には、830ccのシングルローター発電機が搭載されており、車輪は常にモーターのみで駆動する「シリーズ型PHEV」のシステムを採用しています。ロータリーは電気を作る役割に徹するため、常に最も効率の良い回転数だけで回り続けることが可能となり、従来のロータリーが抱えていた最大の弱点である燃費と排ガスの問題を一気に解決します。

発電専用ユニットとしてのロータリーは、その特性が最大限に活かされます。ロータリーの長所である小型・軽量・低振動という点は、まさに発電機として理想的な性能を発揮する要素となります。MX-30 R-EVの発電ユニットは、ローター半径120mm、ローター幅76mmというコンパクト設計で、電動機、減速機、発電機と一体化した全幅840mm以下のユニットとしてまとめられ、MX-30のフロントフレームに無理なく搭載できるサイズを実現しています。

従来の13B型の80mmから76mmにローター幅が変更され、創成半径は105mmから120mmになっており、排気量は830ccにアップして最高出力は53kW(約72馬力)を発生。さらにサイドハウジングをアルミ化してエンジン単体で15kg以上も軽量化されました。これにより、航続距離の延長にも大きく貢献しています。

公式WEBへ:「e-SKYACTIV R-EV」コンテンツ

革新的なシステム構成と走行性能

MX-30 R-EVは、普段はEVとして使える107kmのEV走行換算距離(等価EVレンジ)を持ちながら、ロータリーエンジンによる発電で長距離ドライブも可能。日常生活圏はガソリンを使わず走行ができつつ、ロングドライブも楽しむことができます。

バッテリーは容量17.8kWhのリチウムイオン電池と50Lのガソリンタンクを組み合わせたコンポーネンツとなっており、最高速度はBEVと同じ140km/hで、電気自動車と同じ走行性能、利便性を備えています。EVモード、ノーマルモード、チャージモードの3つの走行モードを備え、使用シーンに合わせて最適な駆動方式を選択できる柔軟性も大きな魅力です。

メンテナンスと維持費の革命

発電専用ロータリーとモーター駆動の組み合わせは、維持費の面でも従来のスポーツカーを遥かに凌駕します。モーターは基本的にメンテナンスフリーであり、発電専用ロータリーは定常運転されるため、燃費は従来のロータリーとは比較にならないほど良くなると予測されています。

さらに、マツダの発電用ロータリーエンジンを搭載したMX-30 R-EVは、2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しており、「環境問題を理由に命脈を閉じたかに見えたこの日本固有の技術資産を、発電機として用いる新しいパワーユニットe-SKYACTIV R-EVとして復活させ、未来に向けさらに進化させる道筋を拓いたこと」が評価されました。ハイブリッド車として認定されれば、エコカー減税の対象になる可能性さえあり、高性能でありながら環境と維持費に優しいという理想的なパッケージが実現します。


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多燃料カーボンニュートラル技術:電動化時代におけるREの存在意義

CN燃料・水素対応を見据えた次世代RE

マツダがロータリーにこだわる理由は、単なるノスタルジーや技術継承だけではありません。ロータリーは、電動化時代におけるカーボンニュートラル(CN)ソリューションの切り札として位置づけられています。

2024年5月28日のマルチパスウェイ・ワークショップで、マツダは電動化時代の新たなロータリーエンジン開発を宣言しました。カーボンニュートラル燃料への対応については、ロータリーエンジンの構造的な特徴が生き、火種が強く押し出される燃焼をするので、燃えにくい燃料も燃やせるというレシプロエンジンが苦手とする燃料にも対応できる特性を持っています。

2023年発表のICONIC SPに搭載された2ローターEVシステムは、カーボンニュートラル燃料や水素など、多様な燃料に対応することを想定して設計されています。これにより、排ガス問題は、多燃料化と電動化という複合的なアプローチでクリアされる狙いです。

ロータリーの小型・高出力という特性は、バッテリー、ジェネレーター、燃料タンクと柔軟に組み合わせることが可能であり、「マルチ電動化パワートレイン」の要素技術として非常に優れています。バイオ燃料や合成燃料といったCN燃料と組み合わせることで、実質的なカーボンニュートラル走行の可能性を広げます。

2段階アプローチによる開発戦略

2024年2月にロータリーエンジン開発グループを再始動させてから、排ガス性能向上を中心に開発を進めてきました。2段階のアプローチを採用しており、1つ目は世界中の排ガス基準をクリアする発電用ロータリーで、2つ目が駆動用として開発することです。

マツダCTOの梅下氏によれば、世界中の排ガス基準をクリアすることに注力している発電用ロータリー(Rotary-EVシステム)の改良版は、近いうちに量産開発へ着手できる見込みとのことで、着実に前進しています。

継続的な開発体制の確固たる証拠

マツダは、ロータリーの将来戦略に対する本気度を示すために、「RE開発グループ」をパワートレイン開発部門内に再編成しています。これは、36名規模の専任チームで、発電用ロータリーや次世代燃料対応ロータリーの研究を再開するという、事実上の**「ロータリー存続宣言」に近い体制**です。この継続的な開発体制は、ロータリーがマツダの長期的な電動化戦略において不可欠な柱であることを示しています。


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スポーツカーへの展開予測:「スーパーカー級」性能への挑戦

ICONIC SPが示す次世代ロータリースポーツの姿

発電専用技術を確立したマツダが次に目指すのは、もちろんスポーツカーへの展開です。ICONIC SPや最新のビジョンモデルから予測される次世代ロータリースポーツは、ポルシェやBMWと同じ土俵で勝負できるレベルアップを実現する見込みです。

アイコニックSPのボディサイズは、全長4180mm、全幅1850mm、全高1150mm、ホイールベース2590mmで、現行型ロードスターよりも少し大きく、アルピーヌA110に近いサイズ。車両重量は1450kgで、最高出力370psを発生します。

驚異的なパワーウェイトレシオ

アイコニックSPに搭載されるロータリーエンジンは、新型MX-30ロータリーEVに使われた831ccのユニットがベースで、2ローターなら144馬力・22.8kg-mの発電能力を持ちます。しかしアイコニックSPは、ロータリーエンジンが駆動も行うためさらにパワフルです。

エンジンの最高出力は240馬力前後で、モーターが130馬力を上乗せするような駆動力配分により、システム出力370馬力を実現。吹き上がりの良いロータリーエンジンと、アクセルペダルを踏んだ瞬間に高い駆動力を発揮するモーターの相乗効果が期待されます。

車体重量は約1450kgと軽量に仕上がると見込まれており、パワーウェイトレシオは3.9kg/PSという、まさにスーパーカー級の領域に達する計算になります。この出力は、ポルシェ718ケイマンSとほぼ同レベルでありながら、モーター駆動によりアクセルを踏んだ瞬間から最大トルクが立ち上がる「瞬間フルパワー」の加速感を実現します。

理想的なプラットフォームとレーシング技術の導入

次世代ロータリースポーツは、CX-60系で確立された新世代FRプラットフォームを活用することで、スポーツカーに必要な基盤技術を既に完成させています。マツダによれば、ロータリー式レンジエクステンダー・パワートレインはさまざまなレイアウトが可能であるため、最適な重量配分とパッケージングを実現でき、電動スポーツカーに適しています。アイコニックSPではエンジンを車体中央寄りに低く配置することで、低重心化を図るとともに、伸びやかなシルエットを実現しています。

アイコニックSPの前後輪の重量配分も、50:50とバランスが優れており、全幅が1,850mmとワイドなこともあってロータリーエンジンに相応しい積極的な走りを楽しめる設計となっています。

さらに、エンジンの搭載位置を低くできるドライサンプ方式(レーシングカーの技術)や、高速走行時に自動で立ち上がりダウンフォースを発生させるアクティブリアスポイラーなど、本格的なレーシングカー技術が随所に盛り込まれる見込みです。これにより、重心が低くなり、まるで地面に吸い付くような飛躍的なコーナリング性能が期待できます。

駆動用と発電用の2つの可能性

マツダが特許申請していた「車両用駆動システム」が2024年6月18日に登録されました。この特許はロータリーエンジン(RE)が直接後輪を駆動する構造で、駆動用のREを前輪車軸後方に配置した、フロントミッドシップレイアウトを採用しています。

マツダが示した2種類の電動化ユニットのうち、「ROTARY-EV SYSTEM CONCEPT(1 ROTOR)」は、トヨタのTHS(シリーズパラレルハイブリッド)のコンポーネントを組み合わせており、エンジンの動力が直接タイヤに伝わる構造になっていると見られます。これはMX-30 R-EVのシリーズ式とは決定的に異なり、ロータリーエンジンの高回転フィールを直接体感できる可能性を示唆しています。

戦略的な市場投入と価格競争力

次世代ロータリースポーツの発売時期は、海外メディアの予測では2026年後半が最も現実的とされています。これは、欧州で内燃機関車の販売規制が強化される前に市場に投入する、戦略的に重要なタイミングです。

価格設定においても革命的と見られており、販売店によると「アイコニックSPの発売時期は未定ですが、ロータリーエンジンを搭載したスポーツカーを待っているお客様は多く、すでに問い合わせが入っています」との状況です。この高性能・デザインでありながら、800万円台から900万円台、一部では600万円台スタートの可能性も予測されています。

これは、MX-30 R-EVでの量産技術確立により開発コストを抑え、ロータリーの魅力を次世代に継承したいというマツダの戦略的な判断が背景にあります。ライバル不在のスポーツカー市場において、マツダは独占技術を持つ本格スポーツカーを「手の届く価格帯」で提供し、市場の活性化を牽引する可能性があります。


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RX-7/RX-8時代との技術比較:魅力継承と弱点の完全克服

マツダのロータリーは、過去の栄光を背負いつつも、技術的には全く新しい「完全体」として蘇ります。かつてロータリーが誇った魅力はそのままに、時代の流れに逆らえなかった弱点を現代技術で克服している点が、今回の復活の最も重要なポイントです。

【駆動方式の革新】

RX-7 (FD3S) / RX-8 時代:

  • 内燃機関による直接駆動(NA/ターボ)
  • RX-8は654cc×2ローター自然吸気のRENESIS(レネシス)エンジンで、ハイパワー仕様は250馬力/22.0kgm、スタンダード仕様は210馬力/22.6kgmを発生

ICONIC SP / 次世代スポーツ予測:

  • モーター駆動(ロータリーは発電専用または発電+駆動)
  • 830cc×1~2ローターで375~503馬力級のシステム出力

技術的な進化ポイント: 弱点であった燃費・排ガスを根本的に解決し、瞬時のトルク発揮が可能になりました。発電に特化することで、低振動というREの長所を最大限に活かし、高回転フィールは音と駆動用ユニットで継承する戦略です。

【重量バランスと操縦性】

RX-7 (FD3S) / RX-8 時代:

  • フロントミッドシップレイアウトを採用し、理想的な50:50の前後重量配分を実現。RX-8はRX-7よりもエンジン搭載位置を低くしたため、ヨー慣性モーメントが5%低減され、高い旋回性能を誇っています

ICONIC SP / 次世代スポーツ予測:

  • 理想的な50:50を実現(RE前、モーター後輪近く配置)
  • ドライサンプ方式などで更なる低重心化を実現

技術的な進化ポイント: 伝統のハンドリング性能を継承しつつ、低重心化技術(ドライサンプなど)でさらに進化しました。電動化により、重量物であるバッテリーやモーターの配置を最適化できるため、より理想的な重量配分が可能になります。

【回転数と運転フィール】

RX-7 (FD3S) / RX-8 時代:

  • RX-8は9000回転まで回るなど、高回転域が魅力
  • ツインターボ(RX-7)や自然吸気(RX-8)のダイレクトな応答性

ICONIC SP / 次世代スポーツ予測:

  • 発電専用の場合は効率の良い回転数で固定運転
  • 駆動用ハイブリッドの場合はロータリーの高回転フィールとモーターのトルクを両立

技術的な進化ポイント: 発電に特化する場合も、ロータリー特有の滑らかな回転サウンドは残り、モーターの瞬発力と組み合わさることで新しい走行フィーリングを実現します。駆動用ハイブリッドであれば、ロータリーの高回転フィールを直接体感できる可能性があります。

【燃費と環境性能】

RX-7 (FD3S) / RX-8 時代:

  • 燃費が悪く、排ガス規制に対応しづらい
  • 特にRX-8は実用燃費がリッター5~7km程度と厳しい数字

ICONIC SP / 次世代スポーツ予測:

  • 最高効率での運転、CN燃料・水素対応
  • エコカー減税の可能性、PHEVとしての航続距離確保

技術的な進化ポイント: 電動化により燃費性能が飛躍的に向上し、環境性能もクリア。日常はEV走行で燃料を使わず、長距離ドライブでは発電により航続距離を確保するという理想的な使い方が可能になります。

魅力を次世代へ継承する文化的意義

マツダ公式サイトへ

RX-7時代は、1200kg台の車体に280馬力のツインターボを積んだ「公道を走るレーシングカー」としてファンを虜にしました。RX-8は、観音開きが特徴的な4ドアモデルとなり、フリースタイルドアやピラーレス構造を実現。後部座席のスペースを広く取り、ファミリーを意識し、さらにはトランクまでも搭載されているので家族で楽しむ為のロータリーエンジン搭載車へと驚きの変身を遂げました。

新型ロータリースポーツは、この「軽さ」「理想的なバランス」「高回転サウンド」といったロータリーの精神を継承します。特に、コンパクトなロータリーエンジンだからこそ実現できるRX-7 (FD3S)の正当進化と呼べる、流れるような低いフォルムが大きな魅力となります。

何よりも重要なのは、発電ロータリーシステムが、電動化時代においてエンジンの魅力(サウンドや回転フィール)を残す唯一の解決策であるということです。この復活は、単なる車の復活を超え、人類が生み出した独創的なアイデアの結晶であるロータリー技術を、次世代に継承するという文化的意義を担っています。


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まとめ:歴史の目撃者となる期待感

マツダのロータリーエンジン復活は、技術的な基盤(MX-30 R-EV)、プラットフォーム(CX-60 FR)、特許、そして経営方針(走りの価値)のすべてが一致した、計画的なプロジェクトです。ロータリーはマツダの独占技術であり、他メーカーが真似できないという圧倒的なアドバンテージを持っています。

マツダCTOの梅下氏は「技術面は揃ってきているので、ファンからもどんどん要望の声やリクエストをあげて欲しい」とコメントしており、ファンの後押しが量産化の決め手になる可能性を示唆しています。

この挑戦が成功すれば、マツダは「小さな日本メーカー」から、「唯一無二の技術を持つプレミアムブランド」へとブランド価値を一気に向上させ、日本の技術力を世界にアピールする最高の機会となります。

2026年から2027年にかけての発売が予測されている次世代ロータリースポーツは、**「生きているうちに体験できる最後のロータリーかもしれない」**という稀少性も相まって、世界中のファンにとって歴史的な出来事となるでしょう。


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【専門家解説】ロータリーの未来技術を理解するための例え

次世代ロータリーエンジンが「発電機」として特化することは、スポーツカーの構造を根本から変えます。これは、アスリートのトレーニング方法の革命に似ています。

従来のRX-7(直接駆動)は、アスリート自身が「走る(推進力)」と「呼吸する(効率良い燃焼)」を同時に全力で行う必要があり、高負荷時にはどちらかの効率が犠牲になっていました。

一方、次世代ロータリースポーツ(発電専用)は、アスリート(モーター)が走ることに完全に専念し、最新鋭の酸素供給装置(ロータリー発電機)が常に最高の効率で酸素を作り続け、アスリートに供給するイメージです。このシステムにより、アスリートは常時フルパワーを出し続けられるだけでなく、呼吸の心配をする必要がなくなり、エネルギー効率も飛躍的に向上するのです。

マツダのロータリー復活は、まさにこの「役割分担の最適化」を極限まで追求した結果であり、電動化時代だからこそ実現できる革新的なアプローチなのです。

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ロータリー開発現場からの「不屈の魂」の叫び

開発室の明かりは、一度たりとも消えていなかった――。 逆風の中で歯を食いしばり、技術を磨き続けたエンジニアたちの、血の滲むような決意の言葉です。

【開発主査クラスの言葉】「灯火(ともしび)は、絶対に消させない」

「世間では『ロータリーは終わった』と言われました。燃費が悪い、環境に合わないと。しかし、我々開発チームの心の火は、一度だって消えたことはありません。 誰もいない深夜の研究室で、我々は問い続けました。『マツダからロータリーがなくなったら、それはマツダと言えるのか?』と。

8C(新型ロータリー)の開発は、まさに戦いでした。コンパクトさを極め、発電機として生まれ変わらせる。これは妥協の産物ではありません。**『生き残るための進化』**です。 モーター駆動の時代だからこそ、ロータリーの静粛性とコンパクトさが武器になる。我々は証明したかったのです。このおむすび型のエンジンには、まだ世界を変えるポテンシャルがあるのだと。待っていてくれたファンの皆様へ、これが我々の回答であり、新たな挑戦の狼煙(のろし)です」

【若手パワートレーンエンジニアの言葉】「憧れを、過去の遺産にはしない」

「私がマツダに入社したのは、子供の頃に聞いた787Bのサウンド、あのロータリーサウンドに魂を抜かれたからです。だからこそ、REを『過去の伝説』として博物館に飾るだけの存在には絶対にしたくなかった。

カーボンニュートラル燃料を使えば、ロータリーは再びスポーツカーの心臓になれる――。『ICONIC SP』の構想を聞いた時、武者震いが止まりませんでした。ロータリーは雑食なんです。水素でも、バイオ燃料でも燃やせる。

構造がシンプルだからこそ、どんな時代にも適応できる。『ロータリーこそが、内燃機関を救う希望になるかもしれない』。そんな大それた夢を本気で信じて、僕たちは毎日油まみれになっています。このエンジンを積んだスポーツカーが公道を走るその日まで、僕たちの手は止まりません」

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ロータリー復活を待ち焦がれた「熱狂ファン」の叫び

理屈じゃない。燃費や効率を超えたところにある「ロマン」に取り憑かれた者たちの、悲願と歓喜の声です。

【歴代RX-7オーナーの言葉】「この振動のなさを、この高揚感を体が覚えている」

「EVが速いのはわかってる。静かなのもわかってる。でも、違うんだよ。 アクセルを踏み込んだ瞬間、どこまでも突き抜けていくようなあの回転フィール。モーターのように滑らかでありながら、確実に『生き物』が呼吸している感覚。あれはロータリーにしか出せない麻薬だ。

長かった。本当に長かったよ。もう二度と新車のロータリーには乗れないと諦めかけていた。でも、マツダは裏切らなかった。発電用だっていい、2ローター化の可能性が見えただけで涙が出そうだ。**俺の左足は、まだクラッチを踏む感覚を忘れていない。**貯金通帳とハンコは準備できている。あとはマツダが『発売』と言うだけだ!」

【RX-8から乗り換えられないファンの言葉】「マツダを選ぶ理由は、これ一つで十分だ」

「友人に『なんでそんな維持費のかかる車に乗ってるの?』と笑われるたびに、ボンネットの下にあるエンジンのことを想って誇らしくなった。世界中でマツダだけが量産に成功した、唯一無二の技術。それに乗っているというプライドだけで、今日まで維持してきました。

ジャパンモビリティショーでICONIC SPを見た時、会場の誰よりも先に泣いた自信があります。あの美しいプロポーションに、ロータリーが載っている。それだけで、これまでの維持費も苦労もすべて報われた気がしました。 『おかえり』なんて言葉じゃ足りない。ありがとう、マツダ。僕たちの夢を繋いでくれて」

【20代・若きクルマ好きの言葉】「伝説を、リアルタイムで体験したい」

「僕が免許を取った時には、もうRX-8は生産終了していました。YouTubeで見る雨宮のFDや、ゲームの中の787Bしか知らない世代です。 『ロータリーは壊れやすい』『燃費が最悪』なんてネットの知識で知ったかぶりをしてたけど、心の底ではずっと羨ましかった。おじさんたちが熱く語る『あの感覚』を、僕も味わってみたいんです。

新しいロータリーが出るなら、借金してでも買います。それがEVとのハイブリッドでも構わない。マツダが魂を込めて作ったロータリー車を所有して、アクセルを踏み込む。その瞬間こそが、僕にとっての『免許皆伝』だと思っているから」

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ロータリーエンジンそして未来へ

「ロータリーは、終わった技術だ」

世間がそう囁き、効率と電動化の波が自動車業界を飲み込もうとしていた長い冬の時代。それでも、広島の空の下で、その「おむすび型」の魂を決して手放さなかった人たちがいました。

私たちファンもまた、心のどこかで信じていました。「マツダなら、きっとやってくれる」と。

そして今、私たちは歴史的な転換点に立ち会っています。ロータリーエンジンの復活は、単なるノスタルジーや過去の遺産の再生産ではありません。それは、**「内燃機関が生き残るための、未来への最終兵器」**としての帰還なのです。

逆境を「強み」に変えたイノベーション

かつて燃費や排ガス規制という壁に阻まれ、表舞台から姿を消したロータリーエンジン。しかし、その最大の武器である「コンパクトさ」と「静粛性」、そして何よりも「燃料を選ばない雑食性」は、カーボンニュートラル社会において、他のどのエンジンにも真似できない最強の強みへと進化しました。

MX-30 Rotary-EVで見せた「発電機」としての新たな役割。それは、モーター駆動の電動車でありながら、内燃機関の鼓動を感じられるという、マツダにしか描けない電動化の回答でした。

さらに、コンセプトカー「ICONIC SP」が示した未来は、私たちをより一層熱狂させました。 水素やカーボンニュートラル燃料(e-fuel)といった次世代エネルギーとロータリーの親和性は極めて高いと言われています。吸気室と燃焼室が分かれているロータリーの構造は、異常燃焼(バックファイア)が起きやすい水素燃料において、レシプロエンジン以上の安全性を担保できる可能性を秘めているのです。

つまり、かつて「ガソリンを食う」と揶揄されたエンジンが、今や**「地球に優しい燃料を最も効率よく燃やせるエンジン」**へと生まれ変わろうとしているのです。これほどドラマチックな逆転劇があるでしょうか。

回転し続ける「飽くなき挑戦」の象徴

ロータリーエンジンが回転し続ける限り、そこにはマツダの「Never Stop Challenging(飽くなき挑戦)」の精神が宿り続けます。

開発者たちの「灯火を消さない」という執念と、それを待ち続けたファンたちの熱狂。この二つの想いが交錯し、技術的なブレイクスルーを生み出しました。 私たちは、EV一辺倒になりつつある世界に対して、**「多様な選択肢(マルチパスウェイ)」**を提示するマツダの勇気ある姿勢に、ただならぬロマンを感じずにはいられません。

内燃機関の音、振動、そして操る喜び。これらを過去の遺物として博物館に封じ込めるのではなく、最先端の環境技術と融合させて未来へ連れて行く。ロータリーエンジンは、もはやマツダ一社の技術ではなく、**「クルマ好きの未来を守るための希望の光」**と言っても過言ではないでしょう。

終わりなき旅路へ

三角形のローターは、再び回り始めました。 しかし、これはゴールではありません。ここからが、カーボンニュートラルという未知の領域へ向けた、新たな冒険の始まりです。

いつか、水素やバイオ燃料で走る真紅のスポーツカーが、あの甲高いロータリーサウンドを響かせながら、私たちの目の前を駆け抜けていく日が必ず来ると信じています。その時、私たちは改めて確信するはずです。 「信じて待っていてよかった」と。

ロータリーエンジンは、不滅です。 その回転が止まらない限り、自動車の未来は、私たちが想像するよりもずっとエキサイティングで、愛に満ちたものになるでしょう。 さあ、マツダと共に、次の未来へ。エンジンを始動させましょう。