Security Days Nagoya 2026開催!SDV時代の自動車セキュリティを網羅する注目セッションと見どころを徹底解説

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自動車業界は今、100年に一度と言われる大変革の真っただ中にいます。「走るコンピュータ」という表現ももはや古く、「ソフトウェアによって定義される車両(SDV:Software Defined Vehicle)」へと急速に進化を遂げています。このSDV化は、私たちにこれまでにない利便性と可能性をもたらす一方で、**「自動車のセキュリティ」**という、かつてないほど重要で複雑な課題を突きつけています。

そんなSDV時代の自動車セキュリティの最前線を体感できるビッグイベントが、自動車産業の心臓部である名古屋で開催されます。その名も「**Security Days Nagoya 2026 – Automotive Spring**」!

今回は、このSecurity Days Nagoya 2026の開催概要から、SDV時代の主要な講演トピック、そして自動車業界関係者にとって必見の主要セッションの詳細まで、どこよりも深く、そして分かりやすく徹底的に解説していきます。一般の方にも理解できるよう専門用語はかみ砕きつつ、しかし業界関係者の方にもご満足いただけるよう、一歩踏み込んだ情報もお届けする、まさに「全部盛り」の記事です!

SDV時代の自動車の未来を理解し、その安全を守るための「答え」を見つける旅に、ぜひ最後までお付き合いください!

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 Security Days – Automotive Spring 2026(Security Days Spring 2026と併催)

会期 | 2026年3月18日(水)・19日(木) |
講演 | 9:30 – 17:30 |
展示 | 10:00 – 17:00 |
会場 | JPタワー名古屋 ホール&カンファレンス(KITTE 3F) |
参加料金 | 無料(事前登録制) |
主催 | 株式会社ナノオプト・メディア |

愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番1号 JPタワー名古屋B1~3F

クルマでのアクセス・駐車場

このイベントは、自動車業界における情報セキュリティの重要性が高まる中、その最先端を体感できる貴重な機会です。特に、名古屋という自動車産業の中心地で開催されることからも、その影響力の大きさがうかがえます。

本イベント最大の「見どころ」:SDVに特化した濃密な二日間!

Security Days Nagoya 2026の最大の特徴、それは3月19日(木)が**「Automotive(自動車)」に特化した特別プログラム**となっている点です。

近年、自動車は単なる移動手段から、まさに「走るスマートデバイス」へと変貌を遂げています。このSDV(ソフトウェア定義車両)への移行が加速する中で、従来のITセキュリティの枠を超え、車両そのものの安全性や製品セキュリティに焦点を当てた展示と講演がこれでもかと集結します。

さらに、このイベントの魅力は、たった1日に留まりません。18日と19日では参加企業や展示内容が異なるため、2日間通じて参加することで、汎用的なサイバーセキュリティから自動車特有の課題までを一気通貫で把握できる構成となっています。これは、まさに「セキュリティの森」と「自動車セキュリティの深淵」を同時に探求できる、他に類を見ないチャンスと言えるでしょう。

一般の方にとっては、SDVが私たちの生活にどのような変化をもたらし、その裏側でどのようなセキュリティ対策が講じられているのかを具体的に知る絶好の機会です。例えば、自動運転技術の進化は、サイバー攻撃のリスクと常に隣り合わせです。ハッキングによって車両が遠隔操作される、あるいは個人情報が漏洩するといった事態は、SFの世界の話ではなく、現実的な脅威となりつつあります。このイベントでは、そうした最新の脅威と、それに対抗する技術の最前線に触れることができます。

業界関係者、特に自動車メーカー(OEM)やサプライヤーの方々にとっては、自社の製品やサービスを守る上で不可欠な最新の知識とソリューションを効率的に収集できる場となるでしょう。SDVの進化は、サプライチェーン全体でのセキュリティ意識の向上と対策を不可欠にしています。

産官学連携の信頼性:見逃せない「情報共有分析センター(ISAC)」の存在

本イベントの見逃せないもう一つのポイントは、多数のISAC(情報共有分析センター)や業界団体が後援している点です。

ISACとは、特定の産業分野におけるサイバーセキュリティに関する脅威情報や脆弱性情報を収集・分析し、その情報を参加企業間で共有することで、業界全体のセキュリティレベル向上を目指す組織です。自動車業界においては、「Japan Automotive ISAC(J-Auto-ISAC)」がその中核を担っています。

このような公的な機関や業界団体が深く関与しているということは、このイベントで得られる情報が、産官学が連携した信頼性の高い知見であることの証です。最新の脅威動向から、国際的な規制や法規への対応策、そして具体的な対策ソリューションまで、まさに「今、本当に必要な情報」が凝縮されていると言えるでしょう。

一般の参加者の方々にとっては、専門家がどのような情報に基づいて自動車のセキュリティを構築しているのか、その「情報源」と「連携の仕組み」を垣間見ることができる貴重な機会です。私たちユーザーが安全に自動車を利用できるのは、こうした情報共有と連携の努力があってこそなのです。

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SDV(ソフトウェア定義車両)時代における主要な講演トピック:未来の車を守る鍵とは

自動車が「走るコンピュータ」から「ソフトウェアによって定義される乗り物(SDV)」へと進化を遂げる中、セキュリティのあり方も根本的な変革を迫られています。SDVは、これまでハードウェアが担っていた機能の多くをソフトウェアが代替・制御するコンセプトであり、これによりOTA(Over-The-Air)による機能アップデートや、ユーザーによるカスタマイズが容易になります。しかし、その一方で、ソフトウェアの脆弱性が車両全体の安全性に直結するリスクも増大しています。

本イベントでは、SDV時代のこうした複雑な課題に対し、以下の重要な切り口から議論が展開されます。

生成AIとIoTがもたらす新たなリスク:技術革新の光と影

コネクテッドカーの普及に伴うIoT化、そして開発工程への生成AI導入は、自動車の機能性と利便性を飛躍的に向上させました。しかし、その裏側には、これまでとは異なる新たなセキュリティリスクが潜んでいます。

コネクテッドカーとは、インターネットと常時接続された自動車のことです。ナビゲーションシステムのリアルタイム情報、エンターテイメント機能、さらには車両診断データの送信など、その機能は多岐にわたります。しかし、ネットワークに接続されるということは、サイバー攻撃の「入り口」が増えることを意味します。

例えば、

  • 車両制御システムへの不正アクセス: 
    悪意のあるハッカーが車両のブレーキやステアリング、エンジン制御システムに侵入し、遠隔操作によって事故を引き起こす可能性があります。これは、物理的な生命の危険に直結するため、最も深刻なリスクの一つです。
  • 個人情報・走行データの漏洩: 
    コネクテッドカーは、ドライバーの走行履歴、位置情報、さらには車内での会話データなど、膨大な個人情報を収集しています。これらのデータが不正にアクセスされ、漏洩した場合、プライバシーの侵害だけでなく、犯罪に悪用される可能性も考えられます。
  • インフォテインメントシステムの脆弱性: 
    車内のエンターテイメントシステムやナビゲーションシステムに脆弱性があった場合、そこから車両の基幹システムへの侵入を許してしまうケースも考えられます。まるで、家の玄関が施錠されていても、窓が開いていれば侵入されるのと同じです。

これらのリスクに対し、専門家は「多層防御」という考え方で対抗しています。これは、車両内の各ECU(電子制御ユニット)ごとにセキュリティ対策を施すだけでなく、車両と外部ネットワーク間の通信を暗号化したり、異常なアクセスを検知するシステムを導入したりするなど、複数のセキュリティ層を設けることで、攻撃の成功確率を極限まで下げるアプローチです。

近年、自動車の開発現場では、設計、コード生成、テスト、さらには運転支援システムのアルゴリズム開発など、様々な工程で生成AIの活用が始まっています。生成AIは開発効率を飛躍的に向上させる可能性を秘めていますが、同時に新たなセキュリティ課題も生み出しています。

例えば、

  • AI生成コードの脆弱性: 
    生成AIが生成したコードの中に、意図せず脆弱性が含まれてしまう可能性があります。人間が書いたコードであればレビューやテストで見つけられる脆弱性も、AIの「思考プロセス」がブラックボックスであるため、発見が困難なケースも考えられます。
  • 学習データの汚染:
     生成AIは大量のデータで学習を行います。もし、その学習データの中に悪意のある情報や誤った情報が混入していた場合、AIが誤った判断をする、あるいは悪意のあるコードを生成する「データ汚染」のリスクがあります。
  • AIモデルの乗っ取り: 
    生成AIモデル自体がサイバー攻撃の標的となり、不正に操作されたり、機能が停止させられたりする可能性もゼロではありません。

本イベントでは、これらの未知の脆弱性やリスクについて、専門家がこれまでの知見や最新の研究成果に基づき詳しく解説します。一般の方にとっては、最先端技術がどのようにリスクと向き合っているのかを知る良い機会であり、業界関係者にとっては、自社のAI導入戦略におけるセキュリティ対策を再考するきっかけとなるでしょう。

国際規格・法規への対応:グローバル市場で必須となるコンプライアンス

自動車のSDV化は、国際的なサイバーセキュリティ法規の整備を加速させています。特に「UN R155」と「UN R156」は、自動車メーカー(OEM)だけでなく、そのサプライヤーにとっても死活問題となっています。これらの法規への対応は、もはや「任意」ではなく、グローバル市場でビジネスを展開するための「必須条件」なのです。

UN R155は、自動車のサイバーセキュリティマネジメントシステム(CSMS)に関する国際法規です。簡単に言えば、「自動車メーカーは、車両の開発から生産、そして市場での運用・廃棄に至るまで、製品ライフサイクル全体を通じてサイバーセキュリティリスクを管理する体制を構築しなさい」ということを求めています。

この法規のポイントは以下の通りです。

  • ライフサイクル全体での管理:
     開発段階でのセキュリティ設計、生産ラインでの脆弱性対策、そして車両が市場に出てからの継続的な監視とアップデート(OTAなど)まで、包括的な管理が求められます。
  • リスクアセスメントの実施: 
    どのようなサイバー攻撃のリスクがあるのかを特定し、そのリスクが車両の安全性やユーザーのプライバシーに与える影響を評価する必要があります。
  • 脆弱性管理体制の構築: 
    脆弱性が発見された場合に、迅速にその情報を共有し、対策を講じるための体制(PSIRT: Product Security Incident Response Teamなど)が不可欠です。

この法規は、OEMだけでなく、部品を供給するサプライヤーにも大きな影響を与えます。サプライヤーもまた、自社が提供する部品のサイバーセキュリティリスクを管理し、OEMに対してその情報を提供する責任を負うことになるためです。

UN R156は、ソフトウェアアップデートマネジメントシステム(SUMS)に関する国際法規です。これは、SDV化の大きなメリットであるOTA(Over-The-Air)アップデートを安全かつ確実に実施するための要件を定めています。

OTAアップデートは、リコールのような物理的な回収を伴わずに、車両の機能改善やセキュリティパッチの適用を遠隔で行える非常に便利な技術です。しかし、もしこのアップデートプロセス自体が乗っ取られたり、不正なソフトウェアが配信されたりすれば、車両は深刻な危険にさらされます。

UN R156は、以下のような点を求めています。

  • アップデートの真正性と完全性:
     配信されるソフトウェアが正規のものであり、改ざんされていないことを保証する仕組み(電子署名など)が必要です。
  • アップデートの安全性: 
    アップデート中に車両が予期せぬ動作をしないよう、安全対策が講じられていること。
  • アップデートの追跡可能性: 
    どの車両に、いつ、どのようなソフトウェアがアップデートされたのかを記録し、追跡できること。
  • アップデート情報の提供: 
    ユーザーに対して、アップデートの内容や安全に関する情報が適切に提供されること。

本イベントでは、これら国際規格への具体的な適応策が焦点となります。単に「対応しなければならない」というだけでなく、どのようにすれば効率的かつ確実にこれらの要件を満たせるのか、実務的なアプローチが議論されることでしょう。グローバル展開を行う自動車メーカーやサプライヤーにとって、このセッションは2026年時点の最新ロードマップを確認できる、まさに生命線とも言える貴重な機会となります。

製品安全とセキュリティの融合:SafetyとSecurityの境界線が消える時代

SDVにおいては、セキュリティの不備が直接的に物理的な安全性(Safety)に影響を与えます。従来の自動車開発では、「Safety(安全性)」と「Security(セキュリティ)」は、それぞれ異なる専門分野として扱われることがほとんどでした。Safetyは、衝突安全性や故障時の誤作動防止といった物理的な安全を指し、Securityは、サイバー攻撃や情報漏洩といった情報セキュリティを指していました。

しかし、SDVでは、ソフトウェアの不具合やサイバー攻撃が、物理的なSafetyに直結する可能性が極めて高くなっています。

例えば、

  • 自動運転システムのハッキング: 
    自動運転中にサイバー攻撃によってセンサー情報が改ざんされたり、制御システムが停止したりすれば、重大な事故につながります。
  • OTAアップデートの失敗: 
    重要な安全関連のソフトウェアアップデートが失敗したり、途中で妨害されたりすれば、車両が正常に動作しなくなる恐れがあります。
  • バッテリー管理システムの脆弱性: 
    電動車のバッテリー管理システムに脆弱性があった場合、過充電や過放電を引き起こし、発火などの危険性を生じさせる可能性もあります。

このように、SDVではSafetyとSecurityの境界線が曖昧になり、両者を統合的に捉えて対策を講じるSafety of the Intended Functionality (SOTIF)」や「Road Vehicles – Cybersecurity Engineering (ISO/SAE 21434)」といった新たな考え方が重要視されています。

本イベントでは、ソフトウェア更新(OTA)の安全性確保など、新たな局面を迎えた製品安全の考え方が提示されます。これは、単に技術的な問題だけでなく、組織体制や開発プロセス、品質保証のあり方までをも見直す必要がある、ということを意味します。自動車業界に携わる者として、この「製品安全とセキュリティの融合」というテーマは、未来のモビリティの安全性を担保する上で、最も深く掘り下げるべき領域の一つと言えるでしょう。

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自動車セキュリティに特化した19日の主要セッションの詳細:業界リーダーたちの知見に触れる

自動車業界関係者にとって「本番」とも言える3月19日(木)には、業界を牽引するリーダーたちによる極めて濃密なセッションが予定されています。これらのセッションは、SDV時代の自動車セキュリティを理解し、実務に活かすための羅針盤となるはずです。

自動車へのサイバー攻撃とJ-Auto-ISACの活動

  • 登壇者:東京電機大学 名誉教授 佐々木 良一 氏
  • 内容: 巧妙化する自動車へのサイバー攻撃の現状を分析し、業界全体で脅威情報を共有・分析する「Japan Automotive ISAC(J-Auto-ISAC)」の最新の活動状況や、攻撃に対する防衛戦略の指針が示されます。

このセッションは、SDV時代のサイバー脅威がどこから来て、どのように進化しているのか、その「リアル」を知る上で不可欠です。佐々木良一教授は、長年にわたり情報セキュリティ研究の第一線で活躍されており、特にJ-Auto-ISACの立ち上げにも深く関わってこられた、まさに日本の自動車セキュリティの**「生き字引」**とも言える存在です。

講演では、具体的なサイバー攻撃事例が紹介されることが予想されます。例えば、

  • CANバスへの不正アクセス:
     車両内の各ECU間をつなぐ通信網であるCAN(Controller Area Network)バスへの不正アクセスによって、車両の機能が乗っ取られたり、誤作動させられたりする事例。
  • キーフォブ(スマートキー)の脆弱性:
     スマートキーの信号を傍受・中継することで、車両を不正に解錠・始動させる「リレーアタック」などの手口。
  • 充電インフラの脆弱性:
     電動車の充電ステーションや充電プロトコルに存在する脆弱性を悪用した攻撃。

これらの事例を通じて、攻撃者がどのような手法を用い、どのような情報を狙っているのかを具体的に知ることで、より実践的な防御策を考えることができます。

さらに、このセッションの核となるのは「J-Auto-ISACの活動」です。J-Auto-ISACは、自動車メーカー、部品サプライヤー、関連する研究機関や政府機関が連携し、サイバー攻撃の脅威情報をリアルタイムで共有し、分析を行うことで、業界全体のセキュリティレベル向上を目指しています。

この活動は、個々の企業が単独でサイバー脅威に対抗するのではなく、業界全体で情報と知見を共有し、協力して防衛するという**「共助」の精神**に基づいています。講演では、J-Auto-ISACがどのように脅威情報を収集し、分析し、参加企業に共有しているのか、そしてその情報がどのように具体的な防御戦略に結びついているのかが詳細に語られることでしょう。

一般の方にとっては、自動車の安全がどのように「チームプレイ」によって守られているのかを知る良い機会です。業界関係者にとっては、J-Auto-ISACへの参加意義や、そこから得られる情報の活用法について深く理解できる、極めて実用的なセッションとなるはずです。

DX時代における製品セキュリティの取り組み ~Product Security as Qualityの実践~

  • 登壇者:株式会社デンソー 情報セキュリティ推進部 製品セキュリティ室長 平永 敬一郎 氏
  • 内容: 日本を代表するメガサプライヤーであるデンソーが、セキュリティを「品質(Quality)」の一部として捉える高度な実践事例を紹介します。DX時代において、どのように製品開発プロセスにセキュリティを組み込むべきか、具体的なヒントが得られるはずです。

デンソーは、世界有数の自動車部品メーカーであり、その技術力と品質管理は業界内で高く評価されています。そのデンソーが「Product Security as Quality(セキュリティを品質の一部として捉える)」という思想を掲げ、どのように実践しているのかを知ることは、SDV時代の製品開発におけるセキュリティ対策の「あるべき姿」を理解する上で非常に重要です。

このセッションでは、以下の点に焦点が当てられると予想されます。

「セキュリティ・バイ・デザイン」とは、製品開発の初期段階からセキュリティを考慮し、設計に組み込むアプローチです。後からセキュリティ機能を付け足す(アドオンする)のではなく、最初からセキュアな設計を目指すことで、脆弱性の発生を抑制し、修正コストを低減できます。デンソーのような大規模なサプライヤーが、どのようにして開発チーム全体にこの思想を浸透させ、具体的な設計プロセスに落とし込んでいるのか、その実践事例は非常に参考になるはずです。

DX(デジタルトランスフォーメーション)が進む現代において、ソフトウェア開発はよりアジャイルに、より継続的に行われるようになっています。この中で、セキュリティは開発の各フェーズ(要件定義、設計、実装、テスト、リリース、運用)においてどのように組み込まれるべきでしょうか。

  • Secure Coding Guidelines: 
    開発者がセキュアなコードを書くための具体的なガイドラインやツールの導入。
  • 脆弱性診断(Penetration Testing/Fuzzing):
     開発中の製品に対し、擬似的なサイバー攻撃を行い、脆弱性を発見・修正するプロセス。
  • 脅威モデリング: 
    開発中のシステムに対して潜在的な脅威を特定し、そのリスクを評価・緩和するための手法。

平永氏の講演では、これらの具体的な取り組みが、デンソーという巨大組織の中でどのように運用され、効果を上げているのかが語られるでしょう。特に、サプライヤーとしてOEMからの厳しいセキュリティ要求にどのように応え、自社の品質を維持・向上させているのかという視点は、多くの企業にとって大きなヒントとなるはずです。

一般の方にとっては、私たちが普段目にすることのない「自動車部品の裏側」で、どれほど厳格なセキュリティ対策が行われているのかを知ることができます。自動車の信頼性が、まさに「品質としてのセキュリティ」によって支えられていることを実感できるでしょう。

自動車用サイバーセキュリティの各国動向(2026年版)

  • 登壇者:一般社団法人 日本自動車工業会 エレクトロニクス部会 川名 茂之 氏
  • 内容: 刻一刻と変化する世界各国のサイバーセキュリティ規制や政策の最新トレンドを、自工会の視点から網羅的に解説します。グローバル展開を行う企業にとって、2026年時点の最新ロードマップを確認できる貴重な機会です。

自動車産業はグローバルビジネスであり、各国・地域によってサイバーセキュリティに関する法規制や要求事項が異なります。このセッションは、その複雑な国際動向を整理し、2026年時点の「最新ロードマップ」を提供するものです。

登壇される川名茂之氏は、日本自動車工業会(自工会)のエレクトロニクス部会に所属されており、日本の自動車業界を代表して国際的な規制動向の把握や政策提言に携わっておられる方です。その視点から語られる情報は、まさに**「公式見解」**に近い、信頼性と網羅性の高いものとなるでしょう。

講演では、UN R155/R156の適用状況や解釈に加え、以下のような各国・地域の動向が解説されると予想されます。

  • 欧州連合(EU)の動向: 
    EUは自動車サイバーセキュリティにおいて先行しており、UN R155/R156の導入を積極的に進めています。また、GDPR(一般データ保護規則)など、データプライバシーに関する厳しい規制も自動車業界に大きな影響を与えています。
  • 米国の動向: 
    米国では、国家道路交通安全局(NHTSA)がサイバーセキュリティガイドラインを策定しており、自動車メーカーに対し、サイバー攻撃への対応計画や脆弱性開示ポリシーの策定を促しています。また、連邦政府によるサプライチェーンセキュリティ強化の動きも注目されます。
  • 中国の動向: 
    中国は、自動車のデータセキュリティやマップデータ規制など、独自の厳しい規制を導入しています。特に、中国国内で生成されたデータは中国国内に保存しなければならないといった「データローカライゼーション」の要求は、グローバル企業にとって大きな課題となっています。
  • 日本の動向:
     日本政府も、自動車サイバーセキュリティに関する検討会を設置し、国産自動車メーカーの競争力維持と安全確保のための施策を進めています。

これらの情報を包括的に理解することで、グローバル展開を行う企業は、各国の規制要件に適切に対応し、ビジネスリスクを低減することができます。特に、異なる規制要件を持つ国々で製品を展開する際には、各国ごとのローカライズ戦略や、共通プラットフォームでの対応策が重要になります。

一般の方にとっては、世界の自動車メーカーが、どのような「ルール」の中で安全な車づくりを行っているのかを知る機会です。単に便利なだけでなく、世界中の法規に準拠し、安全性が担保された車が私たちの手元に届いている、その背景にある努力と複雑な国際関係を理解できるでしょう。

自動車業界におけるSBOM活用

  • 登壇者:一般社団法人 Japan Automotive ISAC
  • 内容: ソフトウェアの部品表である**SBOM(Software Bill of Materials)**の活用は、脆弱性管理の要です。複雑なサプライチェーンを持つ自動車業界において、どのようにSBOMを運用し、透明性を確保していくべきかという実務的な議論が展開されます。

SBOM(Software Bill of Materials)」とは、ソフトウェアを構成する全てのコンポーネント(部品)とそのバージョン、ライセンス情報などをリスト化したものです。イメージとしては、自動車のハードウェア部品リストのソフトウェア版と考えると分かりやすいでしょう。

SDVは、数億行にも及ぶ膨大なソフトウェアコードで構成されており、その多くはオープンソースソフトウェアやサードパーティ製のライブラリです。これらのソフトウェアコンポーネント一つ一つに脆弱性が潜んでいる可能性があり、それが車両全体のセキュリティリスクにつながることもあります。

SBOMの活用は、この複雑なソフトウェアサプライチェーンにおける脆弱性管理の要となります。このセッションでは、J-Auto-ISACという業界団体が、自動車業界特有の課題を踏まえ、どのようにSBOMを運用し、サプライチェーン全体のセキュリティ透明性を高めていくべきか、その実務的な議論を展開します。

具体的には、以下のようなテーマが議論されると予想されます。

自動車業界のサプライチェーンは非常に多層的で複雑です。Tier1サプライヤー、Tier2サプライヤー、さらにその下のソフトウェアベンダーまで含めると、SBOMの作成と共有には標準化されたフォーマットとプロトコルが不可欠です。SPDX(Software Package Data Exchange)やCycloneDXといった国際的なSBOMフォーマットの活用方法や、それらをどのように自動車業界のニーズに合わせていくかが議論されるでしょう。

SBOMを作成するだけでは不十分です。各ソフトウェアコンポーネントに既知の脆弱性があるかどうかを、継続的に監視し、その情報をSBOMと連携させることが重要です。NVD(National Vulnerability Database)のような公的な脆弱性データベースや、各ベンダーが提供する脆弱性情報をどのようにSBOMと紐付け、リスクを評価していくのかが実務的な課題となります。

ソフトウェアは常に更新され、新しいバージョンがリリースされます。SBOMもまた、製品のライフサイクルを通じて継続的に更新・管理される必要があります。OTAアップデートによってソフトウェアが変更された場合、その変更をSBOMに反映させ、最新の状態を維持するための運用体制も重要になります。

このセッションは、自動車メーカーやサプライヤーの技術者、品質管理担当者、CISO(最高情報セキュリティ責任者)の方々にとって、自社のソフトウェアサプライチェーンの透明性を高め、脆弱性管理を強化するための具体的なアクションプランを検討する上で、極めて価値のある情報となるでしょう。

一般の方にとっては、「自動車のソフトウェアが、どのような仕組みで安全に保たれているのか」という、普段は見えない部分の解説です。SBOMという仕組みがあるからこそ、私たちは安心して最新のテクノロジーが詰まった車に乗ることができるのだ、と理解を深めることができるでしょう。

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まとめ:SDV時代の荒波を乗り越えるための「答え」がここにある!

Security Days Nagoya 2026 – Automotive Springは、単なる知識の習得に留まらない、SDV時代の自動車セキュリティを多角的に捉え、実践に結びつけるための総合的なイベントです。

最新ソリューションの展示ブースでは、各社が開発した最先端のセキュリティ技術やツールを直接見て触れることができます。講演で得た知識を、具体的なソリューションと結びつけることで、より深い理解と実践的な応用が可能となるでしょう。

また、来場者キャンペーンを通じたネットワーキングも、このイベントの大きな魅力です。同じ課題意識を持つ業界の仲間や、セキュリティ専門家との交流は、新たな知見やビジネスチャンスを生み出す貴重な機会となります。名刺交換から始まる出会いが、未来の自動車セキュリティを共に築き上げていくきっかけになるかもしれません。

SDV時代の荒波を乗り越え、安心・安全なモビリティ社会を実現するための「答え」は、まさにこのSecurity Days Nagoya 2026の会場で見つけることができるはずです。

自動車の進化は、私たちの想像を超えるスピードで進んでいます。その進化の恩恵を最大限に享受するためには、セキュリティという土台が何よりも重要です。このイベントを通じて、SDV時代の自動車セキュリティの「今」と「未来」を肌で感じ、私たちの社会をより安全で豊かなものにしていくための第一歩を踏み出しましょう。

私も、このイベントから得られる刺激と学びを、またこのブログで皆さんと共有できることを楽しみにしています!ぜひ会場でお会いしましょう!