図柄ナンバープレート総括と新全国版図柄ナンバープレート

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来年2022年3月より受付が開始される予定の新全国版図柄ナンバープレートに先駆け、一般者向け公募チラシ制作に関するアンケートが国土交通省から主要ディーラーの業務関係者に対し実施されました。

人気のあったオリンピックナンバーの受付が終了し、いよいよその後継となる全国版図柄ナンバープレートの受付が目前となって参りました。

我々受付発行に関わる事務方にとっては登録手続きにおける「手間だけ」忌まわしい代物でしかないものなですが過去の発行事情を踏まえ、図柄ナンバーの現状と今後を考えていく上でのご参考となればという主旨で「図柄ナンバープレート総括」として取り纏めてみました。

差し込み資料は全て国土交通省HPを参照しています。

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図柄入りナンバープレートの種類

○ 国土交通省においては、“走る広告塔”としてのナンバープレートの機能に着目し、図柄入りナンバープレートの導入を開始。

○ まずは、ラグビーW杯、東京2020オリパラの特別仕様ナンバープレートにより、大会の開催機運を醸成。

○ さらに、地域振興・観光振興に貢献すべく、平成30年10月1日より、地域の魅力ある風景や観光資源を図柄にした地方版ナンバーの交付を開始

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図柄入りナンバープレートの評価

ラグビーナンバーの推移

〇 交付開始から2ヶ月で申込みのピークを迎え、オリパラナンバーの申込みが始まった平成29年9月頃からは、申込みが大きく減少した。

〇 申込件数の7割以上が軽自動車における「寄付なし図柄」のナンバーであった。

〇 ラグビーワールドカップの大会期間中は、若干の増加がみられた。

オリパラナンバーの推移

〇 申込開始以降から増加傾向にあり、本年は大会開催年であったことから申込が増大し、終了間際では申込者が殺到、制作発行における期間延長も見られた。

〇 申込件数の8割以上が軽自動車における「寄付なし図柄」のナンバーである。

地方版ナンバーの推移

〇 交付開始当初は、好調な滑り出しであったが、その後は減少傾向にある。

地域により申込件数に大きな差が生まれている。

〇 申込件数の約9割が「寄付あり図柄」のナンバーである。

〇 オリパラナンバーは申込開始以降から増加傾向にあるものの、ラグビーナンバーと地方版ナンバーは申込開始直後にピークを迎え、その後は減少傾向にある。

〇 図柄入りナンバー全体では、申込開始以降、徐々に増加している。

図柄ナンバーを取り付けない理由

〇 図柄ナンバーを取り付けていない、もしくは取り付けたいと思わない理由としては、「ナンバー代が高額」の他、「図柄が気に入らない」 が多くなっている。

図柄ナンバー自体を「知らなかった」とする回答も一定数ある。

「知らなかった」は勧める側としても責任のあるアンケート結果ではないでしょうか

求められる新たな図柄入りナンバー

〇 図柄ナンバーの取付け割合が低い一方で、テーマによっては、図柄ナンバーを取り付けたいという
ユーザーは半数を超えている。

〇 どのようなものが描かれた図柄が良いかについては、「エンブレム・シンボルマーク」「観光名所・観光資源」「キャラクター」が同程度となっている。また、「テーマを表した模様であれば良い」という回答も一定数ある。

〇 どのようなテーマのものが良いかに対する回答としては、「観光振興」が最も多く、「スポーツ振興」が次に続く。

図柄ナンバー年齢別選択割合

〇 オリパラナンバーについては、年代が下がるほど、その選択割合が増えており、40代以下の年代に
おいては、半数を超えている。

地方版ナンバーについては、年代が上がるほど、その選択割合が増えており、60代以上の年代にお
いては、半数を超えている。

高齢者にはご当地ナンバーを勧めてみるのも良い方法ではないでしょうか

図柄ナンバー課題と今後の取組

○ ラグビーナンバー、オリパラナンバーが終了した後も引き続き、全国規模の様々な施策
をPRするツールとして、新たな全国版の図柄入りナンバーの活用が期待される。

○ 図柄ナンバーを継続して普及させていくためには、下記の問題を解決していくことが必
要である。

・一過性の人気(申込直後にピークを迎え、その後申込が大きく減少する。)
・テーマの近いナンバーが需要を分け合う
・地方版図柄入りナンバーの地域による格差
・図柄入りナンバーの割高感
・デザインにおいて、自動車ユーザーのニーズを満たせていない
・国民への周知不足

○ 全国規模の新たな図柄入りナンバープレートの導入

○ 新たな地方版図柄入りナンバープレートの導入を見据えた制度の検討

新全国版図柄ナンバープレート交付期間

新全国版プレートは、2022年4月頃から2027年3月までの間に交付することを予定

交付期間を5年間とし、3年経過した段階で交付実績による評価に基づき同一図柄での交付期間延長をするか図柄の変更をするかの方向性を検討するとしている

事業用と軽自動車の区分方法について

事業用自動車の緑枠、軽自動車の黄色枠について、王レート枠装着によって判別が困難となり為に、新たな全国版図柄ナンバープレートにおいても左上に塗色を追加することによって区別が出来るようにする

寄付無しプレートデザインの設定

ラグビーWC特別仕様、東京2020オリパラ特別仕様ナンバーにおいては、大会エンブレム等を活用し、寄付なしの場合はエンブレムのみが描かれたデザインを選べる仕様になっていた。

地方版ナンバーにおいては、固有のエンブレム等が無いことから、同一の図柄でモノトーンカラーとなるデザインを選べることとしていた。

よって新たな全国版図柄入りナンバープレートについては、固有のエンブレム等を有するものではないことから、同一の図柄でモノトーンカラーとなるデザインを選べることとした。

図柄デザインの色調範囲について

視認性に配慮した図柄デザイン提案がなされるよう指針として示されていた

表示文字付近については、文字色と同系色の使用は控え、マンセル表色系で下記の数値の範囲とすることが望ましい。

ガイドラインで規定するマンセル表色系の範囲イメージ(一部)

新全国図柄入りナンバープレートの取付け範囲

自動車ユーザーの希望に応じて、全国で交付され、自動車に取り付けられる(新車のみならず、既存のナンバープレートからの付け替えが可能)こととなります。

新全国版プレートはこれまでの図柄入りナンバープレートと同様に、登録自動車(自家用、事業用)、軽自動車(二輪を除く。)(自家用)を対象に交付されす。

新全国版図柄ナンバーデザイン募集と決定の背景

テーマ 「日本を元気に!」、「立ち上がれ!美しい日本」

応募資格 日本在住、応募日時点で30歳未満であること

応募期間 2021年2月1日から3月30日

応募者種別 個人 142名 団体 3名 計145名の応募

内、未成年者44% 成年56% / 学生が大半の106名(公社)自動車技術会等による学校を経由した周知活動が最も効果的であった。デザインコンペサイト「登竜門」で知ったとの回答も約31%

最終審査、候補5作品に関して国民意見募集 

期間 令和3年6月1日~6月14日の14日間

審査の選択キーワード

①全国版図柄入りナンバープレートとして共感が持てるデザイン

②テーマ(「日本を元気に!」、「立ち上がれ!美しい日本」)に即しているデザイン

③国際的に誇りが持てるデザイン

④自分の車につけたいデザイン(車をお持ちでない方はもしつけるとしたら)

新全国図柄ナンバー寄付金の使途について

その使われ方についての意見が寄せられていました。

寄付金としての趣旨

自動車ユーザーから任意の寄付金であること、「日本を元気に!」「立ち上がれ!美しい日本」をテーマとしていることを踏まえ、「道路交通におけるSDGs」の達成を掲げることを事務局案としたい。

意見内容

○ 「日本を元気に!」、「立ち上がれ!美しい日本」というテーマを掲げているので、テーマに沿って寄付金を使用することをわかりやすく表現すべきでは。SDGsに寄付金を使用するというと、テーマがわかりにくくなる。

○ 新たな全国版図柄入りナンバープレートを多くの方に付けていただけるようなコンセプト、ストーリーを検討してほしい。

新たなナンバープレート

日本全国47都道府県の県花をモチーフに、日本の美しさを表現

寄付金使途の基本的な考え方

・全国版の図柄入りナンバーであることから、寄付金の使途となる施策の範囲を全国とする。

・オリパラナンバーの後継であることから、バリアフリーの推進を取組の一つとして継承する。

・自動車ユーザーからの任意の寄付金であることから、自動車ユーザーに関連する道路交通に関する事業を対象とする。

・交通事故の削減(道路交通における先進技術の推進)

・観光振興(観光地の環境整備)

・あらゆる人の移動円滑化(道路交通のバリアフリー化、地域交通の確保)

・環境負荷の軽減(道路交通のカーボンニュートラルの推進)

上記を踏まえたコンセプト

コンセプトを踏まえた上で、自動車ユーザーの寄付が、自動車が社会に与える好影響を増大させる又は社会に与える悪影響を軽減する公共性の高い取組を実現するものであることを、自動車ユーザーに共感してもらうために、目指すビジョンを設定してはどうか。

目指すビジョンは「日本中の誰もが、安全・安心で楽しいお出かけができる新しいクルマ社会へ」とし、自動車ユーザーの寄付が「安全・安心で楽しいお出かけができる環境を実現する」ことへの課題を解決できるというストーリーで訴求してはどうか。

以上が現時点における全国版図柄ナンバープレートの交付における背景と流れになっています。

業務としての所感

地方版ナンバー(ご当地ナンバー)においては図柄によって人気の度合いが異なっていることから、今回審議に上がっている申込件数に応じて期間を定めデザインの見直しを図るような取り組みを地方版でも進めていく必要があるように思えます。

軽自動車の白ナンバー化とという理由から人気があり、特に図柄を省くことにできる寄付無しナンバーが圧倒的なシェアを占めていることから、特に人気の高かったオリンピックナンバーがロゴデザインのみで発行されるメリットが大きい。

よって図柄のあるナンバーしか選択できない今回の全国版図柄ナンバーは伸び悩むのではないかと推測されるのですが、スタート時点では珍しさからある程度の申込件数は増えると予想できます。

今回採用されるプレート枠線以外の追加塗装も気になっているところで、軽自動車の白ナンバーが限りなく白ナンバーに近いからこそ人気があったものとだと申込現場の感覚では推測していますが、どうしても黄色という判定材料は必要であるらしのです。

その原因は料金所が人の判断で行われいるかぎり、見た目に判断がしにくいという理由らしいのですが、料金所が完全無人化できた場合にはナンバープレートの色分けは必要なくなる時代がくるのかもしれません。