課税替(納税義務者の訂正)

業務

車両注文者(契約書)には買い主、所有者、使用者欄が存在するように三者の内の誰が税金(自動車税)を毎年納税していくのかを明確にしておく必要があります。

商談時点から所有者と使用者の確認は必須となりますが、納税義務者に於いては登録届出が行われる段階まで曖昧な案件もあり業務課の確認事項として悩ませる要件でもあります。

登録届出後に訂正も可能ではありますが、今回表題としているテーマ「課税替」に於ける様々な案件の中から一部ご紹介を致します。業務課の重要な手間の一旦として各位ご理解して頂けたら幸いです。

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登録車の抹消手続き後の課税替申請

一般的に発生する課税替申請案件です。

登録車を下取った以降に、廃車(抹消登録)を行いますと納税義務者に対し翌年3月迄の残月数分の自動車税の払い戻しが行われます。

納税義務者に郵送で確認書が届き、振込口座等を記入の上申請手続きします。

原則は納税義務者に返納となりますが、商談内容によっては自動車税の残月価値分も下取価格に含まれるという認識で価格を協定する場合が大半です。

下取後にその下取車を名義変更するか抹消手続きをするかは下取後のディーラーに委ねられるからです

商談時に自賠責残価も含めて厳密に査定価格を設定する必要がありますが結構曖昧な価格設定の上で商談が決めれていくケースは少なくありません。

(ディーラーでは店頭商談時には決めて頂く事(即決)が大前提ですので

話が長くなりました、下取車(登録車)を抹消登録処理し自動車税の残価分をお客様ではなくディーラーへ頂く(振り込まれる)ようにするためには、予め納税義務者に課税替を承認して頂けるよう委任状を頂いておく必要があります。自動車税事務所に上記委任状を添付の上課税替申請をディーラーが行います。

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登録届出時に納税義務者の誤申請を行った後の訂正課税替申請

登録時に自動車(環境性能割[取得に係る税金]・種別割[毎年支払う自動車税])申告書 にて誰がいくら納めるかを申請する書面を提出する訳ですが、ディーラーでこの書類を全て記入する訳ではありません

契約している登録代行業者(各都道府県のディーラーや販売店が加盟している協会)に依頼を行い代書代行を行っています。

そこで、登録届出依頼書の記載ミスや伝達ミス等により誤った納税義務者として登録届出申請を行ってしまうことも起こります。

登録届出当日で修正可能な場合には訂正が可能ですが、翌日以降に間違いが発覚した場合には改めて「課税替」の申請書を提出する必要があります。

一般的な課税替申請(申立)書の提出

提出先は

小型車 翌日以降、各都道府県の自動車税事務所窓口へ提出
軽自動車 書類か市町村役場に届いたタイミング以降(翌月15日程度)に各市町村役場の税務課に提出

提出内容は以下の通り 書式は窓口により異なりますが以下内容が備わっていれば可能では

自動車税申告書の納税義務者訂正申立書

令和 年 月 日
         殿
住 所(所 在 地)
申 立 者 氏 名(名 称)
電 話

下記車両について、 自動車税申告書(報告書)の納税義務者を誤って申請しましたので、訂正をお願いいたします。
    記
車両番号
車台番号
正しい納税義務者 1所有者 2使用者
所有者 住所(所在地)
    氏名(名称)
使用者 住所(所在地)
    氏名(名称)
使用の本拠の位置
理由(車両の所有形態) 1リース 2所有権留保 3その他(  )
——————————————————–
【添付書類】1新旧自動車検査証の写し
      2納税義務者の誤りに至った経緯

新規登録届出の誤った申請に於いては所有者、使用者共に印鑑が必要になります。リース車の誤りの際には契約者も法人であることが多いため事後申請に業務(担当者)の業務負担は必須です。

誤りに至った経緯の証明として売買契約者の写しの提出が必要になってきます。

申立書の提出において印鑑が省略できたケース

上記のリース契約における課税替の発生において契約者が大口法人だったりお得意先で理由を伝えにくいといったケースの発生します。申請を誤ったのがディーラー側のミスである為です。

事例として提出書類に公印が必要なかったケースをご紹介しておきます。

経緯 リース会社と契約者との都合により支払いが手形等により決済が遅れる為一時的に所有権留保契約としてディーラー所有にて届出を行った。この契約では使用者課税となります。手形満期により所有権解除における移転届出を行った際に所有者がリース会社であった為にリース車として届出を行ってしまい所有者課税(リース)として届出を行ったしまった。

後に誤りに気が付き申立書を市役所税務課に提出を行ったというケースです。

誤ったのは一方的にディーラーのミスであり、長期間に遡っての公印訴求にも無理がありという理由から申立者をディーラー名としディーラーの公印でもって申請を行うものとした。

【添付書類】においてはリース契約は存在しないことから契約書提出は無し

間違いに至った経緯については

「新規届出で所有権留保(使用者課税)にて届出を行っていましたが、所有権解除届出の際に誤って所有者課税(リース)として申請を行ってしまいましたので訂正をお願いしす。」

上記理由にて申請を行い受理をして頂きました。

押さえておきたい新規届出における自動車税申告書記載内容

自動車税申告書に記載する内容において様々な申請区分を選択指定記載します。その際に代書業務において伝達ミスや記載ミスが発生します。

納税義務者の指定に起因する区分内容は以下の通りです。

選択理由を理解しておきましょう

所得原因
1、売買 2、相続
3、贈与
4、所有権留保解除
5、その他( )

1,売買は自動車の購入登録届出

2,相続は車検証上の所有者が死亡された時の移転登録

3,贈与は譲渡等における所有者を変える登録届出

4,所有権解除はマイカーローン、クレジット等の完済時に所有者をディーラー等の販売会社から自己所有にかえる登録届出

5、その他()は上記以外の訂正等

所有の形態
1,自己所有
2,所有権留保
3,商品車
4,リース車
5、譲渡担保
6,その他( )

1,自己所有は所有者と使用者が同じの場合です。所有者課税

2,所有権留保は所有者と使用者が異なる場合に記入 使用者課税になります
 ローン、クレジットの場合やディーラーが所有権を持つ場合が多い

3,商品車 車屋さんが展示用に仕入れてきた車を一旦自社の名義に変える場合です。
 環境性能割がかかりません。但し添付書類として商品届出証明が必要になります。
 古物取扱い業の証明書(写し)の添付も必要です。所有者課税

4,リース車 所有者が使用者に貸し出す契約になります。所有者課税です。

5,譲渡担保 借金の担保に一時的に所有権を渡す場合です。所有権留保とは異なり
 貸し続けることによって借金を返済する意味もあります。所有者課税になります。
 譲渡担保については、明示された判例はありません。

6,その他( )上記以外の申請