自動車のエアコン新冷媒(HFO-1234yf)に於けるユーザー負担と課題

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2023年以降に販売される乗用車用エアコンの90%以上が新冷媒となっており各自動車メーカーに於いてその対応が進められているところです。

今後問題となってくる課題は旧冷媒との大きな価格さであって、夏場の「エアコンがの冷えが少し悪い」等の修理依頼であっても高額な請求額になってしまうという問題点を今度抱えていきます。

エアコンガス補充作業について、地球環境に於ける冷媒の背景と問題点を探ってみました。

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新冷媒への背景

現在の自動車エアコン環境基準では「冷媒はGWP(地球温暖化指数)を150未満としなければならない」と定められています。2019年代から生産されている自動車に採用されてきた新冷媒1234yfでなければ対応ができなくなります。

昭和の時代自動車エアコンガスはR-12(知っていれば高齢者かもしれません)でした。

冷媒ガスと言えば一般的にフロンガス(フルオロカーボン:炭素とフッ素の化合物)です。冷蔵庫やエアコンの冷媒として開発されてきたものです。

ウイーン条約やモントリオール議定書に基づく特定フロンの生産量・消費量の削減を履行するため、1988年に【オゾン層保護法】が制定されました。これにより、1996年までに15種類の特定フロンが全廃されていきます。

表中解説

GWP(地球温暖化指数)
地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential) とは、二酸化炭素を基準にして、ほかの温室効果ガスがどれだけ温暖化する能力があるか表した数字のことです。すなわち、単位質量(例えば1kg)の温室効果ガスが大気中に放出されたときに、一定時間内(例えば100年)に地球に与える放射エネルギーの積算値(すなわち温暖化への影響)を、CO2に対する比率として見積もったものです。GWPの計算方法については、まだ世界的に統一されたものがなく、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書でも毎回数値が変わっています。

IPCC
気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)の略。人為起源による気候変化、影響、適応及び緩和方策に関し、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的として、1988 年に国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)により設立された組織です。
世界中の科学者の協力の下、出版された文献(科学誌に掲載された論文等)に基づいて定期的に報告書を作成し、気候変動に関する最新の科学的知見の評価を提供しています。

ASHRAE

アメリカ暖房冷凍空調学会(アメリカだんぼうれいとうくうちょうがっかい、: American Society of Heating, Refrigerating and Air-Conditioning Engineers, ASHRAE)は、暖房、換気、空調、冷凍など(空気調和、HVAC&R)に関わるあらゆる個人や団体のための国際的学会である。多数の技術委員会があり、毎年2回定例の総会が開かれている。冬の総会では、同時に AHR Expo という見本市も開催している。

日本冷凍空調学会は ASHRAE の Associate Society となっている。

現在走行している乗用車の冷媒は表中の緑表記R-134aが中心となっていますが今後はR-134aの実に15倍もの価格に高騰した新冷媒(HFO+1234yf)を扱っていく必要があります。

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新冷媒用冷媒回収再生充填装置の必要性

新冷媒に於いては表中の通り、GWP係数が1未満と非常に低いことから大気中に開放ができます。

しかしながら問題は200g管単位当たりの非常に高額なガス代金がユーザー負担となることです。

乗られている車種によってガス容量は異なります。

例)容量330g+30では200g管を2本使用する必要があります。ここで2本目を使い切る訳ではなく、未使用のガスが残った状態でも保存利用は可能です。

しかし穴の開いた管は残念なことに少しづつガスが管から抜けていきます。長期保管は推奨できません。従って2本分の負担をユーザーに請求することも必然的になってきます。

そして交換作業のも新冷媒は可燃性もあり危険が伴います。

価格は驚異的な旧冷媒の15倍です。

上記新冷媒回収再生装置では

  1. 一旦、配管内に残っているガスを回収装置に吸引保管します。
    回収再生充填装置内には予めガスが数千g蓄えられていますので電子的に何グラム回収し充填が何グラム補充に必要だったのかg単位で管理が出来ます。充填ガス代金の負担軽減が可能です
  2. 真空になったコンプレッサーや配管内を真空にして数分間圧を図ります。
  3. 圧力に変化が無かった場合にはガス漏れ箇所が無いことが確認できますので回収したガスにプラスして残りを充填していきます。
  4. 任意的な補助液、オイル等を補充していきます。

更に問題点があります。

新冷媒用冷媒回収再生充填装置の価格が高額なことです。軽自動車1台分?

自動車メーカーではディーラーに対して支援金を出して拠点店舗の配備ムラの無いように、店舗導入を進めていると思われます。

一方、町工場、小さな代理店に於いては導入負担も大きく、電装機器メーカーに外注依頼に出すという選択が一般的でしょう。

ユーザー様に於かれましては、ボンネットを開けると冷媒は何であるかが確認できます。

機種によって冷媒の容量も異なります。従来のようなガソリンスタンド等におけるクリーニング的な要素は事実上皆無になってくるでしょう。

最新購入された自動車は勿論、新冷媒の車両に於いては驚くほどの負担になっていくということを認識して頂くことことになります。

この記事を参考にして頂いて、ディーラーや電装メーカーにご相談されると良いと思われます。




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