自家用乗用車に於ける障害者減免手続きもエコカー減税によって申請件数が大きく減ってきています。
申請の減少に伴って業務課への問い合わせも減少し有難いことなのですが、案件が減るに比例して細かな申請内容を理解し続けておくことも難しいのではないでしょうか。
小職が単純に高齢で記憶力の低下と言われればそれまでのことですが。
突発的に発生する自動車の障害者登録届出案件をここにとりまとめておきます。
運転者に於ける減免申請と車両構造に於ける減免適用
はじめに
減免申請を行おうとしている目的の税金は自動車税(種別割・環境割)であって都道府県が徴収する税金です。したがって各都道府県によって減免申請の細かな内容は異なってきます。
また軽自動車税では市町村が徴収する税金です。地方によって異なります。
ここでは大まかなサンプルとしての「必要書類や考え方」についての記載になります。
減免には大きく分けて二つに分類されます。
障害者を理由として行う申請と障害者用に改造された車両に対しての減免に分かれます。
対象となる車両は事業用以外の自動車となります
運転者に於ける減免申請
構造変更に於ける減免申請とは異なり登録届出時に行う身体障害者減免申請はそもそも払うべき税金が発生していることが条件となっています。
従いまして、エコカー減税で登録届出時に免税となっている車両については翌年自動車税の納税義務が発生した段階で最寄りの保険事務所にて申請を行う必要があります。
障害者本人が運転できる場合の障害者減免申請
身体障碍者本人が運転免許証を有し、車両を本人名義で購入をされる場合に税金の免除を受けようとする申請です。ディーラーでは登録届出時「身障減免・本人運転」として登録届出申請を行います。
自動車税事務所窓口にて申請を登録届出者本人が行うことが前提となっています。ディーラーが委任を受けて窓口申請を行う事が現実的ではありますが、申請時のトラブルを避ける為にも、障害者本人に於ける申請若しくは営業スタッフと同席にての申請をお勧めしたいものです。
窓口では登録届出の日程を聞かれます。従いまして登録届出が行われる直近、1週間以内が申請に適している期間になると思われます。
登録届出時に減免を受けようとする税金
自動車税環境割(旧取得税です)
自動車税種別割(旧自動車税です)小型車に限る。又免税されない要件もあります。
重要!コラム:自動車税種別割が免税されない要件
年度内に減免できるのは一人一台という規定があります。
従いまして年度内に申請している車両を転売し新しく購入される車両に減免申請を行う場合には新しく購入される車両の自動車税種別割月割り額を納税する必要があります。
転売でなく抹消登録を行って購入される場合には旧車両の自動車税種別割がその月でストップするので一人一台の規定に準ずるようになります。
よって免税を受けることが可能ということになります。ご理解できましたでしょうか
軽自動車の障害者申請済み車両では、そもそも自動車税種別割は届出に関係ないので意識する必要はありません。届出時に手帳に新しい車両の登録番号訂正記載が行われるだけです。
次年度以降に行う自動車税種別割(自動車税)減免申請については
ハガキ等における免税条件が変更されていなかの確認で申請が完了します。
再申請の必要はありません。楽ですし、忘れることも無いので本人減免におけるトラブルも無いのです。
注)療育手帳や障害者手帳に於ける本人運転減免申請はできません
家族等が障害者を通院通学通所の為に要する目的で行う減免申請
障害者本人は運転免許証を有しておらず、概ね同居の家族が障害者を医療機関や施設への送迎に要する目的で自動車を購入される場合に適用される減免を申請するものです。
ディーラーでは登録届出時「身障減免・家族運転」として登録届出申請を行います。
自動車税事務所窓口にて申請を登録届出者本人が行うことが必須となっています。
前提ではなく必須と書きましたが、これは以下で説明する添付書類の複雑さや、障害者を取り巻く環境や障害の条件により申請が受理されるかを、身障者ご本人又はご家族において納得を頂くうえで申請をお購入されるお客様ご本人に申請をして頂く必要がある為です。
購入されるお客様にはお手数をお掛けすることとはなりますが、ディーラーが代理で行うリスクは多大です。
自動車税事務所窓口で質問される条件内容に即した回答を代理では即答できない為、絶対に申請者ご本人や家族の同席は必須のものとなってきます。営業スタッフに於かれましても軽く代理申請を引き受けされない事をお勧めしたいです。小職も登録届出現場に於いて苦い経験が多々あります。
登録届出時に減免を受けようとする税金
自動車税環境割(旧取得税です)
自動車税種別割(旧自動車税です)小型車に限る。又免税されない要件もあります。
「身障減免・家族運転」申請に於いても
重要!コラム:自動車税種別割が免税されない要件
は同条件です!必読しておいてください。
家族運転申請理由は「通学・通院・通所・週末帰省」があります。
家族運転の自動車税種別割(自動車税)減免申請は毎年申請が必要です。
介護者が身体障害者を施設に送迎するために要する目的で行う申請
介護者運転で申請を行う用途では個人購入は特別な理由でも無い限り殆どなく、一般的に社会福祉法人や医療施設名義で購入申請されるのが一般的です。その理由として免税申請には介護に要した運行計画が必要であることが挙げられます。
障害者のためにのみ使用される自動車に制限されます
介護者運転に於ける申請において新規登録届出時に於ける申請はありません。自動車税(環境割・種別割)に関しては一旦納税する必要があります。登録届出時は通常の手続きとなります。
よってディーラー業務として意識する必要はありませんが免税が行われているという知識は持っておきたいものです。
運行計画書・数か月間の運行日誌に基づいて後日審査が行われ、介護者の送迎用途として問題がなければ自動車税が返還されます。
介護運転の種別割減免申請も毎年申請を行うこととなっています。
車両構造に於ける減免適用
介護用の車いすを昇降させる専用車両や身体障害者が運転操作を健常者と同等に行えるようにするための補助機能を備えた身体障碍者専用の車両として構造変更を行った車両に対する減免となります。
傷害を補助する機能を有するという時点で消費税が免除されます
(但し登録諸費用に於ける課税対象分に対して消費税は課税されます、とはいえ千円程度です)
そして補助機能が車両全体の概ね50%以上の改造を有する者は「車いす移動車」という特種車両となり通常の登録届出3,4,5ナンバーから特種8ナンバーとなります。車検は全て2年です。
当然ながら運輸局にメーカーや架装メーカーから作成された改造申請書を提出し、排気ガス規制適合証や騒音規制値適合証と添付し検査ラインにて新規検査を受ける必要があります。
ディーラー業務に於いては手間と、知識を有する者で検査をパスする必要があります。一連の障害者専用車両や様々な改造架装車両を柔軟に熟せるようになって業務も一人前となります。
3,4,5ナンバー登録届出車両
代表的な車両として助手席が回転して身障者の乗降りを補助する機能をゆうするもの「助手席回転シート」、足の不自由な人の補助としてサイドブレーキにアクセルとブレーキ機能を持たせ両腕で運転操作を可能とするもの、車いすをそのまま車両に昇降させるためのスローブを有し電動巻き上げ機能により介護者が身障者を車いすに乗せたまま楽に車両に昇降させる機能を有するものがあります。
3,4,5ナンバー車の場合後部座席は存在し車いすを乗車していない場合には後部に座席が存在するようになっているもの、若しくは介護者が車いすの横にも乗車できる機能を有するものです。
注意点
3,4,5ナンバー車は一般車両です。よって構造的な免税として消費税だけは免税されますが自動車税(環境割・種別割)は免税されません。これらの減免を申請するためには運転者としての減免申請が必要になります。
8ナンバー登録届出車両「車いす移動車」
上記3,4,5ナンバー登録届出でご説明しました車いすを昇降する装置を有する車両であって、後部のシートを完全に取り除いた車両になります。
8ナンバー特種車両「車いす移動車」として登録届出を行います。
「車いす移動車」として登録届出を行った時点で消費性、自動車税(種別割・環境割)は免税されます。
また毎年自動車税(種別割)の免税申請を行う必要もありません。
注意点
自家用3,5ナンバーベース車両から8ナンバー特種になった時点で初回車検が3年から2年になります。
用途の面、安全面から最近8ナンバー登録車は少なくなってきた印象があります。
軽度な補助装置付き改造車 (new2023.1.4追記)
高麗者運転免許証制度が厳しくなり免許証の維持自体が大変な時代になってきました。かといって免許証を返納してしまうと地方では生活が大変不便です。できることなら少しでも運転を続けたいと思うところです。
足の不自由な方のために手動でアクセルとブレーキを操作可能な補助装置を取り付けることが可能です。運転免許所センターでもこういった軽度な補助装置付き車両でも運転講習を受けられるようになってきました。
補助装置付き車両は身体障害者用専用車両ではありませんが消費税減免車両申請のできる車両です。身障者手帳の有無を問いません。種別は自家用乗用車になります。
メリットは沢山あります。
- 消費税が免除されます
- 改造申請車両として持込検査受けの必要はありません
- 検査(車検)を残したまま名義変更できます。(重量税を保持できる)
デメリット
- 改造業者が地方では少なく遠距離架装が必要
- 車両移動コスト改造コストと納車までの期間が長くなります
- 自分の使いやすいポジションに改造する必要があります
身体障害者までもなく、セニアカーにはまだ早い
そんな高齢者ニーズに合った車両で最近商談件数も増えてきました。
高齢者への選択肢として商談に使えそうです。付加価値も大きい
最後にご予算ですが
オプションにもよりますが30万円以内で架装が可能ではないでしょうか
★注目の商品 ナンバープレートキーホルダー
自動車好きの方に特別な一品
ご自身のナンバーへの拘りとプレゼントにも大変喜ばれています
梱包も綺麗な箱に入れて発送されています
新車にも ** ひと添え **
心をこめての訴求にも効果的では
登録の現場から
検査受け当日は早めに準備を行って検査準備をします。車載車に車両を積込み運輸局へ搬送します。
ラインが込み合っていると午前中に登録届出が完了するか怪しくなってきます。
改造車両は新車のラインオフから手が加わっていますので、ライト調整も気になります。
燃料の量、各種申請書の有無、確認する項目も多くなりますので、午前中にナンバープレートを持ち帰るというゴールに向かって遮二無二なる訳です。
検査ラインの渋滞よりも改造持込では大きな関所がありまして、それはラインから出たあとの最終諸元確認です。検査ラインデータを基に車検証に記載される内容について検査官が確認を行います。
最低でも有する時間は30分、長い検査官では1時間を超えます。そして最も恐ろしいのは検査官に於ける見解の違いです。
改造書類には様々な読み換えルールが存在し、メーカーから提出される適合証の有無によって確認できる書類の不備が検査官によって異なるのです。
何回もこれで労力を使わされることになる訳です。限られた時間の中で解決策を探る訳です。
過去の経験値と、問い合わせることの出来るルートと人脈。業務の手腕が問われるのです。
おかしな話ですが現実です。運輸局検査官の闇です。