ビッグモーター問題ディーラーへの影響と現状

保険

街路樹の問題は前記事で触れましたがその他様々な影響がディーラーにも起きています。
ビックモーター街路樹と除草剤問題

新規購入者や車検ユーザーが多少流れてくるという少ないメリットの半面、業界全体に対する信用の失墜に於けるデメッリトがディーラーに向けても大きな影響が。

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保険に係る鈑金見積

事故車両や鈑金修理は外注売上といって、右から左へ仲介手数料として言わば不労所得のような利益が発生します。ディーラーの整備部門の収益に大きく拘わってきます。

ですが外注売上は水物と言われていて発生数を確定予測出来るものでもなく、1000台のユーザー保有車両があれば数パーセントの入庫が見込める?月に数台あるだろうという予測で当月の粗利予測(計画)を立てます。

サービス員を少人数で運営している店舗であればあるほど高額な鈑金修理が数件発生するだけで、その月の車検や点検入庫台数が例え少なくても余裕で粗利目標が達成できたりします。非常に利益ウエイトが大きい商品であって業界では当たり前のことです。安定的に見込める収益では無い、店の努力指標にはならないものです。

即ち月次の整備総利益目標に対して外注売上がノルマとして設定されてはいても外注売上(鈑金修理)にノルマが設定されるということは普通では考えられない異常なことです。

今回の保険会社をも巻き込む「ビッグモーター保険詐欺不正事件」によって、鈑金修理における見積から売上、保険請求のながれに様々な影響が予想されます。

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ディーラーでも事故車の鈑金見積に於ける保険会社立ち合いは無い

youtube動画でも紹介されているように、過去に於いては事故車両に対する修理の流れが決っていました。

1,事故車両が入庫すると保険会社へ修理箇所の写真を送って、その後その写真に基づいて使われる保険事故1事故に起因するもであるか否かを保険会社と立ち合いのもと協議が行われます。

2,保険会社から板金修理箇所の了解を得たのち、お客様へどの程度の修理箇所が必要かと修理費用が発生するかを伝え、保険を適用した場合に伴う保険料(料率)への影響と今後の保険料負担増をお伝えします。

3,修理費用と保険料との差異によってお客様から保険請求するか、自己負担とするか了解を頂き始めて板金修理に取り掛かることとなります。

上記の流れの中において、ビックモーターの行ったような不正は発生し無いことがご理解頂けると思います。

ここからディーラーの事故鈑金修理の現状をお話します

恐らく一般の●●自動車や●●モータース、板金塗装等々現状は同じと思います。

1,事故車両が入庫すると直ちに下請けである板金修理専門の業者さんへ事故車両を転送します。

2,一日、若しくは数日後に鈑金個所と修理見積が下請け業者からFAX等で依頼会社に知らされます

3,修理見積(必要部品)に応じて部品単価を洗い出し、鈑金修理見積を作成していきます。

4,お見積り額をお客様へ提示し、何処まで修理を行うのか、安く修理を行う方法は無いのか等々相談を行います。

5,修理が決れば個人もしくは、保険会社に対し請求を起こします。

先ず、事故発生と同時に保険会社に事故発生連絡をします。休日夜間いつ発生するか解りませんので保険会社への一報はお客様からとなります。

保険会社は修理を行う修理工場をここで斡旋紹介するかお客様が指定工場を指示するかで修理工場は決まります。この斡旋というところが一つの問題点でもあります。

指定工場が決れば1,へと続いていきます。

どの程度の事故かは、保険会社は把握します。が故障内容や修理箇所の詳細は修理工場の「さじ加減」ということになります。

ディーラーのサービス窓口も少人数(大抵は一人)で多くの鈑金作業を処理します。工場が大規模になるに従い事故物件の全数全容を理解できる筈がありません。

よって下請け鈑金工場に丸投げ状態になることになります。業界の現状はどこも同じです。

事務的に部品を拾い出し、部品利益を加味し更に修繕費(人件費)を加算し請求を起こすのです。

ビッグモーターに至っては1~5を全て1社で完結できるわけですから「さじ加減」がノルマに対しいかにエスカレートしていったかが理解できます。

今後の影響として考えられること

保険会社も金融庁から指摘を受け改善策が打ち出されてくることでしょう。板金修理への確認作業マニュアル化と見直しです。

鈑金整備保険請求方法の見直し

修理箇所の写真をとり、過去の方式のように保険会社との立ち合いのもと適正な板金修理が行われているか否かの判定が厳しくなってくることが予想されます。

激務を熟すサービスフロントに更なる作業として拍車がかかってくることになります。

これが正常な姿だと理解はできますが、現状いかがなものか

ビッグモーター問題の「信用の失墜」はディーラーの作業効率に大きく影響があります。

ビッグモーター保険契約取扱いの今後

保険業務が停止しているビッグモーターで自動車保険契約をいているユーザーの継続に関して、その後の保険継続処理をどのようにするのか

提携7社とも言われている保険ユーザーを保険会社主体で各社に紹介按分していくのか。

全てお客様名の判断で他社新規保険契約として加入を促していくのかという問題。

新規保険の獲得から考えると保険新規ユーザーが流れてくるという可能性はあり得ます

今後の保険会社各社のモラルと手腕が問われるところでもあります。