高齢者ドライバー激減 運転免許保有者率と人口統計

営業

日本の人口が減少に転じていることは明らかで、特に少子化と高齢化は深刻な問題を抱えている。
自動車業界にとっても減り続ける購買層のシェアをいかにカバーしていくかが大きな課題となっています。

今回は5歳階級別の運転免許証保有者数の近年の動向と総人口との比率、少子化や高齢化をデータ化することによって商戦の向き合い方やターゲットについての考察資料として記載をしています。お役立て下さい。

スポンサーリンク

「高齢者ドライバー時代と若者の自動車離れ」平成17年の過去記事より

2008年5月5日こどもの日、5歳以下の人口が1725万人と過去最低で更に減少が止まらないという発表があった。
上のグラフは年齢別の人口と運転免許証の保有者数の比較です。

免許保有数データは検察庁HPを元に平成17年末現在の統計数値

5歳以下の人口だけ見てもこの3年間で大幅に人口が減少をしている。10年で35万人の及ぶ減少です。

更に若者の自動車離れが取り立たされている。
自動車に夢をもてない若者です。
免許取得率も更に減少傾向にあり
60%の成人しか免許を持たない時代が来たのです。

自動車業界には近未来が解っています。限りなく自動車が減少していくことを!
そして、10年先にも超高齢者ドライバー時代が到来することも!

なぜ自動車に夢をもてないのか?都会で自動車を持つことにコストが掛かりすぎる。
駐車場が少ない。無くても不自由ではない。地球温暖化、環境問題。燃料の高騰等 悪い要因しか無い。

こんな時代背景の中、忌まわしき重量税が温存された。
国はあくまで道路を作り続けるのである。

団塊の世代の多数ドライバーが少なくなる年金生活の中で
高速料金まで払って道路を利用するでしょうか?

現在の国内自動車総数約7千9百万台、10年先はいったいどれくらい減少しているのか
販売台数の対前年比から予想していくと6千万台以下になるのでは?

それでも道路は必要?造り続けていく為の膨大なコスト。
------ <ここまで過去記事です> ------

この記事から15年の歳月が流れました。現状はどうなったのでしょうか。

令和6年6月末現在の自動車保有車両数82,797,017台となり、前月に比べ98,846台(0.12%)増 加した。 登録自動車は46,789,250台(構成比56.51%)で、前月比36,903台(0.08%)増加。

小職の予想に反し15年で3百万台増加しています。そして登録台数も伸びています。さて輝かしい未来なのでしょうか。

スポンサーリンク

統計資料(基本データ)

上記平成17年~令和5年に至る人口統計と運転免許保有者数について年齢別(5歳階級)人数を分析することによって少子化と高齢者の近況動向が見えてきます。

分析(少子化と高齢化の影響)

運転免許保有数に特化して資料を分析してみる前に、先ずは30歳未満の人口と65歳以上の高齢者の人口動向をグラフにしてみます。

少子化と高齢化は直線的に増減している

グラフにして驚きましたが物差しで直線を描く如く見事な直線グラフになりました。
ただ、最後の資料が5年ではなく3年目での統計であることから間違いなく直近の数年間で
増減の比率が大きく変わった事が伺えます。

コロナの影響でしょうか?高齢者を中心とする超過死亡が大きく拘わってきているのでしょうか。又他の影響?

高齢者ドライバー時代とは言えない

<分析1>

若者の運転免許保有率で見ると近年は横ばいで現在でも60%の若者は免許を取得しているというデータが得られる。
減っているのは純粋に少子化に於ける人口減少に比例している。
「若者の車離れ」の原因は他の影響が大きいと結論できます。

現代の若者の車離れの要因は

若者の自動車離れには、様々な要因が考えられます。

  • 経済的な理由:
    • 車の購入費用だけでなく、維持費(保険料、税金、ガソリン代など)も高額であるため、経済的に余裕がない若者にとっては大きな負担となります。
    • 共働き世帯が増え、収入が分散していることも、車を購入しづらい要因の一つです。
  • 価値観の変化:
    • 環境問題への関心の高まりから、公共交通機関や自転車を利用するなど、より環境に優しい移動手段を選ぶ若者が増えています。
    • 所有よりもシェアという考え方が広がり、カーシェアリングなどのサービスを利用する方が便利だと考える若者もいます。
  • ライフスタイルの変化:
    • 都市部への人口集中により、公共交通機関が整備されているため、車を持たなくても生活できる環境が整っています。
    • スマホやインターネットの普及により、自宅にいながら様々なことができるようになり、外出する機会が減っていることも影響していると考えられます。
  • 免許取得のハードル:
    • 免許取得にかかる費用や時間が増え、気軽に免許を取得できなくなったことも、若者の車離れの一因です。

自動車業界への影響

若者の自動車離れは、自動車業界にとって大きな課題となっています。自動車メーカーは、若者向けの新しいサービスや、環境に配慮した車の開発など、様々な取り組みを行っています。

  • カーシェアリングサービスの普及: 共有経済の拡大に伴い、カーシェアリングサービスが普及しています。これにより、若者は必要な時に必要なだけ車を利用できるようになり、車の所有に対する意識が変化しています。
  • 電動化の推進: 環境問題への関心の高まりを受け、電気自動車やハイブリッド車の開発が加速しています。これらの車は、従来のガソリン車に比べて環境負荷が低く、若者層からの支持を集めています。
  • コネクテッドカーの登場: 車とインターネットがつながることで、様々なサービスが利用できるようになっています。若者向けのエンターテイメント機能や、安全運転支援システムを搭載した車が開発されています。

<分析2>

高齢者の増加は近年明らかで年金受給者を支える若者の負担など大きな問題を抱えています。従って高齢者ドライバーが増加することは予想できます。自動車の購買層も高齢者にターゲットを当てた商戦を今後も展開していかなければならないと考えていました。

近年は急激に状況が変貌しつつあります。それは高齢者の運転免許保有数の急激な減少にあります。
グラフでお解りの通り、ここ3年間で一気にグラフが下がっています。

高齢者ドライバーの事故が目立って報道されるようになってきたことから、高齢者の運転免許証の継続要件が厳しくなったことが大きな原因になってきています。高齢者人口の増加を上回る保有率の低下が理解できます。

高齢者のドライバー減少について

近年、若者の自動車離れが注目される一方で、高齢者のドライバー減少も社会問題として浮上しています。これは一見矛盾するように思えるかもしれませんが、両者には異なる背景と要因が存在します。

高齢者のドライバー減少の背景

高齢者のドライバー減少には、主に以下の要因が考えられます。

  • 健康状態の悪化: 年齢を重ねるにつれて、視力や聴力、反射神経などが低下し、運転に不安を感じる人が増えています。また、持病を抱えている人も多く、運転が難しくなるケースも少なくありません。
  • 公共交通機関の充実: 都市部を中心に、鉄道やバスなどの公共交通機関が充実し、高齢者でも安心して利用できる環境が整ってきました。
  • 運転免許返納の呼びかけの強化: 高齢者の交通事故が増加していることを受け、運転免許の自主返納を呼びかける取り組みが強化されています。
  • 自動車以外の移動手段の多様化: カーシェアリングやタクシーの利用、配車サービスの普及により、自動車以外の移動手段が充実し、車を持たなくても生活できる環境が整ってきました。

高齢者のドライバー減少がもたらす影響

高齢者のドライバー減少は、社会全体に様々な影響を与えます。

  • 地域社会への影響: 高齢者が運転免許を返納することで、買い物や病院への通院が困難になり、地域社会の孤立化が進む可能性があります。
  • 経済への影響: 自動車関連産業への影響はもとより、高齢者が運転していたタクシーやバスの運転手不足につながる可能性もあります。
  • 交通事故の減少: 高齢者による交通事故は、他の世代に比べて割合が高い傾向にあります。高齢者の運転免許返納は、交通事故の減少に繋がる可能性があります。

高齢者のドライバー減少に対する対策

高齢者のドライバー減少に対応するためには、以下の様な対策が考えられます。

  • 公共交通機関のさらなる充実: 高齢者が安心して利用できるよう、バス停の設置場所やバスの運行時刻の見直しなど、公共交通機関の利便性を向上させることが重要です。
  • コミュニティバスの導入: 地域住民のニーズに合わせて、コミュニティバスを導入することで、交通の空白地帯を解消し、高齢者の移動を支援することができます。
  • 高齢者向けの運転免許更新制度の見直し: 高齢者の運転能力を客観的に評価し、安全運転を確保するための制度の見直しが必要です。
  • 代替交通手段の普及: カーシェアリングや配車サービスの利用促進を図ることで、高齢者が自動車に頼らずに移動できる環境を整備することが重要です。

所感

新型車発表会や通常のイベント展示会の事前準備として購買ターゲットを絞り込みダイレクトメールや電話による呼び込みを日常的に実施ておられることでしょう。

スタッフの管理顧客も限られている上にターゲット商品を絞り込むとすると中々ノルマ達成に向けた分母が確保できずお悩みのことだろうと思います。

ターゲットは市場分析です。ご参考になれば幸いです。