サポカー限定免許について

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高齢者運転対策として新たに安全運転サポート車(サポカー)限定の免許が5月13日より始まります。「小型車から運転のしやすい軽自動車へ」と高齢者の代替え需要がますます高まっています。これから対高齢者向けの商談話題として、新しいサポカー限定免許について予備知識としておさえておきたい所です。ご参考まで

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サポカー限定免許で乗れるサポカーとは

今回のサポカー限定免許に於けるサポカーとは、従来サポカー補助金で扱っていたサポカー車両の対象とは異なっている点があります。しっかりと抑えておきましょう。

限定免許で乗れるサポカー車とは

サポカー限定免許で乗れるサポカー条件
  • 衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)搭載車
  • アクセル・ブレーキ踏み間違いによる急発進抑制装置搭載車
  • 2021年11月以降に新型車から段階的に義務付けられた自動ブレーキに関する保安基準に適合した車両(20km/h以上で走行中に前方を横断する歩行者に衝突しないなどの条件をクリアする車両)
  • 先進ライト 車両が停止状態にならないと消灯できないオートライト機能を備えている

上記の赤で記載した内容によって機種は限られてくるため、限定免許で乗れる車は現在一部車両のみとなってしまいます。

自動ブレーキの装置などを後付けした車は運転できない。

対象となる車はウェブサイトに公開予定となっているそうです。現在はありません。

限定免許でサポカー以外を運転した場合は免許条件違反となり、違反点数は2点

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サポカー限定免許の申請

高齢により運転技能に不安があるものの車は日常的に使用しており、免許の返納はためらう人などの利用を想定した制度となっています。よって申請すれば交付され、免許証には「普通車はサポートカーに限る」と記載される。

サポカー限定免許のメリット

乗れる車を先進安全技術車両に検定する訳ですから、同時にスタートする高齢者免許証更新制度によって新しく技能試験が加わり更新のハードルや更新料金面でもデメリットは大きいものとなっています。

従ってその見返りという面でも、更新講習の一部免除が受けられる等のメリットがあっても良い訳ですが、対象者の大半が高齢者という背景があり現状では慎重に検討が重ねられている最中であるそうです。

自動車税の免税とか?ここではまだメリットについてお伝えする内容が探せませんでした。

情報が入り次第、ここで紹介をしていきたいと考えます。

サポカー限定免許発行の背景

免許証返納に変わる新たな選択肢として考えられた制度ですが、発行に関わる背景について資料をまとめてみました。

高齢者の免許返納者急増

警察庁の統計によると、2019年に免許を自主返納した人の数は過去最多の601,022人。 後期高齢者にあたる75歳以上の返納数は35万人以上と全体の58%を占めているそうです。

高齢者の運転判断ミスによる「うっかり事故」が多発し、一時期報道の中心となった事故もありました。こうした背景も大きく影響を受けた結果、家族から早期返納を促されるケースも多く一層高齢者の返納件数が増えたことが予想されます。

免許証を返納することによるメリット

自動車免許証を返納するということは生活の質が極端に制限されることを意味します。従って返納後に不便になる分、様々な特典やサービスが考えられています。

運転免許証返納に於ける特典例

高齢者の免許返納特典
  • 公共交通機関の割引
    バス・電車の割引優遇制度
    タクシー割引制度
  • 生活必需品等用品購入割引
    購入商品の輸送料金割引
    眼鏡・補聴器・電動車いすの購入資金補助
  • 乗らなくなった自動車の売却時
    ギフト券・現金還元(企業により異なります)
  • 自治体によって異なる特典等々
    ホテル・レストランの割引制度の利用特典
    各商店街で利用できる割引券

    各種サービス探せば沢山見つかりますし今後益々増えてくるでしょう。但し年齢が60歳以上や65歳以上と特典には年齢制限があります。
    手続きは最寄りの警察署へ行き「運転免許証取り消し証明書」に記入します。

運転経歴証明書(身分証明書)の発行

免許証を返納して次に困るものとは、各種手続きに必須になる身分証明書の提示義務です。免許証がないと身分証明書が無くなってしまって不便です。国民健康保険証・パスポート・マイナンバーカード等持ち歩くのも現実的ではありません。

そのために2002年随分前から「運転経歴証明書」制度が導入されています

運転経歴証明書は免許を自主返納した方のみが申請できるものです

免許証に似た顔写真付きカード型の証明書です。免許証と同じく各都道府県の公安委員会が発行するものなので、免許証同様、公的な身分証明書として用いることができるのです。

運転経歴証明書の交付は運転免許試験場の場合は即日、運転免許更新センター・警察署の場合は受取まで2週間程度かかります。

申請に必要なもの

運転経歴証明書申請書類
  • 印鑑 必要でない署もあります
  • 手数料1,100円
  • 写真
    (縦3cm×横2.4cmのものを1枚)
    カラーで正面を向いたもの
    6か月以内に撮影されたもの
  • 代理で返納する場合には委任状が必要

免許証を返納しないという考え方

運転免許証を返納してしまうと行動範囲が大きく制限されてしまう事から生活環境が著しく不便なものになってしまいます。

運転する行為自体、無意識の状態でも脳を活性化しています。運転免許証を返納してしまった方は、免許保持者と比較して2.6倍も認知症になるリスクが高まってしまいまというデータがあることをご存じでしょうか。

技能検査や認知症検査で不合格になって、更に認知症リスクが増大してしまうのは好ましくありません。

安全の為に返納するという選択肢は最終的な判断で、出来る限りあきらめないで検査にチャレンジしてほしいと願います。

どうしても返納に至ってしまった方、買い物程度の車利用なら免許証の要らない電動自動車「セニアカー」という選択肢も残されています。電動で歩く程度(8km)しか速度は出ませんが4輪で駆動力があり活動範囲は大きく広がります。認知症防止効果もありますよね

運転者死亡による返納

運悪く病気や高齢、不慮の事故等によって運転免許証を返納される事例によっては、その後自動車を転売や抹消・解体という手続きも必要になってきます。

お車の所有者がお亡くなり、車検証の所有者が亡くなられた方の場合、速やかにお車の名義を変更する必要があります。

当サイト内に於いて詳しく自動車の相続について解説を行っております。

こちらもご参考にして下さい。

自動車の相続について

所感

乗れる車が限りなく限定されるサポカー限定免許にあえて切り替える高齢者がどれだけいるのでしょうか?非常に疑問に思えます。「返納との選択枝を増やす」とは言え、現状でも販売されている乗用車の大半が先進技術を備えたサポカーなのであって、その環境下で尚且つ返納を選択として考えてられている高齢者にとって果たしてサポカー限定免許が選択肢としてなり得るのかです。

時期を同じくして75歳以上の高齢者免許更新制度がスタートします。技能講習が付加されることによって講習への手間と手数料がかかります。

サポカー限定免許のメリットとして、自動車税の減免等も話し合われているようですが、更新制度における講習免除や講習軽減、講習料金の割引等明らかなメリットが提示されない限り変更申請はあり得ないと考えますがいかがでしょうか。