ショールームの受付業務「営業/サービスを含む」を女性一人に任せている小型店舗も多いかと思われます。
小規模になるほど店頭受付兼女性営業業スタッフの業務エリアは広がり重要な役割を担うこととなります。
お店の看板であり、お客様の評価対象として第一印象は最重要項目でもあります。
トップセールスレディー商談風景の一コマ
今回は店頭受付兼営業スタッフ女性のお話です。
謎多き彼女の商談風景
_____ 過去記事より _____ここより
さて、我ショールームにも一人の女性スタッフがいました。
真しく全国的を見てもトップセールスレディー
他店舗の女性スタッフとは商談方法が「ひと味」違います。
最近「女子力」が話題になっていますが
女性ならではの「中年男性や主婦に喜ばれる気の利いた気配り」
話し方の極意「アドバイス」や「おもてなし」が利点です
流石に男性スタッフには真似の出来ない話法が多々あります。
お客様目線の言葉使い一つとってもそうです。
気さくで発言発想が違うのです。
さて、女性スタッフとしての「女子力」、店頭販売が主流の現代
商品知識は勿論のことですが女性ならではの柔らかい話法は強みです。
そんな女性の商談技術の中でも、理解しがたい彼女の商談風景
彼女には「即決」はありえません
いわゆる=初めて来店されて、その場で契約は起こりえないのです。
①和んだ空気の中でテーブルでは商談?が進みます。(傍目ではどう見ても商談が進んでいる様子)
②お客様が疲れないか?と思う程、長時間に及ぶ商品説明と話が弾んでいます。
③頃合いを見て(シビレを切らして)店長がスクランブルに入ります
④ここぞとばかりにお見積りと最終ご提案金額が店長より提示されます。
⑤安心して店長がテーブルから離れます
店長と小職「決まったな!!」(通常のスタッフの流れならば)と、
しばらくして「お客様帰られます」と彼女から事務所に一声
ええーーーーー!バカな
あの話の流れから「まさか」
⑥店長:「契約は頂けたんだろ?」
女性:「いえ、まだ悩んでるところがあるので帰られました」
⑦店長:不機嫌で「次に来られる確約はとったのか??」
女性:「たぶん来られますよ!・・・・」
一同:信じられないとため息
なぜかこれがいつもの光景です。
しかし、彼女が接客商談したお客様(お客様を逃したと判断する我々一般的スタッフとは異なり)
その後のお客様の行動が明らかに違ってきます。
⑧確実に再来店があります。
そして更に商談(相談が正しい?)を進め更にお客様を逃します
この「逃がす」という概念が彼女にはありません。
確信があるのか?去るもの追わずか?
「豊富な商品知識で納得が行くまでお客さんの意見を聞き挙げて
アドバイスをし尽くして、それで彼女が納得しなければお客様を返す」
選んで買っていただく(決定権)のは飽くまでお客様であって、制約はその結果にしか過ぎないとしか思えない。
「買って下さい」が無いとでも行った営業にあるまじき行為と言いたいところです。
⑨そして数日たって確実に電話が掛かってきます。数少ないお断りの連絡も100%丁寧に断ってきます。
(決着の連絡「回答」を頂けない曖昧な商談だけは最悪の商談だと注意されます)商談をしていない指標です
⑩非常に高い確率で「いろいろお店を回りましたが彼女と契約をさせて下さい」
一同:「お前は教祖か?」
その後のメンテナンス入庫率も半端ではありません
彼女と話がしたい為に入店?とも思えるほど人気者になります。
どのように話を進めているかは小職も不思議でなりませんが
小職も上司だったので数少ない店長代理としてスクランブルに入ったことはあります。
しかし、「その商談力(女子力)はよく解りません。」そう解らないのです?
これぞ、究極の「女子力」です
時にはお客様がどうしても他メーカーの「車」を気に入って
契約ということも有ります。
また値段だけで負けてしまうことも稀に有ります
でも「そんなお客様はねー」と納得して諦めが早い。尽くしたけど届かなかったと理解しているのか
というよりも、商談が終わると「もうこの店には来ないな」「自分には合わない」という確信をもってる。
増してや「商談の落としどころとして値引きでの深追い」は決して行わないのです
女性:「他店に行ってもらいました」これでおしまい!
当然、成約車の台当たり利益率は著しく他のスタッフより高いことはご理解頂ける筈です。
___________________ここまで一例です。
女子力を理解する上での店長の苦難
お店に於いて、イベント展示会は「来店確約数」「見積件数」「査定件数」「試乗件数」「ホット件数」「アンケート結果」「店長スクランブル件数」「店長挨拶件数」と指標だらけです。
指標に基づいて本社や本部、役員から店長は結果報告に頭を悩ませます。
こんなホット件数すら読めないスタッフはいつも店長泣かせです。
店長も理解はしているが立場上の口論も無論絶えないのです。
上層部からの「報連相」をダイレクトに伝えたのでは見す見す「女子力」の長所を潰してしまいがちです。
店長が柔軟にクッションとなって上手く伝え育てていく手腕が問われます。
男性店長ならば更に難易度が非常に高いハードルといったところです。
「彼女を理解する飽くなき自己愛の強さ」について
こんな話を引き合いに出すのは女性に対して大変失礼かと思いましたが、
接客の頂
youtube動画で見つけた、雄琴の泡壌として短期間で日本ナンバーワンに上り詰め今では女性店長を務めながら子育てと両立をしながら社員の教育に人生を掛けている。強く感銘を受けた女性が紹介されておりました。
一見、訳アリ「暗いイメージ」のある職業に見えるのですが、彼女は「単純に接客が好き」という理由で収入も去ることながら日本一の高級有名店に勤めてナンバーワンになること、接客業の頂点がそこにあると思ったのでこの世界に迷わず飛び込みました。と語っています。
ナンバーワンになれた秘訣は?
例えどんな人であっても全てのお客様に恋人になって欲しい。自分を気に入ってもらえることへの探求心が凄い。
同様にして彼女のディーラー店頭接客に於ける会話の中で、車を勧める以前にお客様を分析し自分の長所をいかにアピールして気に入ってもらえる話法を見極めているに違いないと確信しています。
①長い商談(相談)の中で、いかにお客様の立場に立って真摯にニーズに合ったお車を勧めているのか。
言い換えれば「自己愛」中心で気にいってもらいたいに尽きるのです。
商談の按分は自己アピールが6割、そしてお客様への気配り2割、そして会社への貢献2割といったところ
どうにかして車を買って貰おうという概念はなく、「自分を気に入ってくれれば買ってくれる」なのです。
お客様の見極め「微分」と「積分」
成約の段階で既にその後のご来店やお客様との健全な付き合い方がどうなるのか決着が付いているのです。
お客様が納得されるまで購入されるニーズや条件を聞き入れ、ご提案やアドバイスを繰り返して話を広げていきます。そして購入車両の用途や趣味、普段の生活環境(家族構成)、決定権は誰にあるのか、だれに気に入られることが大切か、趣味や仕事にたいする考え方等々入手できる情報は限りなく存在します。
出来る限り情報を集めることで、ご家族を含め気持ちよく購入して頂ける幅広い礎を築いて置くことが
彼女にとっては最優先になります。即ち商談の中で「そのお客様の特性」より的確な微分情報を収集しているのです。
その的確な特性さえつかむことができれば、あとは「積分」その人の人生観、車に対してどこまで踏み込んで無理を聞いてもらえるのかといったその後の駆け引きが出来ます。
そしてその後の入庫のお願いもスムーズになりクレームも発生しない、お店にとってもお得意様(リピーター)になります。そして「彼女の人柄」が口コミで更にファンを連れて来てくれます。
悲しくも過去のお話
現在彼女は幸せな家庭を持ち退社されております。(記事にすることは承諾を得てはいますが)
メーカー各社は、お客様から見た販売店の指標としてCS「お客様満足度調査」というハガキによるアンケート調査をDM配信で全国的に行っていて、「ディーラー単位」「店舗単位」「問い合わせ項目単位」といった細かな全国ランキングを公開しています。店長が一番気にかけているお店のリアルな指標です。
彼女の貢献のお陰て在職中は全国でも上位指折りの店舗になっておりましたが、退職後は見る影もありません。
退職が決まっててお客様に引継ぎ兼ねたご案内ハガキを郵送した1か月前から、彼女へのお礼の挨拶を兼ねた来店客が後を絶ちません。
机の上には置ききれないブーケの数、全て持ち帰っても又、机の上は一杯になりました。ここまでお客様から「信用され頼りにされていた」彼女が退職された理由は「寿」だけではありません。
「私は上司から命令されても、お客様から無理難題を言われても断れず、きっと頑張ってしまうことが解りきっているので家庭との両立は出来ないだろう」と言っておりました。
本当に惜しまれる女性スタッフです。引き留めることは出来なかったのでしょうか
企業はスタッフの「自己都合退職」を避けることができません。
ですが働きやすい環境の提供によって長期に働き続ける環境は企業努力で実現可能です。
男女問わず職域職場異動であったり、女性では出産によって同じ職場に復帰できないリスクがあります。
お客様と、営業スタッフのつながりは大切な会社の資産でもあります。
「お客様は会社(店舗)の物で会って営業スタッフ個人のものではない」という考え方が企業です。
確かに、お客様は店舗を挙げて「多対多」で管理していくのが理想といえます。店の資産です。
しかし乍ら、個人的な販売ノルマがあったりお客様との長年築き上げてきた信用と信頼が失われること
スタッフにとっては理不尽なことでしか無いのです。