中古車専業店における「不当な価格表示」の常態化、「不適切な販売方法」の横行、又は「不適切な諸費用」の請求など、中古車の販売には多くの問題点かありました。
消費者に対するアンケートにおいても支払総額表示を希望するとの回答が9割を占めています。
この問題点、意見を反映するために見直しが検討されてきましたが、2022年6月の定時総会によって「中古車の販売価格(「支払総額」)の表示に関する自動車公正競争規約」及び、同施行規則の改定案が承認され、2023年3月27日付消費者庁及び公正取引委員会で認定、承認をうけ2023年10月1日より施行が決定されました。
自動車公正規約について
「自動車公正競争規約」は、一般的に「自動車業界の公正な競争を促進するためのルールや規定」です。これによって、市場の透明性や消費者の権利保護などが確保され、健全な競争環境が維持されることを目指しています。
規約に違反した場合にはその内容によって①注意②警告③厳重注意の措置がとられます。
(目的)
- 広告・販売プロモーションのルール:虚偽広告や不正競争行為を防ぐ
- 倫理規定:競合他社や関係者への敬意や礼儀、信頼性の維持などを促す
- 購買者や消費者の権利保護:消費者に対する適切な情報提供やクレーム対応などを確保する
- 環境配慮:環境への配慮や持続可能性を重視する
- 不正行為の防止:カルテル行為や独占禁止法に違反する行為を禁止する
「支払総額」表示への対応準備
施行までに必要とされる対応!
改定後の中古車販売価格表示
「支払総額の表示とは」
支払総額=車両価格+諸費用
<用語解説>
車両価格とは
店頭において車両を引渡す場合に消費税を含めた現金価格
展示の時点で既に装着済みの装備等(ナビ、オーディオ、カスタムパーツ等)を含む価格
★中古車の販売・品質に重要な影響を影響を及ぼす「定期点検整備」及び「保証」を付帯して販売する場合、その費用は「車両価格」に含めて表示
諸費用とは
保険料、税金、登録届出等に伴う費用(登録等手続代行費用)をいう
支払総額に含まれる「諸費用」の詳細は後述の「諸費用の考え方」にて解説
支払総額とは
上記車両価格に当該中古車を購入する際に最低限必要な諸費用を加えた額
販売店の管轄の運輸支局等で登録(届出)し店頭納車の場合の価格の為、県外登録(届出)の場合や店頭以外の納車にする場合、お客様の要望によるオプション等を付けた場合は別途費用が発生する
「支払総額」に含まれる「諸費用」の考え方
支払総額に含まれる諸費用は「①保険料」「②税金」「③登録(届出)等に伴う費用」です
従って①②③を含まない支払総額を表示することはできない
上記に反しや場合は「不当な価格表示」(規約違反行為)となる。
支払総額に含まれる諸費用とは
該当チェック項目
支払総額に含まれない諸費用とは
該当チェック項目
諸費用として不適切な費用とは
車両価格に含めて表示することのできない(請求できない)もの
その他注意すべき要点
● プライスボード等への変更タイミングについては
自動車税(種別割)や自賠責未経過相当額の表示に関して月単位での変更表示が必要になります。
現行以上に差し替えタイミングが増えそうです
● 千円未満の表示について
消費者トラブルの観点から必ず切り上げて表示する
例 支払総額¥888,080-の場合には支払総額¥88.9万円