業務の販売諸費用勉強会

業務

令和3年10月1日よりまた検査登録届出費用が改訂されます。既に各都道府県の販売店協会さんから周知徹底されて殆どの業務関係者はご存じのこととは思います。新たに技術情報管理手数料として400円の追加となりますが、登録依頼書の検査登録届出欄に単純に400円プラス計上で終わりということで何も無かったかのように処理が進められていくのでしょうか。

さて、ディーラーサイトとして販売諸費用についても話題として避けて通れない案件でもあります。他大手企業サイトにて諸費用に関しては詳細情報が網羅されている中で、重ねて更に詳細に解説をする知識も労力も個人運営サイトとして限られております。

取扱いがメインとなるディーラー目線として販売諸費用について復習と確認を含めて解説してみたいと思います。尚税金、保険料については別ページにて解説を準備して参ります。

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販売諸費用の項目と解説(おさらい)

先ずは嫌になるほどよく見る諸費用明細です。普段何気なく打ち込んでいる見積書ですがどの項目が課税であってどれが非課税か把握していますか。偶にしか発生しない項目があると空白の見積書に手打ちで記載が必要になったりもしますが、そんな時どの欄に記入するのか戸惑ったりはしませんか?

考えられる項目を列記して参考金額も目安で入力しています。希望番号とか矛盾している箇所はありますがあくまで項目参考として記載しています。

こちらは販売店協会(登録センター等)に依頼する明細になります。(ワンストップサービスを除く)上の表と色が一致する部分が注文書に反映される諸費用額になります。詳細は個々に解説していきましょう。金額は事例です

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販売諸費用(課税欄)

代書料と代行手数料です(書類作成、納車費用、人件費が中心)

検査登録手続代行費用

業務課において登録届出を実際に行う代書・代行料になります。ディーラーの登録業務課では前日の午前中までに委任状や税金関連の領収書を作成準備します。譲渡情報などはAIRACに電子送信を行います。間違ってはいけない重要項目について完成書類をある程度作成し取り纏めて登録依頼書という形で運輸局内に置かれている登録代行センター(加盟販売店協会等)に提出します。集配などの利用によっては登録センターが登録届出前日の午後に回収するディーラーも多いでしょう。

登録センターには月毎に協会費を支払う事によってディーラー間での効率の良い業務運営をおこなっています。その為に手数料を支払っています。これら手数料や集配業務、代書代行全ての人件費として検査登録手続代行費用として受益者(ユーザーから)から頂いているものです。

納車費用

納品時に客様が店頭に購入車両を取りに来られるという場合には当然ながら発生しない費用です。しかしながら納車費用には納車前の洗車仕上げや納車ベイなのを利用してお客様に詳しくお車の仕様や取扱い注意点、今度のメンテナンスの流れなど様々なお伝えすべき内容があります。

当然ながらスタッフが長時間業務を割いて納車手続きに当たる訳ですので、店頭納車であってもサービスの一環として納車費用を頂くと考えるか否かは販売会社の「方針」考え方だと言えます。

 店頭での「ご来店納車」ではなく自宅へのお届けといった場合に於いては、近距離であてっもできる限り車載車(自動車専用運搬車両)を利用しご自宅近くまで搬送を行い納品をします。狭い路地などで車載車利用(駐車スペースが無い)が困難な場合に於いては、お客様と相談により自走によって行う場合もあります。車載車利用料、燃料費、距離によっては高速料金や遠隔料金等々が発生します。

遠隔に於いては別途記載欄がありますのでそちらで説明することとして、ご自宅納車は店頭納車にない様々な費用が発生することにおける「納車費用」として頂くべき費用であると言えます。

<車載車運転資格問題>

運転要免許資格として大型自動車運転免許が必要。若しくは 2トントラックベースのレッカー車であれば、普通自動車免許または平成29年3月12日以降に運転免許を取得した方であれば準中型免許があれば運転することができます。

しかしながら、最近入社してくる新人スタッフの多くはこの資格を有していないことが多いのです。自動車会社に入ってくるのにどうして?と考えるのですが、そもそも事務専業で入社希望とか店頭販売であってレッカー車で納車とまでは考えてはいないのです。少々困ったものです。営業所ともなれば少人数でお店を運用していきます。販売だけではなく、故障引き取りは日常的に起こります。当然故障しているお車の管理担当営業であれば「急いで対応を」と考えるものです。免許は必須です。

下取車手続代行費用

下取車の処理にあたり、所有者が誰であるかがまず重要になります。販売会社が所有者の場合(所有権留保)上記手続代行でお話しました代行センター経由にて所有権のやり取りを簡素化して行います。簡素化とは、通常所有権を頂く場合には使用者本人の確認証をもって所有者に発行を依頼する必要があります。

 この使用者の証明を省き、協会関係販売会社が責任を負う形で、車検証のコピー添付のみで所有権発行を行うように取り計らっています。簡素化にて発行可能な場合には「下取車手続代行費用」は発生しないことがあります。販売会社判断です。

 お客様本人が所有の場合には印鑑証明と実印、所有者現住所と車検証の記載住所に変更は無いか等の確認の上で費用が発生しないことになります。

 稀に、所有権発行が困難な場合があります。例えば所有者が死亡又は行方不明な場合、販売会社が倒産又は廃業していて印鑑が頂けない、所在がハッキリしない場合等があります。いずれにしても所有権が発行されなければ車の価値は無いものですので、移転登録手続きが出来るようしかるべき処理を図っていかなくてはならなくなるのです。

 方法も所有権が発行できない理由や処理方法によって異なります。所有権を取りに行く手間や何週間もかかる案件も珍しくないのです。その為にこの「下取車手続代行費用」があります。

車庫証明手続代行費用

お客様にて車庫証明を提出される場合には当然費用は発生しません。自己負担2700円程度です。

最近はWEBにて各都道府県の帳票を簡単に入手でき、入力もExcelシート等で直接入力プリントできるようになっています。ワンストップサービスの普及もあり印鑑も必要がなりつつあります。

販売店にて依頼される場合には印鑑は任意としておきまして、保管場所証明証、自認証、利用承諾証等行政書士さんに依頼をすることとなります。そのための費用が「車庫証明手続代行費用」です。

承諾書等、土地の管理人さんに頂く書類についてはお客様にご用意頂くようになります。敷地の図面(実際に何処に「何番の駐車場」等)を書いていただく必要があります。特に公的な団地や住宅施設にお住まいの方は、保管場所証明証(丸いステッカー若しくは標章の申請控)ほ返還が必要な場合があります。お車の増車なのか代替なのかによって保管できる台数が異なるための確認要件です。

自動車税未経過相当額

新車の購入では関係のない欄になります。中古車を購入される場合を想定します。中古車展示場にお車を展示している商品において車検が残っている車についてはその年の4月1日現在の自動車の納税義務者に対して「自動車税」が1年分先払い県税として支払われています。ですのでお車を買われた人は名義変更がなされた月以降の月から3月までの未経過分の自動車税を支払う必要があります。

実際に名義変更における登録手続き(移転・変更)登録届出において自動車税を自動車税事務所に支払うことはありません。登録届出には自動車税が必要ありません。要するに売買において未経過分を売りてと買い手で処理してくださいねということです。直接売買される場合には双方よく話し合って下さい。

車検の切れた中古車を新規に登録(小型車)する場合には別途自動車税(種別割)として未経過分を自動車税事務所に収める必要があります。中古車新規登録費用として必要です。

自賠責未経過相当額

自動車税同様に車検期間をカバーする範囲で自賠責保険(強制賠償保険)の加入が自動車には義務付けられています。従って車検期間の残月数相当の自賠責未経過月分の保険料が中古車としての価値としてあります。

中古車(車検月車)の見積額には必ず「自賠責保険の未経過相当額」が計上されています。当サイト内でも月割り額を基本的な種別車種のサンプルとして紹介しております。「自賠責未経過早見表」を是非ご参考にして下さい。

自賠責未経過料金は代理店手数料も含む正味保険料の月割り額となっています。

下取車査定料

見積書に計上されているかは販売店によってことなると思われます。最新の査定ではクラウド型でタブレット入力により車検証のQRコード読み込みで高速に車種グレードを読み込み登録年月から適正な基本評価額を一瞬にて計算するシステムになっています。コストもかかっていると言えます。基本的な査定に関わる手間としての人件費も勿論計上の理由です。

実際の査定は後付け部品の有無や傷、タイヤの溝、事故歴の確認、走行距離等加減点の判断ですが、比較的原始的というか、オークションの現状価格(車の時価)というものが判断材料としては大きくなっていると感じています。

現状では新車納品が長期化している現状があり(長期化のリアリティとして記事を書きます)故障車両での乗り換え等で直ぐに間に合う中古車市場が高揚しているため、中古車が普段より高騰しています。

リサイクル資金管理料金

車を購入するとリサイクル券が車検証と共に発行されてきます。ではこのリサイクル資金管理料金とは何なんでしょうか?実際に上記販売諸費用を見ると全く別の個所に計上されていることが解ります。これはリサイクルセンターと関係のない資金ということが解ります。

ディーラーで車が販売されると、納車される車に対してリサイクル券が発券されます。この発券する手数料として管理料金を徴収しています。

実際にはリサイクル券の原紙をリサイクルセンター経由で購入依頼をします。1箱(500枚)単位で購入しストックしてあります。各販売会社の生産と連動しているシステムによって車台番号と連動して発行印刷が行われます。発行されるタイミングは各社異なっています。

延長保証料金(名称は各社異なる)

新車には購入後の商品に対して品質保証が付いてきます。電化製品を買うと数か月から数年保証が付いてきますが車の電気回り商品も家電製品同様にメーカー保証が付いています。

新車の電気回りに特化すると3年間(走行距離規定あり)内で保証期間が各メーカーにて定められていますが、この保証期間が終了した以降に多くの故障が発生する事例が多いことは事実です。

このリスクを回避するために保証期間を延長して(保険に入るようなもの)おく為の契約になります。1万円少々の追加料金に設定されていますが多くの方が利用されている商品でもあります。

呼称は各メーカー様々で保証の範囲や期間も異なっていたりします。気になる方はメーカーサイトから補償内容は確認しておきましょう。

希望番号手続代行費用(呼称は様々)

お客様が直接インターネットで申請、振り込みされる場合には費用は発生いたしません。

希望番号のネット申込はこちらから

ここでは自動車の契約の中で販売会社が代行して希望番号申請を行うものとして、契約を行う段階でディーラーが代行して申請を行う代書(運輸局で支払う料金を除く)料として計上されているものです。

運輸局窓口で実際に支払う料金は下段の「預り法定費用(ナンバープレート代)」に計上されます。

更に販売店協会(登録センター等)に代行依頼を集配業務と兼ね合わせて依頼するディーラーが多く登録センターにて更に手数料が発生します。この費用は全て「検査手続代行費用」として計上されます。代書代行料が上がる訳ですね。希望番号申請代金は先払いです(抽選希望番号の申込は当選が確定していないので当選が確定した後の払い込みになります)人気番号は普通に何度でも落選します!

遠隔地納車費用

この費用はハッキリ言って計上されるべきものではありません。どういう意味かというと販売会社間に於いてテリトリーが存在します。契約があるとは申しませんが明らかに日本全国どこでも売りましょうという行為は推奨されるものではありません。専門用語で越権(県)行為と言います。

運輸局で他県ナンバーレッカーを見かけると同メーカーの新車ではないかと業務関係者だと気になります。見かけると心地よい気持ちにはなれません。どこから来てるの?となる訳です。

しかしながら、お客様にも様々な理由があります。長年取引のあるユーザーがいて親族に車を購入される場合などで県外別居されているケースなどもあります。(車はお付き合いで購入するけれど登録納車は県外(管轄外)になりますとかいろいろ)

自ずと納車は遠距離になります。高速料金、車載車利用料金、出張人件費、結構高額になります。

販売諸費用(非課税欄)

登録印紙、県証紙、ナンバープレート代金、ロードサービス等付加加入料になります

検査登録届出

サンプルでは新規登録印紙代(国)¥900+新規検査証紙(検査独立行政法人)¥1200です
軽自動車では上記(国)が当然無くて新規検査手数料¥1100になります。持込検査(改造等)は異なる

見積書を作成するとこの検査登録の欄にはナンバープレート代金が加算された状態で表示される販社が一般的だと思います。ここでは解りやすくするために別枠表示してみました。

冒頭にも書きました検査料金の改定が10月1日から実施され検査持込料金とう料金体系が複雑になってきていますので新しく追加される技術情報管理手数料を含め、機構について別に特集を組みたいと思います。

下取車

下取車の搬入後処理として販社名義に変更する際の登録印紙代金になります。

個人情報を排除する作業として早期に下取として引き取り買取をした車両について、販売者の名義に変更若しくは廃車手続きを行います。この申請に伴う代書代行費用の印紙代金を計上しています。

¥350が一般的です。

車庫証明(県証紙)

最寄りの警察署に提出申請を行う車庫証明申請原価です。県証紙は警察署窓口でも販売さてれいますが銀行でも取り扱っています。「収入印紙(郵便局取扱い)とは異なります」ご注意を

車庫証明手数料申請時¥2200、受取時に車庫証明標章ステッカー代¥500 計¥2700- 軽自動車の車庫証明は¥500-ステッカー代のみです。受取までに車庫証明を取り下げする場合には¥500-が発生しません。有効期限は発行から「かね1か月~40日」ですが1か月で切れるとしたほうが確実です。

お客様にて車庫証明を提出していただくと費用は当然発生しません。軽自動車の場合においても納車前に受取頂いて販売会社に届けておきましょう。所定の場所に綺麗に張る必要があります。

ナンバープレート代金(検査登録届出に合算)

ナンバープレート代金は管轄ナンバー別に異なります。また一般希望番号、抽選希望番号。オリンピック希望番号、ご当地ナンバー希望番号、字光式ナンバープレート、字光式希望番号多種多様です。

管轄種別ナンバープレート一覧参照

ご本人で窓口申請又はネット申請する場合においてのナンバー代金が上記の金額です。販売店でご希望の場合には別途発行手数料が必要になります。

ロードサービス加入料

通称JAF加入料で最近は40%の方が加入済みのサービスですが初めて車を買われる場合等では加入を進めることがあります。販売会社によってはキャンペーンなどの取り組みで全ての商談に於いて勧めている場合もあります。

新規加入で6000円ですが初年度のみ現金支払いで2年目から自動引き落とし複数年契約が一般的です。家族が既に加入されていている場合には家族加入2000円で加入できますが加入期間が異なってきます。注意が必要です。

メンテナンス加入料(呼称や内容は各社異なります)

購入後のクルマのメンテナンスを少しでもお安く?という方にお勧めの加入サービスです。比較的長距離を乗られる方で6か月毎の定期点検を欠かさず利用したいという方にお得なサービスです。買い物だけ、チョイ乗りの方には余り金銭的なメリットは少なくなります。

定期的なオイル交換やフィルター交換が最初から付いていて、基本的な点検整備料金が通常よりもお安く設定されています。点検を忘れがちでも案内は優先的に確実に来ます(先払いしてるので)。ただ引き取り納車は原則お客様となっています。

メンテナンス加入は自動車保険と同じく営業スタッフには重要販売ツールとして課せられていますので加入率が大変重要になっています。殆どの商談時点で進められる事項になっています。

お客様の用途と今後どの程度、購入した販売店で関わっていくかの判断の上で加入を決めましょう。

公正証書作成費用

一応、記載欄としては紹介していますが利用されることは殆どありません。あるようなお客様を取引自体を勧めていないし無理に購入を勧めてもいないケースが多いからです。高額商品を扱う場合や、支払いに不安がある場合、クレジットが通りにくい等で支払い条件で無理な商談を交わす場合に書いていただく書類作成料になります。

強制的にお車の権利を販売店側で差し押さえできる内容になっています。それでも買われます?

リサイクル料以下内容について

リサイクル料は車両を保有される使用者が違法投棄されぬように予め解体費用として支払って頂く預り金になります。解体処理が実際に行われるときに使われる料金ですので、当該車両を転売される場合には車の権利(売買代金に加算すべき金額)金額となります。車の売買では0円での取引は出来ませんので最低でも1000円+リサイクル料金が最低売買料金になります。

表下段に販売店の業務課が登録依頼をする際に実際に支払う内容について掲載しております。ワンストップサービスを利用しない料金サンプルです。この依頼代金を前日までに台数分書類作成をしています。支払いは銀行振込であったり小切手であったり代行センターも各社異なっています。

税金関連は大変な書面を割くことから特集を組みたいと考えております。

販売諸費用の解説にあたり

売買契約書の隅々まで細かく理解されているお客様は少ないと思います。増してや販売する側、営業スタッフも曖昧な知識や誤解や勉強不足もあります。キャリアによる差も多少あるでしょう。

簡単なおさらいの内容にはなってしまいましたが、基本的な取り決め契約事柄として一般の方にも詳しく知って頂きたいものです。

ご参考になれば幸いです。